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第二章 白狼と秘密の練習

ふたりで練習*

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「だから植木の後ろにいたのか」
 寝ころんだまま、今日ここへ来るまでの経緯を話すミア。
 メイド二人と協力してここへ来たのだと伝えると、ガイアスは少し頭を抱えていた。
「ねぇ、そういえば……橋の上で何話してたの?」
 ミアは一番気になっていた事をガイアスに尋ねる。思えば、あの時の楽しげな二人を見て、ミアはガイアスを諦めようと決めたのだ。
「……あれは、そうだな、」
「言えないこと?」
 歯切れの悪いガイアスに、ミアが詰め寄る。
「リリー様の耳飾りが緑だったんだ」
 ガイアスの話し方から、あれは贈り物ではないと分かる。
「……だから、その石は何という名前か聞いていた」
 それがなぜ言いにくい話なのだろうか……ミアは分からず首を傾げる。
「恋人に贈りたいと言ったら、少し重たいんじゃないかと言われ、笑われたんだ」
 ミアは予想外の会話の内容に驚いた。あの時のミアの頭の中は、『ガイアスが贈った耳飾りを喜ぶお嬢さんの図』であったが、真実は違っていた。
「以上だ」
 ミアは寝転んだまま、ずりずりとガイアスに近寄る。
「嬉しいよ? ガイアスが、自分の色を身に着けてって言ってくれたら」
 ぴったりとガイアスの胸に顔を寄せる。
「俺、指輪の緑を見て、いつもガイアスのこと思い出すんだ。すっごく幸せな気分になるよ」
「ミア……」
 ガイアスはくっついているミアの頭を抱え込むように抱きしめる。ミアはさらにくっつこうと身体を摺り寄せた。
 二人はそのまま、気が付けば陽だまりの中、すやすやと眠っていた。

 目覚めた二人は部屋で夕食を取り、再び風呂に入った。
(また、一緒にお風呂に入っちゃった)
 ガイアスの裸を思い出し、少し照れてゴロゴロとベッドの上で転がるミア。
 ガイアスはそれを不思議に見つつ声を掛ける。
「もう寝るか?」
「んーん、昼寝しちゃったから眠たくない」
 ベッドの真ん中にいるミアを少し寄せると、自分もそこに寝転がる。
「そうか」
 その声の後、ミアの顔に影が落ちる。
 ちゅうっ……
 可愛らしい音がして離れるガイアスは、気恥ずかしそうに目を逸らした。
(うう、ガイアス可愛いすぎる……!)
 ミアは悶える気持ちを抑えられず、ガイアスに突進するようにぶつかる。
「はは、何だ急に!」
 突然の攻撃に思わず笑うガイアスだったが、小さな手が寝間着の隙間に入り込もうとしているのに気が付いた。
「ミア?」
「ガイアス、今日……練習しようよ」
 まだ一回しかできていない『気持ちよくなる練習』。
 いろんな邪魔や忙しさから、言葉のみでちっともできていなかった練習を、ミアはしようと誘っている。
 その状況に、早くもガイアスのソコが緩く反応した。
「しよう」
 ガイアスは、ミアをひっくり返して自分が上になると、襟付きの寝間着のボタンをゆっくりと外した。

