白狼は森で恋を知る

かてきん

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第3章 白狼と最愛の人

3*

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(なんか、良い匂いがする。)

暗い部屋の中。
寝ようとお互い何も喋らずにいたが、ミアは甘いような匂いを感じ目を開ける。薄暗い中であり確認することはできず、ミアはモゾモゾと動き眠るために良い位置を探る。
腕枕をしているガイアスの腕に擦り付けるように頬を寄せると、甘い匂いを強く感じた。

(ん、ガイアスの匂いか?)

イリヤが新しい石鹸に変えたのか…と考えたが、自分の腕をスンスンと嗅いでその匂いが違うと気付く。
もっとガイアスに近付き、その脇当たりに鼻を寄せると、甘い匂いがした。

さらに近づいて匂いを確かめる。それは花のような蜂蜜のような、何とも言えない香りで、ずっと嗅いでいたくなる。

(はぁ、いい匂い。なんか頭がぼーっとしてくる。)

「はぁ、」と溜息をついて、脇の辺りを見つめる。甘い匂いに思考がはっきりとせず、『美味しそう』と思った時にはガイアスの寝巻きの上ボタンを外していた。そして舌を出し露わなガイアスの脇を舐めた。
そのまま夢中でチロチロと舌を動かしていると、ガイアスが起きたのか「ミア…?」と小さい声を出した。

まさか恋人が寝ている自分の脇を舐めているとは思わず、驚いた様子でビクッと身体を揺らした。

「はぁ、甘い。」
「ミア、何してるんだ。」

明らかに自分を舐めているミアを引きはがすと、近くの灯りをつける。ぼんやりとした光の中で、目をとろんとさせたミアがガイアスを見上げた。

「どうしたんだ?」
「なんか、甘い匂いがして頭が少しぼーっとする。」

薬のせいかもしれないな…と感じたガイアスはミアの頬から首へ手を滑らせると「リース様を呼ぼう。解熱剤を飲んだ方がいい。」と言った。ミアはガイアスに触れられてビクッと身体を跳ねさせる。

「や、やだ。良い匂いがするのに!」
「どこからするんだ?」

ミアはガイアスから甘くてとても美味しそうな匂いがするのだと言い、顔を寄せて胸の横から脇の辺りを舐めてきた。行為中ではないのにミアから積極的に身体に触れられ、ガイアスは息を飲みそれを見つめた。

「匂い嗅いで、ちょっと舐めるだけだよ…いい?」

上目遣いに見つめてくるミアに「駄目だ」と言うことができない。頭で考えるのとは裏腹に「少しなら、」と返事をしてしまった。



(一体どんな匂いがしてるんだ。)

「はぁ、ここも良い匂いがする。」

ミアはガイアスの首元から項にかけてスンスンと鼻を近づけ、ペロペロと舐めてきた。小さい舌が這っていく感覚にどうしようもない昂りを感じる。

「ちょっとだけ噛んでいい?」
「あ、ああ、いいぞ。」

噛むという単語にドキリとしたが、甘噛み程度だろうと了承する。嬉しそうに「わぁ、」と言ったミアは、ガイアスの項を数回舐めると、ガジガジと噛みついてきた。

(まるで小さい狼だな。)

親にじゃれつく白い小狼を想像する。考えるとふっと笑みが零れ、性的な興奮が少し抑えられた。そのまま和んだ気持ちで噛みついてくるミアの後ろ頭を撫でていると、ガブっと勢いよく噛みついてきた。

「…ッ!」
「ご、ごめんっ!」

痛みにミアを見ると、自分でも分からないうちにしてしまったのか、慌てた様子だ。「大丈夫だ」と柔らかな口調で言うと、ミアは安心したようにまた項を舐め始めた。しかし、しばらくするとまたしても噛もうと口を大きく開ける。
2回目となればガイアスもその気配に気付き、噛まれる前にミアを剥がす。

「こら、悪さするな。」
「あ、ごめん俺…何でだろ。」

つい噛みたくなってしまうのだと言うミアは、自分でもなぜそんなことをしたいのか分からないようだ。「もう噛まないから」と言ってまた匂いを嗅ごうとガイアスの顔に近づく。そんなミアの顎を指で掬うとちゅ、と口付ける。

「こっちにはしてくれないのか?」

「さっきから首ばっかりで寂しい」と言うガイアスに顔を赤らめたミアがその唇を舐める。チロチロと小さい舌が唇を舐めていく感覚に、ガイアスの下半身が反応し始めた。

「中も舐めてくれるか?」

口を開けてミアを見ると、「うん…」と小さく呟きおずおずと舌を差し入れてくる。最初はぎこちなく舌を絡めていたが、途中からまた甘い匂いを感じたのか、ガイアスの舌を吸ってそれを甘噛みする。

