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第1章 白狼は恋を知る
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ミアが帰った後、屋敷の使用人達はガイアスを囲んで食堂のテーブルについていた。
ガイアスはミアが王家の狼であるということを伝えるために皆を呼んだのだが、「ミアが満足していた。」と最初に礼を伝えると、皆口々に感想を述べだした。
「ミア様とても気さくな方でしたね。最初はあまりの美しさに緊張してしまったけれど。」
「愛らしい笑顔が素敵でしたわ。また来ていただけないかしら。」
「浮かれたあなた達が、いつ失礼な事をするのではないか1日ヒヤヒヤしましたよ。」
感激といった風に手を取り合うメイド達と、そんな2人を見るメイド長は眉間に少し皺を寄せながらも、どこか嬉しそうだ。
「お見送りの時に渡したサンドウィッチも喜ばれてましたね。」
「あんなに『美味しかった』と何回も言われたら…悪い気はしないな。」
「料理長手ずから渡してましたもんね~。珍しく。」
「何が言いたい。」
「いや、別に…。その後ニヤニヤして…「してねぇ!!」
見習いの青年の頭にゴチ、とゲンコツを落とす料理長。青年は「いってぇ!」と言って黙った。
「庭も美しいと言ってくだって、嬉しかったですね!親方!」
「ああ。」
「いただいたお菓子も、初めて食べる触感で美味しかったですね!」
「そうだな。」
庭師見習いの青年が言うように、ミアが持ってきた狼国の菓子は、人間国ではあまり流通していないものだ。
包装紙を開けた時は、皆その中身を興味ありげに見ていた。
使用人達は、普段ガイアスの前では完璧と言ってよい態度で礼節を守っている。
しかし、今日ばかりは主人の想い人である狼が屋敷に来たとあって興奮しているようだ。
おしゃべりが止まらない。
「みなさん、ガイアス様からお話がございます。静かに。」
盛り上がり終わりそうにない会話を執事が収めた。
「本日来たミアだが、彼は王家の狼であるミア・ラタタだ。」
シーン、と静寂が訪れた後、「は…ッ」と息を飲む声がした。
「ど、どうしましょう、私…!絶対に何か失礼をッ」
メイドの一人が慌てだす。
他の者も何か思うところがあるようだが、ガイアスは気にせず続ける。
「安心してくれ。ミアは今日のもてなしを喜んでいた。」
全員が主人の言葉に耳を澄ます。
「彼が王族であっても、俺の一番大事な人に変わりはない。これまで通り週末も会う予定だ。そして…10日後に行われるミアのお披露目式に出席することとなった。準備を頼む。」
「午後のご予定は変更されますか?」
「いや、予定はそのままで、午前中の時間はすべて席で過ごす。」
「かしこまりました。」
「以上だ。皆今日はご苦労だった。」
執事が礼をとったところで、ガイアスが解散するように言う。
各自の部屋へと帰っていく途中、メイド長はメイドの2人が何やらコソコソと調理場に走っていくのを見た。追いかけてみると、ジュースと使用人用の夜食を抱えた2人が、「あっ」とでも言いたげな表情で立ち止まった。
「あなたたち、ミア様の話で宴会でもする気ですか。」
「これは…その、ただお腹が少し空いてしまったので…」
「…食べたらすぐに休みます…」
しどろもどろに話す2人に、メイド長は、また溜息をつく。
「…私も参加していいかしら。何か甘いものが食べたいわ。」
「……はいっ、もちろん!」
3人は夜更けまでミアとガイアスについて語り、次の日、珍しく眠そうなメイド長をメイド2人がサポートする様子に、皆が首をかしげた。
・・・・・
お披露目会まであと3日。
よほど忙しいのか、剣が終わり紅茶を少し飲んで休憩していたミアは、気づけば草の上に寝っ転がってうたた寝をしていた。
「疲れてるんだな。」
ガイアスは持ってきていた上着をミアにかけようとして、ふと手を止めた。
ミアは今、仰向けで腕を顔の横に置き、すやすやと寝息を立てている。
『狼は本当に安心できる相手の前でしか仰向けで寝ないんだ。』
以前ミアが言っていたことを思い出す。
(俺に完全に心を許してるのか…?)
