責任転嫁はもってのほか

谷川ベルノー

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責任転嫁はもってのほか

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 少女が目を覚ますと、まったく知らない粗末な作りの部屋にいた。

「………………」


 少女は目が覚めるなり、婚約者の女遊びにうんざりして婚約の破棄を申し出したものの、怒り狂った男に婚約破棄を破棄しろと怒鳴られたことを思い出した。




 ──────────とても、最悪な目覚めだった。





「………………ふっ………………ふっ………………ふふふざけないでよおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ──────────!!!!」


 自分が悪いくせに『悪いのは魅力に欠けたお前の方法だ』とか『もっと女らしく慎ましく出来ないのか』とかとにかく開き直った態度にムカムカが止まらない。
  魔力の放出も止まらない。


「悪いのは貴方の方じゃないの──────────!!」


 思いっきり叫んで、大爆発。


「………………ゼェ………………ゼェ………………ゼェ………………」


ゼェゼェ荒い息を吐いて正気に戻れば、一面が瓦礫の山。


「…………………………………………あっ!?」


 溜まりに溜まった鬱憤とストレスのせいで乱れに乱れきった体内の魔力の暴走の結果の残骸に、少女は顔を青褪めた。





 後日、少女に婚約破棄を突きつけられた男が瓦礫の山の中から発見され逮捕された。


 男は、少女が言う事を聞かないからと無理矢理魔法で眠らせるなり連れ去り、従順で大人しくなるまで監禁するつもりだったという。

 
 
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