白狼は森で恋を知る

かてきん

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後日談・番外編

リアンナへの新婚旅行3*

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「……は、ぁ、…んッ」
「ミア、イッたのか?」
「…駄目って、言ったのにぃ…ッ」

涙目で自分を見下ろすミアの顔は、はふはふと息が整わず、下半身はまだビクビクと痙攣している。下を確認すると、ミアの股間付近は予想外に何も出てはいないようだった。流れていったのかとも思ったが、どうやら出さずに達したようだった。

「ミア、何も出ていないが。」
「え…あ、良かった。我慢したから。」

へにょっと安心して笑うミアに、ガイアスは驚く。

(まさか、湯に出さないように射精を我慢したのか?)

「ミア、大丈夫か?」
「あ、…今触っちゃ駄目!」

そんなことをして身体は平気なのかと、心配になったガイアスは背中を支えるように手を這わせたが、ビクッと揺れたミアがそれを阻止する。

(いつもより痙攣が長いな。)

「どうした?」
「触ったら身体おかしくなりそッ…。どうしよ。」

不安そうに自分を見つめる伴侶の言葉に、ガイアス自身が高ぶってくるのが分かる。それはミアを膝に乗せた時点で既に挿入可能な程に大きくなってはいたが、さらに血が巡って膨張したようだ。硬いソレがミアの足を押し上げる。

「あ、硬…。ガイアス、セックスしたいの?ベッド行く?」

寝室で自分と交わろうと誘う愛らしい狼の台詞に、頭がクラクラする。嬉しい誘いではあるが、ガイアスの心は今ここでミアを組み敷きたいのだと訴えている。
それをぐっと堪え、やはり寝室へ運ぼうとミアを抱いて立ち上がった時、そそり立つソレに手が触れる感触がした。

「俺、気持ち良すぎておかしくなったら困るから、優しくゆっくり挿れて。」

ミアの言葉にカッと頭に血が上がる。そして、気付いた時にはガイアスは小さな身体を風呂の端に追いやり、細い腰を後ろから掴んでいた。
座る為の段差に立たせているため、挿入するのに丁度良い位置にミアの小さな尻がある。

「ガイアス…?」

足だけがお湯に浸かった状態で、後ろにぴったりと重なる。そそり立つガイアスのモノが背中に当たり、ミアは軽く身じろぎした。

(身体ジンジンして苦しいのに…。早く寝室に行きたい。)

スリスリと熱いモノが背中を行き来し、その硬さにミアも興奮してくる。

「あの、ベッド…」
「ミア、ここでしたい。」

早く寝室へと促すミアに対し、息を詰めたような声でガイアスは後ろから囁く。そしてそのまま、大きな両手で双丘を開いた。

「え、あ、何?!」

ガイアスを受け入れる場所を急に開かれ焦る。

(もしかして、本当にここでするつもりなの?!)

はぁッ、と詰めた息が聞こえ、普段冷静なガイアスが我慢できない程に自分を求めているのだと分かり、胸がドクドクと鳴る。お湯を汚してはいけないという思いから、どうしよう…とわたわたしていると、開かれた双丘の奥にぬめった熱を感じた。

「ッや、」

それがガイアスの舌であると分かり、彼が自らを挿入する為に蕾をほぐしていると理解する。そのまま舌を挿入されては困ると、ミアは慌てて自分の後ろに手を伸ばす。

「待って、中舐めないで!洗浄するから!」

焦った声で静止を促すが、一向に舌の動きは止まらない。そして、あろうことか、舌がにゅっと蕾をこじ開けて中へ入ってきた。

「や、…ああああッッ、っくぅぅん…、」

舌が入った瞬間、とっさに石を使って洗浄を施した。身体の中を水が駆け巡るようなこの感覚は、何回やっても慣れず、終わると腰がガクガクと震える。

(あ、力入んない、)