「んぁ、ん…、」

声を漏らしながら時々噛もうとするのを「こら」と言って止める。その度に「ごめん」と謝りまた癒すように舐めていく。それを繰り返している内にミアのアソコが反応し勃ってきたようだ。ミアはもじもじとしていた足の間に自分で手を伸ばした。

「ミア、1人でするのか?」
「あ、違う…」

ガイアスは、目の前の恋人に触ってもらわなくていいのか…という意味で言ったのだが、ミアは『1人だけ気持ちよくなる気か』と受け取ったらしい。ガイアスのソレを寝間着越しに撫でると、「俺がする…」と緑の目を見つめた。

(可愛い…)

ガイアスは、自分の寝間着を一生懸命脱がそうとしている恋人に愛しさが込み上げてくる。

「じゃあ、ミアのは俺がしよう。」
「…うん。」

期待するような熱のこもった目で見られ、ガイアスのソレがさらに大きくなる。ミアはガイアスの寝間着のズボンを下ろす事に成功し、勃ちあがったものに手を添わせる。

ガイアスもミアの寝間着を素早く取り去ると、硬くなったソレに触れる。その感触にビクッと身体を震わせたミアが、思わずガイアスの唇を噛む。項を噛まれた時程ではなく、甘噛みとも言えるそれは、ガイアスにとってなんともないことだったが、ミアは『駄目って言われたのに噛んでしまった…』と動揺していた。

「あ、また俺…痛かった?」
「噛んだらどうするんだ?」

ガイアスが意地悪な顔でミアを見下ろす。ミアは少し考えて、その唇を癒すように舐めた。正解とばかりに頭を撫でられ、ミアはホッと安心する。

キスをしながらお互いに手で扱き合う。大きな手が自分のソレをゆっくりと擦っていく感覚に、気持ちよさを感じるが少し物足りない。「ガイアス、」と声を掛け目で訴えかけると、ガイアスは「口でしようか」と言ってミアを仰向けに寝かせ、足の間へ移動する。そのまま勃ちあがって濡れているミアのソレに口付けると、ミアの身体が強張った。
そのままミアのソレを先端から口に含む。ズッと吸うように根本までいき、また先端まで往復させようとすると、「やぁ…ッ!」と声がして掴んでいる腰が震えた。
そのまま温かいモノが口に広がり、ミアが達したのだと分かった。

(まだ口に入れただけだが…)

これも媚薬の効果だろうか…とガイアスが考えていると、ミアが息を乱しながら、「それ、出して。」と枕元にあるタオルを差し出してくる。

(飲んでもいいが、ミアは嫌がるだろうな。)

ガイアスはミアから受け取ったタオルに口の中の精液を垂らした。その様子をミアがじっと見つめている。

「俺も…していい?」
「ああ。」

「噛みつかないようにな」とミアの頭を撫でてからヘッドボードに背を預けて座る。ミアが足の間に来ておずおずとガイアスのソレに手を掛ける。顔を近づけると甘い匂いが立ちこめ、思わずソレに鼻を寄せる。

スンスンと匂いを嗅ぐミアに恥ずかしくなったガイアスは「やめてくれ、」とミアのおでこを軽く後ろへ押す。しかし、その声も無視してさらに竿の下の袋まで嗅ぎだしたミア。
甘い匂いがしているのかその表情はとろんとしており、夢中でガイアスのソレを嗅ごうとぐっと近づく。唇や鼻が勃っているモノに触れ、ガイアスも我慢が出来なくなってきた。ミアの頭を優しく撫でながら、「舐めれるか?」と聞いた。



「ん、はぁ…甘い。」

ミアは始めに先端を舐めると、驚いた顔で「甘い」と言い、ちゅうちゅうと吸い付いてきた。先ばかりを刺激され、もどかしい気持ちでじっとしていたガイアスだが、見下ろした先にある喉がこくんと上下するのを見て、ミアが溢れてくる先走りを飲んでいることに気付いた。

「こら、飲むんじゃない。」
「でも…美味しい。」

その台詞と見上げてくる金色の視線に胸が熱くなる。

「飲むなら離せ。」

ミアの体調を思い、自分の中の不埒な考えを押さえると、ミアを離すため両頬に手を添える。ガイアスのソレから口を外し、いやいやという仕草をしたミアがガイアスのモノをまた咥え半分まで含む。先が喉に擦られ、ガイアスは「ん、」と声を出してしまう。
そのまま吸いながら上下していく快感に目を瞑って耐えていると、「んんッ」とくぐもった声と共にミアの身体がビクッと動いたのが伝わってきた。
きゅーっと吸い付いてくる口内に目を開けてミアの様子を見ると、片手を尻尾の近くに置いたミアが息を乱している。

「洗浄したのか?」
「うん、入れて欲しい。」

(狼というのは皆こうなのだろうか。快感をすぐに覚えて求めてくる。)

ついこの間まではそういう行為があることすら知らなかったミアが、今はガイアスの熱を求めて自分で後ろを綺麗にして待っている。

「ミア、ほぐすからちょっと待つんだ。」
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