【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜

椿かもめ

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38.私も愛してる

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 自宅へ着き玄関に足を踏み入れた途端、いきなり玲二が身体を引き寄せてくる。抵抗する間もなく、その広い胸の中に押し込められて内心驚きで目を丸くする。

 だが次の瞬間には後頭部を掴まれて唇が合わさっていた。唇を舌先で舐められると鼻から息が漏れてしまい、背中に電流が走る。

「……こ、こんな、ところでっ」

「俺はすぐにでもお前を手に入れたいって言ったはずだよな? ほら、こっちこいよ」

 唇が離れた途端、急いで間を置く私に対してにやりと笑みを向ける。瞳は飢えた獣のようなに細まっており、その視線に囚われた私は無意識に唾を飲み込んだ。

 玲二に愛していると言われて心の底から歓喜した。気持ちが繋がることがこれほど幸せなこということに初めて気がつき、これ以上の幸福はないとさえ思った。

 香澄の家から劇団の本拠地へ移って、私は夜遅くまで演技の練習をする劇団員たちの姿を見た。夢に向かって下向きに努力するその姿は鮮烈に映り、自分も頑張らなければと思った。けれど玲二とのことがあ、もやもやが消えず思い悩んでいたときに玲二はやってきた。

 ひさしぶりにあった彼に対し私の身体は素直で、心臓が高鳴ることを止める術など思いつかなかった。

「……何よそ見してる? こっち見ろ」

 そう言って再び口付けられる。
 口内に侵入した舌に蹂躙され、身体から力が抜ける。ぺたりと床に座れこむと、玲二は私を見下ろしながら自分の唇を舐めた。

 そしてそのまま私をお姫様抱っこで抱え、寝室へと足を向ける。

 これからすることにドキドキと逸る心臓の音が耳まで届く。そんな些細なことからでも自分が期待しているということを自覚した。

 ベッドに降ろされ、玲二はその上に覆い被さる。ちょうど窓から月光が差し込み、玲二の顔に影を作る。切長の瞳だけがやけに爛々と輝いているようで、どくりと心臓が跳ねる。

「……んっ」

 玲二の手が太ももから腰、ウエストと身体のラインをなぞり上げる。全身の毛穴がぶわりと開く感覚を覚え、その感覚に打ち震えた。

 着衣の下に手が入り、直接肌をなぞり上げられる。同時に唇を塞がれ、分厚い下が口唇をかき割って内部へと侵入した。ぬるぬると口蓋を舌先でなぞり上げたあと、私の舌を貪るように絡みつく。
 息絶え絶えになりながらも求められている感覚に自分が興奮しているのがわかり、自ら舌を絡めに行く。
 さすれば玲二のキスもヒートアップし、より激しさを増した。

 唇が離れると銀糸がツーッと伝い、頭が茹だったかのようにぼんやりと玲二に視線を送る。

「………ぁッ」

 キスに夢中で気がつかなかったのだが下着のホックが外されており、するりと抜き取られる。そのまま衣服を手際良く脱がされ、生まれた状態となった。

 玲二も自身のスーツを脱ぎ捨て、胸元に顔を寄せた。敏感な場所を舐められ、片方は指先で転がされた。

 思わず背中が弓形に反り返り、小さな声を漏らす。そんな私の様子を見て、玲二は不敵な笑みをこぼした。手のひらで包み込まれて入念に解され、片手は腹を伝い、太腿に場所に到達する。

「………………あっ」

 なぞっていた手がその隙間をかき分け、敏感な場所を撫で上げた。水音が耳に伝わると恥ずかしさで頭に血が昇る。思わずぎゅっと目を閉じながら呟いた。

「お、ふろ…………入ってない……」

「そんなの後でいい。今はお前が欲しいんだ。だからーー」

 足を大きく開かれて恥ずかしいところを舐め上げられ、頭が真っ白になった。
 ありえないところに玲二の頭があり、全身が沸騰しそうなほどで。

「きっ、汚いですからっ」

「お前の身体で汚いところなんてない。黙って感じてろ」

 その舌や唇の動きにただただ翻弄され、さらに指も加わって経験値の差をじっくりと味わった頃。
 入念にほぐれたそこに玲二自身が当てられーー。

「…………っ、辛くないか?」

「……っ、は、はいっ」

 目の前にある玲二の顔が辛そうに歪む。綺麗な額から汗が一筋伝い、視界いっぱいに広がる官能的な場面に思わず心臓が跳ね上がった。

 玲二の事前準備のおかげで痛みもなく、むしろ全身に広がるのは心地よさを塗りつぶすほどの快楽で。
 体の隅々まで発熱し、胸を喘がせて玲二の与える刺激に答えた。

 息を荒げ、互いを貪り合うようにして求める。
 私のすべてを愛してくれる玲二に愛おしさが募り、思わず口走っていた。

「………玲、二さんっ…………愛してます……」

「…………っ」

 玲二は泣きそうに顔を歪める。
 そして私の背中に手を回し、強すぎるほどの力で包容した。その力強さに胸が苦しくて仕方がなくなり、ほろりと目端から涙がこぼれ落ちる。
 玲二はそれを掬い上げ、今まで見たことのないほど優しい顔で微笑んだ。いつもの意地悪さは微塵も感じさせない、晴れやかな笑みでーー。

「俺もっ…………こはるのこと愛してる。ずっと……一緒にいてくれ」

「……っ、はい」

 彼の温もりは私の心を癒し、自分の居場所はここなのだと実感しながら瞳を閉じる。

 私はこの日幸福に包まれ、玲二の腕の中で眠った。
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