顔が緩むのを止められない。誰に見られるわけでもないのに、それを隠すように口元を手で覆った。
ようやく落ち着いた頃、ガイアスが上着をミアにかけると、「んぅ…」と声を出して身じろぎしミアが横向きになった。
座っているガイアスの左ももにミアの右手が載せられる。
「・・・・・・ッ!」
温かく小さい手がガイアスの身体に触れ、全身が粟立つ。
もし自分が狼だったら尻尾がブワっと立っているはずだ。ガイアスは心を落ち着けるため、2年間に及ぶ地獄の遠征を回想することにした。
「待ってっ、ん…あれ?」
ミアが目を開けると、何か黒いものがぼや~っと映った。
それがガイアスの足だと分かると、自分が練習終わりに寝てしまったのだと気づく。
ガバっと起き上がるミア。掛けていた上着が横に落ちたのを見て、ガイアスはそれを拾って後ろに置いた。
「起きたか。」
「ごめんガイアス!いつの間にか寝てたみたい。」
「ちょっとだけだ。30分も経っていない。」
「俺、変なこと言ってなかった?!」
動揺したように目をさ迷わせるミア。
「何も言ってなかったが…夢でも見たのか?」
「う、うん。」
ガイアスの横に敷いてある青いランチマットの上に自分のマグカップが置いてあるのが見えた。
「お茶、せっかく入れてくれたのにごめん。」
「今、新しいのを入れよう。」
そう言うと、ガイアスはバスケットに手を伸ばした。
夢にガイアスが出てきた。
見たことない広い花畑でガイアスと並んで座り、サンドウィッチを食べていたと思ったら頭を大きい手で撫でられた。
気持ちが良くて目を閉じると、そのまま肩を掴んで横にゆっくりと寝かされた。
その瞬間、場所がいきなりミアの部屋に切り替わり、ベッドの上に2人で寝ていた。ガイアスに覆いかぶさられるような形で、やけに顔が近い。
耳の近くに息がかかって、少しむず痒いと笑ったら、ガイアスの顔が近づいてきた。
どんどん迫ってくるガイアスに、もしかしてキスされる?!と思った瞬間、ミアは目が覚めてしまったのだ。
(起きなかったらどうなってたんだろう…。ってだめだ!また変なこと考えちゃってる。)
自分の想像をかき消すように、ブンブンと頭を振っていると、噴き出したガイアスの声がした。
「ふっ、何やってるんだ?」
「……雑念を飛ばしてる。」
「…食べ物の夢でも見たのか。」
「うーん、半分当たり。」
ミアがちょっと考えてからうなずく。
ガイアスは「じゃあ、早くミアの好きなものを食べさせないとな。」と言って笑った。
「近いうちに街へ行かないか?前に言っていたサンドウィッチの店に連れていこう。」
「え!いつ?!」
「そうだな、来週末はどうだ?」
「式が終わって4日後かぁ…行ける!てか、行きたい!」
式が終わればいつもの生活に戻るというミアは、今から出かけるのが楽しみなようだ。
尻尾がブンブン振れている。
「夕方集合はどうだ?その日は屋台がたくさん出ているんだ。申し訳ないが、剣の練習は休みにしようと思う。」
「大丈夫。じゃあ、ご飯食べて…屋台でも何か買ってみたい!」
「いいな。」
ガイアスがミアの頭に手を乗せ、よしよし、と動かした。そしてそのまま頬に手を持っていく。
「ん、ちょっと冷たいな。」
「別に寒くないよ。」
そう伝えると、鼻先を指の甲で軽く擦られ「っむ…」とミアが声を出す。
そんな様子に微笑むガイアスを見ていると、先ほどの夢を思い出す。
(さっきは、このまま後ろに倒されて顔が近づいて…。あのまましてみたかったな……キ…、)
「っス……!?」
「す?」
思わず声に出しそうになり、口を塞ぐミア。
急に焦ったような声を上げたので不思議に思ったガイアスだったが、ミアがまた自分の行動によって照れているのかもしれないと気づいた。
もっと意識してもらいたい、とガイアスは顔を近づけて心配するふりをした。
「どうした?」
「や、や、やっぱ、ちょっと寒いかも!」
「ふっ、そうか。」
どもりながら言うミアに、自分の上着を渡そうと後ろを振り向くガイアス。
(俺、ガイアスのこと好きなんだな…。)
さっきの妄想が確かなら、自分はガイアスに恋をしている。
