正直な魔法の鏡

谷川ベルノー

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正直な魔法の鏡

2 鏡よ、鏡

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「……と、いうのは流石に冗談じゃよ。それでは改めて、世界で一番美しいのは誰じゃ?」

「それは、このお城で働くメイドのジェニファーです」

「ほぅほぅ……ところで、美しさの基準とは、一体いったいぜんたいどういう基準なのじゃ?」

「自分の好みですけど?」

「いやいや、それでは流石に…………あっ」

 お姫様は気付きました。
 どうも『絶対なる真実』とは、本人(いや鏡?)の主観によるものであるようです。
 相手の反応からしても『絶対なる真実』云々は、噂に尾ヒレと背びれがくっついたものであったようです。

 そう気付いたお姫様は期待外れに肩を落とし、鏡を即効売ってしまいましたとさ。

【終われ】
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