膝がガクッと落ちかけた時、大きな手で腰を掴まれ、壁に再び縋りつくことでミアは体勢を持ち直す。そして再び後ろを解すように舐められ、別の意味で腰が揺れた。


執拗に舌で中を擦られ、もう本当に立っていることが困難になってきた頃、ガイアスがつぷっと指を1本挿入した。そのままググッと奥まで入った指は、ミアの好い所を的確に刺激するように撫でていく。

「あッ、あッ、そ、そこ…っ!」
「ミア…。可愛い。早く繋がりたい。」

ガイアスはそう言ってズリズリと指を擦りながら出入りさせる。そして指の本数もいつもより早いペースで増やされる。



「や、はぁ…ッんぁ、」

3本の指が難なく出入りする頃には、ミアはもうぐずぐずであり、早く挿れて欲しいという思いでいっぱいになっていた。

(ずっと気持ちいいとこばっかり擦られて…早くガイアスの欲し…、)

そして、ちゅぽ…と音がして指が抜かれ、ガイアスの熱い先端が当てがわれると、自然と期待で腰を擦りつけた。

「…ミア、優しくゆっくりがいいんだろう?…煽るな。」
「早く…ッ、もう、いっぱい我慢したぁ…ッ。」
「…ッ後悔するなよ。」

(あ、きたぁ…。)

ズリズリッと数回穴に擦りつけ先走りを塗りこめられた後、ズッと中を馴染みあるモノで犯される。ミアは自然と息を吐き、やっと訪れた愛しい伴侶の熱に胸がきゅんと疼いた。

「あ、奥まで…全部?」
「…止められそうにない。」

奥までぐぐっと一気に入ってきたガイアスに、自然と迎えるようにナカが脈打つ。熱い猛りがみっちりとミアを満たしていき、はぁ…と息が漏れた。

「ミア、平気か…ッ?」

こんなに興奮した状態でもミアを気遣うガイアスの優しさにさらに愛しさがこみ上げる。

「…うん。動いていいよ。」
「すまないッ…。」

謝ったガイアスが、下から打つように腰を揺らす。

「あ、あんッ、が、がいあ、…」
「ミア。はぁッ、…くッ」

お互いに普段よりも早く快感を得ているようで、ガイアスもあと何回かの行き来で達しそうだ。ミアも達する前のように短い嬌声が何度も零れる。

「あ、出ちゃ、…駄目、あ…ッ!」
「ミア、我慢しなくていい。」
「前、駄目…擦っちゃ出るぅ…ッッ、」

ミアの震えているモノに手を伸ばして軽く擦ると、ビクビクっとすぐに脈を感じた。ミア本人はここで出しては駄目だという思いから我慢しているが、その思いを知らないのか、ガイアスは手の動きを速めていく。

「が、ガイアッ、…ス、出る、ごめんッ我慢できな…ッ!」
「ミア、出すんだ。」

耳元で甘い命令をされ、身体がビクンと大げさに揺れた。そして、後ろで「ッく…」と低い声がしたと同時に、ズルッと中にあるガイアスが出ていく。内壁を擦られ、その感覚がさらに射精感を煽った。