ようやく気付いたミアだったが、今知ったばかりの感情をうまくコントロールできない。
ガイアスの仕草にいちいち反応し変な態度をとってしまう自分が、子どものように思えて情けなかった。
(……早く大人になりたい。)
いつも余裕で大人なガイアスのようになりたくて、ミアは隣に座る男をじっと観察することにした。
ガイアスはミアが王家の狼であるということを伝えるために皆を呼んだのだが、「ミアが満足していた。」と最初に礼を伝えると、皆口々に感想を述べだした。
「ミア様とても気さくな方でしたね。最初はあまりの美しさに緊張してしまったけれど。」
「愛らしい笑顔が素敵でしたわ。また来ていただけないかしら。」
「浮かれたあなた達が、いつ失礼な事をするのではないか1日ヒヤヒヤしましたよ。」
感激といった風に手を取り合うメイド達と、そんな2人を見るメイド長は眉間に少し皺を寄せながらも、どこか嬉しそうだ。
「お見送りの時に渡したサンドウィッチも喜ばれてましたね。」
「あんなに『美味しかった』と何回も言われたら…悪い気はしないな。」
「料理長手ずから渡してましたもんね~。珍しく。」
「何が言いたい。」
「いや、別に…。その後ニヤニヤして…「してねぇ!!」
見習いの青年の頭にゴチ、とゲンコツを落とす料理長。青年は「いってぇ!」と言って黙った。
「庭も美しいと言ってくだって、嬉しかったですね!親方!」
「ああ。」
「いただいたお菓子も、初めて食べる触感で美味しかったですね!」
「そうだな。」
庭師見習いの青年が言うように、ミアが持ってきた狼国の菓子は、人間国ではあまり流通していないものだ。
包装紙を開けた時は、皆その中身を興味ありげに見ていた。
使用人達は、普段ガイアスの前では完璧と言ってよい態度で礼節を守っている。
しかし、今日ばかりは主人の想い人である狼が屋敷に来たとあって興奮しているようだ。
おしゃべりが止まらない。
「みなさん、ガイアス様からお話がございます。静かに。」
盛り上がり終わりそうにない会話を執事が収めた。
「本日来たミアだが、彼は王家の狼であるミア・ラタタだ。」
シーン、と静寂が訪れた後、「は…ッ」と息を飲む声がした。
「ど、どうしましょう、私…!絶対に何か失礼をッ」
メイドの一人が慌てだす。
他の者も何か思うところがあるようだが、ガイアスは気にせず続ける。
「安心してくれ。ミアは今日のもてなしを喜んでいた。」
全員が主人の言葉に耳を澄ます。
「彼が王族であっても、俺の一番大事な人に変わりはない。これまで通り週末も会う予定だ。そして…10日後に行われるミアのお披露目式に出席することとなった。準備を頼む。」
「午後のご予定は変更されますか?」
「いや、予定はそのままで、午前中の時間はすべて席で過ごす。」
「かしこまりました。」
「以上だ。皆今日はご苦労だった。」
執事が礼をとったところで、ガイアスが解散するように言う。
各自の部屋へと帰っていく途中、メイド長はメイドの2人が何やらコソコソと調理場に走っていくのを見た。追いかけてみると、ジュースと使用人用の夜食を抱えた2人が、「あっ」とでも言いたげな表情で立ち止まった。
「あなたたち、ミア様の話で宴会でもする気ですか。」
「これは…その、ただお腹が少し空いてしまったので…」
「…食べたらすぐに休みます…」
しどろもどろに話す2人に、メイド長は、また溜息をつく。
「…私も参加していいかしら。何か甘いものが食べたいわ。」
「……はいっ、もちろん!」
3人は夜更けまでミアとガイアスについて語り、次の日、珍しく眠そうなメイド長をメイド2人がサポートする様子に、皆が首をかしげた。
・・・・・
お披露目会まであと3日。
よほど忙しいのか、剣が終わり紅茶を少し飲んで休憩していたミアは、気づけば草の上に寝っ転がってうたた寝をしていた。
「疲れてるんだな。」
ガイアスは持ってきていた上着をミアにかけようとして、ふと手を止めた。
ミアは今、仰向けで腕を顔の横に置き、すやすやと寝息を立てている。
『狼は本当に安心できる相手の前でしか仰向けで寝ないんだ。』
以前ミアが言っていたことを思い出す。
(俺に完全に心を許してるのか…?)
