【完結】好きな人に会いたくて幽霊になった令嬢ですが恋を叶えてもいいですか?

雪井しい

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15.胸の大きさは度胸の大きさ※

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 私はロレンシオに再び身体を近づける。
 くっと息を飲む音が聞こえ、私は調子づいていた。

「ロレンシオ様……よければ私の胸、触ってください……」

「は、はぁ? お前は一体何を言って……」

「どうせ3つ目の未練の《気持ちいいエッチがしてみたい》があるんです。その予行演習ですよ」

 体の奥からゾクゾクと溢れる感情を自覚し、私は興奮しているのだとわかる。

「そういえばちゃんと聞いてなかったんですけど……ロレンシオ様は女性経験ありますか?」

「……まあ一応」

「それなら何も躊躇う必要なんてありませんよ。どうせ私は幽霊なんですから、自由に弄んでくださって構いません」

 私は意気込んで言葉を口にする。ロレンシオは少し考えた後、口を開いた。

「お前、相手は誰でもいいのか? 貴族の令嬢なら初めてなんだろう? ほら……アーベンがいいとかそういうのはないのか」

「えーっと特に。あ、でも今はロレンシオ様が相手ならいいなって思ってますよ」

 私は自慢の胸を張りながら、したり顔で見つめる。
 呆れたような面持ちのロレンシオは「うそつけ」と小さく呟く。

「お願いします。気持ちえっちなこと、経験してみたいんです。そうじゃなきゃ、成仏できません」

「………………わかった。どうせお前の願いを叶えて早く成仏してもらわなければならないんだ。俺も男だ。覚悟を決める」

「おっ! さっすがロレンシオ様!」

 褒め称える私を尻目に、ロレンシオは身を起こしてわたしの上へと覆い被さる。
 その表情はどこか緊張しているのかいつもよりも固く感じた。
 それでも月明かりに照らされ、長いまつ毛が顔に影を作るロレンシオの顔立ちは美しかった。

 私は胸の前で組んでいた手を解き、万歳をするように上げる。

「どうぞ、お好きに触ってください!」

「どうぞってお前な……色気も何もないな。ったく、どうしてこうなったのか」

 そう言いながらロレンシオは私の2つの膨らみをその大きな手で包み込む。

 優しく揉まれると身体が少しずつ熱くなっていくような気がした。

「…………あっ」

「ここが好きか?」

 ロレンシオの指先が膨らみの頂に触れると、びりりと電気が走り抜けるようだった。
 思わず閉じていた唇から声が漏れる。自分でも驚くような甘さを含んだ声に面映く思った。

 ロレンシオはその声で調子を良くしたのか念入りに服の上から捏ね上げる。
 気がつけばそのままでもわかるほど頂はピンと張り、服の上から強調していた。

「敏感なんだな」

「言わないでくださいっ」

 耳元で囁かれると腰に疼きが生まれ、私は両足をもじもじさせた。
 それに気がついたロレンシオはふっと笑い、私の着ていた寝巻きを一気に脱がせる。

 あっという間にドロワーズのみになり、直接肌が空気に触れる感覚に鳥肌を立てた。

「寒いか?」

「大丈夫です……それより、もっと気持ちいいのしてください」
  
 私はより快楽を求めるようにロレンシオに腕を伸ばす。
 肌を見られる羞恥心よりもロレンシオの与える刺激を求めていた。

「お前は本当に自分に正直だな。羨ましい限りだ」

 少しだけひんやりしたロレンシオの手が直接肌に触れる。
 片手で脇腹をなぞり上げ、もう片方で胸を包み、下から上へと揉み上げる。
 変則的に形を変える自分の胸。
 乳房はこれでもかというほど固く張り詰めて強調しており、指先で転がされると甘やかな喘ぎ声が漏れる。

「き、気持ちいいです……」

 とろんとした瞳でロレンシオに視線を送ると、「そうか」と少しだけ笑みを浮かべ、そのまま私の頂を口に含んだ。

「あぁっ!」

 突然の刺激に身を捩り、腰を揺らす。
 舌先で押しつぶされ、ころころ転がされると腰が抜けてしまいそうだった。

 ロレンシオは唇で頂を軽く喰み、そのあと甘噛みをする。先程以上の痛いほどの刺激にぽろりと目尻から涙が溢れた。

 自分で揉んでもこんなに気持ち良くなったことはなかった。
 耳年増の私は近所のお姉さんの話を聞くたびに幾度か自身を慰める行為を試したことはあったが、それとは全く別物だ。
 
 ロレンシオはひとしきり両胸とも頂を軽く喰み、舌で転がしたあと、ようやく口から離す。
 そこには息絶え絶えになった私がいた。

 静かな夜の空間に熱い吐息が響く。
 私を見下ろすロレンシオの表情はちょうど影になって見ることは叶わなかった。

 ロレンシオの手がゆっくりとドロワーズに伸び、足の隙間に届く。

「……ぐちょぐちょだな。上からでもわかる」

「だ、だって気持ち良すぎて……」

「下も触るから脱がせる。腰を浮かせて少し足を開け」

 熱い息をこぼしながら言われた通りに足を開く。
 ロレンシオはドロワーズを剥ぎ取り、そばに投げ捨てた。

 開いた足の間に手を入れられるとぐちょりと水音が耳に届く。
 私の陰部はロレンシオの愛撫を受けてとろとろと蜜を溢しており、指を動かされるたびに粘着質な音がした。

「……ぐちょぐちょだな。お前本当に処女か?」

「んんンンンっ! はっ、はい……ぁっ……処女です」

 指先は花弁を割り、蜜壺から零れ落ちる愛液を掬い上げる。そしてそれを割れ目に沿るようにして擦り上げた。

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