「あああぁ…ッ!!ガイアス!」
「…、ミア。」

背中に熱い飛沫を感じながら、ミア自身も震えながら白濁を散らした。

「はぁ…ん…、は、ぁ、」

お互いに長い精を吐ききったところで、ミアはそのまま湯舟に倒れ込みそうになる。ガイアスはその身体を慌てて抱き上げ、タオルでふんわり包むと寝室へ向かった。


「ミア、具合が悪くなってはいないか?」
「…平気。ちょっと激しくて立ってられなかっただけ。」

ふにゃっと笑うミアに安心したガイアスは、ミアをタオルにくるんだままベッドの上に寝かせる。そして自らは備え付けのバスローブを羽織り、飲み物を手に寝室へ戻る。

「ふふ、こんな姿でベッドにいるなんて、なんか悪い事してる気分。」
「疲れただろう。水を飲んだ方がいい。」

差し出された水を飲んで、横になる。そこまで熱い湯では無かったが、中で激しい動きをしたのだ。普段のセックスよりも疲れてしまった。

「ガイアス。こっち来て。」

水を飲み終えたガイアスを手招きし、横たえらせる。お互いに少し濡れたままベッドに寝そべっていると、ガイアスが頭を撫でてきた。

「急にすまなかった。今まで我慢していた分…抑えが…、」
「分かるよ。俺もだから。」

ふふっと笑うミアに、我慢が効かず申し訳なく思っていたガイアスの心も幾分軽くなる。


しばらくベッドの上でガイアスに撫でられながら幸せを感じていたミアだったが、さっきの温泉での自分の粗相に気付く。

「あ!そういえばお湯汚しちゃったよね……ど、どうしよう。」

自宅であればまだしも、ホテルの温泉を汚してしまったとあれば、大変なことなのでは…と焦っていると、ガイアスが気にするなとばかりに耳を撫でた。

「ここはかけ流しで、3時間で全ての湯が入れ替わると案内人が言っていた。」
「え、そうだったっけ?…じゃあ、とりあえずは大丈夫…?」

ミアはとりあえずホッと胸を撫でおろす。

「先に言うべきだったな。」

ガイアスは、お湯を汚すまいと出さずに達したミアの健気な姿を思い出し、自身がまた緩く勃ちあがりかけた。

(したばっかりだというのに…。一旦落ち着かなければ。)

ガイアスはお風呂での情事を思い出さないよう、慌てて別の話題を持ちかける。

「…ミア。落ち着いたら屋敷に一旦送ってくれるか?食事の前に様子を聞いておきたい。」
「うん。でも、もうちょっとだけくっついてからにしよ。」

そう言って胸元に擦り寄ってくる白い狼のあまりの愛おしさに、ガイアスは自分の雑念をなかなか払うことができなかった。





「あっっついよぉ~。」
「ミア、脱ぐんじゃない。」
「やだ…。なんでいじわるするんだよ。」
「もうすぐイリヤ殿が来る。」

うう~と唸るミアに、駄目だと念を押す。
あれから屋敷に帰って報告等を済ませたミアとガイアスは、ホテルで食事を取り、そのまま部屋に用意された酒を楽しんだ。リアンナ名物の酒は果実酒であり飲みやすいが、アルコール度数はずいぶん高く、数杯飲んだミアは、酔って例のごとく熱いと服を脱ごうとした。ガイアスとしては、イリヤが部屋へやってくる時間までは持ちこたえて欲しいのだが、このままではミアは彼が来る前に寝てしまうだろう。

静かになったミアに、「眠ったのか?」と様子を見ようとしたところで部屋のドアベルが鳴った。ドアを開けて中へ入って来たのは、今晩2人の隣部屋に泊まる予定のミア付き従者・イリヤだ。
イリヤは手短にとドアの前から動かずに挨拶をする。

「イリヤ殿。遅くにすまないな。」
「いえ、仕事ですから気になさらず。こちらは明日のミア様のお着替えです。」
「助かるよ。ミアはもうベッドから起き上がれそうにないからな。」

イリヤは、開いている寝室のドアの向こうをガイアス越しに見た後、「ああ、お邪魔でしたね。」と言ってペコリとお辞儀をした。

「では、明日の朝お声掛けし…いや、お好きなだけお休みになってください。おやすみなさいませ、ガイアス様。」
「…?ああ。」

イリヤの言葉に少し疑問を持ちつつ、自分達も寝るかと後ろを振り向く。

「ミア、大丈夫か?もう脱いでいい…ぞ…」

ガイアスは固まった。ベッドの上には、横たわるミア。纏っているのは新婚用にと用意された例の透けた紐パンツのみ。そして首元や肩には、夕方に風呂で交わった時に自分が無意識に付けたキスマークがくっきりと浮かんでいた。身体は全身酒のせいで火照っており、完全に『さっきまでそういう行為をしていました!』と言わんばかりだ。

(イリヤ殿はこれを見て…あんな反応を…。)

頭が痛くなり、指を目頭に当てて言い訳を考えるガイアス。そんな伴侶の苦悩も知らず、ミアはほろよいで気分の良いまま夢の中へと旅立っていた。
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