顔が緩むのを止められない。誰に見られるわけでもないのに、それを隠すように口元を手で覆った。
ようやく落ち着いた頃、ガイアスが上着をミアにかけると、「んぅ…」と声を出して身じろぎしミアが横向きになった。
座っているガイアスの左ももにミアの右手が載せられる。
「・・・・・・ッ!」
温かく小さい手がガイアスの身体に触れ、全身が粟立つ。
もし自分が狼だったら尻尾がブワっと立っているはずだ。ガイアスは心を落ち着けるため、2年間に及ぶ地獄の遠征を回想することにした。
「待ってっ、ん…あれ?」
ミアが目を開けると、何か黒いものがぼや~っと映った。
それがガイアスの足だと分かると、自分が練習終わりに寝てしまったのだと気づく。
ガバっと起き上がるミア。掛けていた上着が横に落ちたのを見て、ガイアスはそれを拾って後ろに置いた。
「起きたか。」
「ごめんガイアス!いつの間にか寝てたみたい。」
「ちょっとだけだ。30分も経っていない。」
「俺、変なこと言ってなかった?!」
動揺したように目をさ迷わせるミア。
「何も言ってなかったが…夢でも見たのか?」
「う、うん。」
ガイアスの横に敷いてある青いランチマットの上に自分のマグカップが置いてあるのが見えた。
「お茶、せっかく入れてくれたのにごめん。」
「今、新しいのを入れよう。」
そう言うと、ガイアスはバスケットに手を伸ばした。
夢にガイアスが出てきた。
見たことない広い花畑でガイアスと並んで座り、サンドウィッチを食べていたと思ったら頭を大きい手で撫でられた。
気持ちが良くて目を閉じると、そのまま肩を掴んで横にゆっくりと寝かされた。
その瞬間、場所がいきなりミアの部屋に切り替わり、ベッドの上に2人で寝ていた。ガイアスに覆いかぶさられるような形で、やけに顔が近い。
耳の近くに息がかかって、少しむず痒いと笑ったら、ガイアスの顔が近づいてきた。
どんどん迫ってくるガイアスに、もしかしてキスされる?!と思った瞬間、ミアは目が覚めてしまったのだ。
(起きなかったらどうなってたんだろう…。ってだめだ!また変なこと考えちゃってる。)
自分の想像をかき消すように、ブンブンと頭を振っていると、噴き出したガイアスの声がした。
「ふっ、何やってるんだ?」
「……雑念を飛ばしてる。」
「…食べ物の夢でも見たのか。」
「うーん、半分当たり。」
ミアがちょっと考えてからうなずく。
ガイアスは「じゃあ、早くミアの好きなものを食べさせないとな。」と言って笑った。
「近いうちに街へ行かないか?前に言っていたサンドウィッチの店に連れていこう。」
「え!いつ?!」
「そうだな、来週末はどうだ?」
「式が終わって4日後かぁ…行ける!てか、行きたい!」
式が終わればいつもの生活に戻るというミアは、今から出かけるのが楽しみなようだ。
尻尾がブンブン振れている。
「夕方集合はどうだ?その日は屋台がたくさん出ているんだ。申し訳ないが、剣の練習は休みにしようと思う。」
「大丈夫。じゃあ、ご飯食べて…屋台でも何か買ってみたい!」
「いいな。」
ガイアスがミアの頭に手を乗せ、よしよし、と動かした。そしてそのまま頬に手を持っていく。
「ん、ちょっと冷たいな。」
「別に寒くないよ。」
そう伝えると、鼻先を指の甲で軽く擦られ「っむ…」とミアが声を出す。
そんな様子に微笑むガイアスを見ていると、先ほどの夢を思い出す。
(さっきは、このまま後ろに倒されて顔が近づいて…。あのまましてみたかったな……キ…、)
「っス……!?」
「す?」
思わず声に出しそうになり、口を塞ぐミア。
急に焦ったような声を上げたので不思議に思ったガイアスだったが、ミアがまた自分の行動によって照れているのかもしれないと気づいた。
もっと意識してもらいたい、とガイアスは顔を近づけて心配するふりをした。
「どうした?」
「や、や、やっぱ、ちょっと寒いかも!」
「ふっ、そうか。」
どもりながら言うミアに、自分の上着を渡そうと後ろを振り向くガイアス。
(俺、ガイアスのこと好きなんだな…。)
さっきの妄想が確かなら、自分はガイアスに恋をしている。
ようやく気付いたミアだったが、今知ったばかりの感情をうまくコントロールできない。
ガイアスの仕草にいちいち反応し変な態度をとってしまう自分が、子どものように思えて情けなかった。
(……早く大人になりたい。)
いつも余裕で大人なガイアスのようになりたくて、ミアは隣に座る男をじっと観察することにした。
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