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26.欲望の夜※
しおりを挟む耳を犯す水音のせいで余計に身体は敏感に快楽を伝えてくる。
中でかき混ぜ、内壁を擦られるだけで腰の震えが止まらなくなった。
「あっ、あっ、あっん、んんっ、ンンンっぁ、んんっ、あっ、ああっ!」
「すごいぐちゃぐちゃ聞こえるな。汁が手首の方まで垂れてきた」
ロレンシオが何か言っているが快楽を追うのに夢中で耳に届かない。
陰核を刺激されるのと中から疼く快感は全く違うものであり、頭が真っ白になる。
今まで一本だった指を二本に増やされてもすでに違和感を覚えないほど中での悦楽に慣れ始めていた。バラバラと異なる方向に動かされるのも気持ち良すぎる。
「あっ、あんんっ、んんん……っ、あん、っ、ああぁっ、ああっ、んん!」
ひっきりなしに嬌声が漏れ、蜜壺へと出入りが激しすぎて先程からベッドが軋んでいる。
そして突然指先がある一点を掠めた瞬間、今までで一番大きな喜悦の声を上げた。
「ああああっ、んんんンンンっ!」
そこを擦られるだけで、何か中から溢れてしまいそうな快楽が全身に行き渡る。ロレンシオもその変化に気がついたのか、入念にその一点を擦り上げた。
自然に腰を上げて揺らす自分がいた。
わかっていても腰の動きを止めることは出来なかった。
私はこんなに淫らではないはずなのに。
そんな思いが一瞬脳裏によぎるが、嵐のように襲いかかる快楽の荒波にすぐ飲み込まれていった。
「あっ、あっ、ああんっ、んんンンンンっ、んっ、あっ、あっ、んんっ!」
とうとう三本目の指が侵入すると、少しだけ圧迫感を覚える。だがその圧迫感でさえ、今の私にとってはすぐに快楽はと置き換わってしまった。
同時に空いた片方の手で乳輪をくるくるとなぞり上げられもどかしさに泣く。
先っぽをいじって欲しいという思いを伝えんと声わやあげようとするが、それは喘ぎにかき消される。
すでに目の前まで絶頂が差し迫っていた。
「あっ、あっ、い、いくっ、んんっ、いくっ、またっ、あんっ、い、イっちゃ、うっ!」
出入りする手もさらに激しくなり、私は絶頂に備えるようにして自然と手足に力を込める。そしてとうとう──。
「いっ、く、んんんんんんんンンンンンンっっ!」
私は奥歯をきつく噛み締め達した。
全身が先程以上に震え、あまりの気持ち良さに涙と汗でぐちょぐちょだった。
中も痙攣しているのかロレンシオの指の暑さを強く感じ、思わず締め付けてしまう。
絶頂を終えた私は荒い呼吸のまま虚空を見つめた。下腹部付近でがそごそと衣擦れの音がし、胡乱な目を向けると。
「……っ!」
目に映ったのは衣服を脱ぎ捨てるロレンシオの中心にある誇張だった。
以前触れたことはあったが、きちんとこの目で見たことは初めてで思わず顔に熱が集まる。
私が見ていることに気がついたのか、ロレンシオもこちらに視線をよこした。
いつも理性的なその瞳は欲望でぎらぎらとしており、しっとりと濡れてるこめかみから一筋の汗が落ちる。
その色っぽさに思わず息を呑み、絶頂の余韻も忘れて見入ってしまった。
ロレンシオは不敵な笑みを浮かべ、手についた私の体液をその分厚い舌でツーっと舐めとる。卑猥な仕草に我知らず瞼をぎゅっと閉じた。
「……今から入れるから、痛かったすぐ言え。無理はさせたくないから」
返事を返すのも恥ずかしくなり、こくりと首を縦に振る。
今からあのロレンシオの誇張が私の中に入るんだと考えるだけで、どうにかなってしまいそうなほどだった。
膣口に当てられたそれが慣らすように上下に動かされる。ロレンシオの先走りと私の愛液によってスムーズに動いているのがわかった。
ぐっ、と下腹部に圧迫感を覚えたその瞬間、体を引き裂くような痛みが私に訴えかけてきた。
「いっ、たっ……」
「す、すまない……鳴らしたんだが最初入れるときは痛むだろう。ゆっくり入れるから」
ロレンシオは私を気遣うように胸を愛撫し、気を紛らわせてくれる。
狭い道を開拓するように陰茎が進んでいき、痛みで冷や汗が止まらない。
時間をかけて最奥までたどり着いたロレンシオも苦しそうにうめいた。
「くっ、狭いっ…………締め付けがっ、くそっ」
小さく深呼吸をしたロレンシオは「少し動くぞ」と言って徐々に腰を動かし始めた。入れられた当初は痛みと圧迫感ばかりだったが、内壁を擦られ、突かれると次第に甘い痺れが下腹部を満たしていく。
私の上で汗をかきながら腰をグラインドさせるロレンシオを見ていると、さらに中の疼きが強くなっていった。接着部からは前にもまして粘着質な水音が響き、ベッドも激しく軋む。
「……っ、っ、はぁっ……っ、」
「……んんんんっ、あっ、あっ、んっ、んぁっ」
部屋の中にはロレンシオの荒い呼吸と私の短い嬌声がこだまする。
すでに苦痛はなく、代わりに全身を麻痺させてしまうほどの快感が頭からつま先まで渡った。
初めは小さかった嬌声も次第に大きくなり、貪欲に腰が動いてしまう。
私の快楽に気がついたロレンシオは当初の気遣いを忘れるほど、激しく膣口を出入りし、内壁を突いた。
ぱんぱんと肉と肉のぶつかる音が鳴り渡り、私も快楽を逃さないようにと足をロレンシオの腰に巻きつける。
ロレンシオの身体も覆い被さるように倒れ、汗ばんだ互いの肌が密着した。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、んんっ、あっ、あんっ、んんっ、あっ、んんんっ!」
「……っ、っ、ふぅ、っ、っんっ」
私たちは自然に唇を重ね合わせていた。貪り合うようにキスをし、思わず中を締め付けてしまう。
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