「ミア、どうだ?」
 深いキスをしながらミアの乳首を掠めるように指で撫でていたガイアスだったが、唇を離して問いかける。
「なんか、ジーンとする」
「そうか。それなら良い」
 指でミアのピンク色の先端をゆるりと撫でる。
「すぐに前みたいに良くなるはずだ」
「ン……、」
 指で軽く摘まんでみると、ミアが反応して息をつめた。そのままぐにぐにと刺激を与えると、ミアが足を閉じて太もも同士を擦りつけているのが見えた。
「舐めるぞ」
 舌を見せつけるように出しピンク色の頂点を舐めると、ミアの身体がビクッと震えた。
「……っふ」
 そのまま舌を押し付け、ぐりぐりと撫でつける。
 片手はミアのもう一方の先端に置き、転がすような動きで撫でる。
「…ん…ぁぁ……ッ」
「ミア、どうだ?」
「ん、……ムズムズする」
「いいな」
 満足そうにガイアスが笑う。その息が胸に掛かり、ミアはそれさえも敏感に捉えて身体を揺らした。
 胸の片方は手でいじったまま、ガイアスの顔がゆっくりと下に下がっていく。肋骨、みぞおち、そしてお腹……
 ちゅ、ちゅ、と音を立てながらキスをしていくガイアス。
 その唇が股関節辺りに来て、ズボンに手がかかった。。
「……あッ」
 ミアは羞恥で顔が火照る。自分の股間近くにはガイアスの顔。この後、自分がどのような事をされるのかは前回の行為で知っている。
「ミア、硬くなってるな」
 ガイアスは目の前で揺れるモノを見て満足気な表情だ。
「だって、ガイアスがやらしいことするから」
「俺がミアをこうしてるんだな。何も知らなかったのに」
 吐息がミア自身にかかり、その刺激でピクンと震えた。
「触っていいか?」
 ちゅ…とミアの下生えの生え際に口づけたガイアスは、ミアの寝間着をすべて剥ぎ取り、生まれたままの姿にした。
「…ぅ……ん、」
「綺麗だ、ミア」
 ガイアスは改めてミアの美しさに息を飲む。汗ばんだ肌はどこを触っても滑らかで、手に吸い付くようだ。そして、立ち上がるミアのソレはつるりとしていて、自分と同じものとは思えない。
 恥ずかしそうに腕で顔を隠すミアに、ガイアス自身も興奮していく。
(まずは、ミアを気持ちよくしてからだ)
 ガイアスのソレも極限まで勃ちあがっているが、今日はまだあくまで『練習』であることを自分に言い聞かせ、ミアの感覚を引き出すことに集中する。
 ちゅ、
「んんぅ……っ」
 ガイアスが先端にキスをする。ミアは、何かが背筋を這い上がるような感覚がして、思わず声を出した。
 ミアの反応を見ながら、亀頭に優しくキスを続けていたガイアスだが、薄く口を開け、その先端に舌をぴっとりと付けた。
「ふぁ、」
 押し付けるだけでびくびくと反応する敏感なミア。ガイアスはその痴態に我慢できず、先端に舌を差し込んだ。
「あぁッ………ん!」
 さっきとは違ったヌルリとした強い刺激に、ミアは思わず大きな声を上げる。
「先走りが出てきたな」
 ガイアスはくびれの形を確かめるように舐め続ける。胸にあった手は、いつのまにか足の付け根にあり、ミアのソレを支えている。そして時折、反対の手で薄い下生えを軽く引っ張る。
「いっぱい出てきたな」
 出てきた先走りを指ですくうと、ガイアスが亀頭を口に含み、じゅっと音を立てて吸い出した。
「やぁああ……ッ!」
「ん、甘い」
 ミアは足がガクガクと震え、顔を隠すように置いていた自らの腕を退けてガイアスを見た。普段、自分よりはるかに大きいガイアスを見下ろすことのないミア。
 ミアの視線に気づいて上目で見てくる緑の瞳を見た瞬間、また背筋がぞくっとするような、妙な感覚に陥った。
「良さそうだな……また大きくなったぞ」
 観察するようにミアのソレをじっと見ると、またしても先端を口に含む。さっきの吸いだすような動きと違い、今度は優しく包み込むようにそっと口内で舌を這わせてくる。
「ん、ん、んんーッ、」
 ミアはぞくぞくする感覚が止まらず、シーツを掴んでそれに耐える。
 しばらくぬらぬらと動いていた舌だったが、ミアの裏側を集中的に刺激しようと動きだす。
「あっ、あっ……!」
 耐えきれず、声が漏れた。
「これか?」
 ガイアスは上に舐め上げる度にミアが声を上げているのに気づき、その動きを何度も続ける。
 下生えをいじっていた手は、ミアの下にある玉を優しく握り指で転がし始めた。
「あっ…ああッ、ん! ガイアス……ッ!」
 激しすぎる刺激がミアを襲い、頭が真っ白になる。
(やだ……怖い!)
 ガイアスの髪の毛を無意識に掴む。
 じゅっ…じゅぽっ……
 ぬめった口内で上下にこすられ、ミアは何かが上ってくる感覚がした。
「ガイアス……ッでる! でるから離してぇッ……!」
 ミアは、ガイアスの頭をなんとか自身から離そうと必死に声を出す。
 そんなミアをチラっと見たガイアスは、あろうことかさらに動きを激しくした。
 じゅぷ、じゅぷッ、じゅっ……
「やっ、嘘……ッ! ああッ、もう出る、出ちゃうぅ!」
 ミアが頭を左右に振り、身体をこわばらせる。足にも力が入り、ガイアスの身体を無意識に締め付ける。
「出る、ぅぅ……っ!」
 足のつま先がピンと張り、ブルッと身体が震えた瞬間、ミアはガイアスの口内に射精した。
「……ぁ…ぁ、」
 生まれて二度目の射精で惚けるミア。意識はあるものの目は天井を見つめ、何も考えられない。
 先ほどまでガイアスをきつく締めていた手足は、だらんと力が入らなくなってベッドに落ちた。
 ミアの放つ色気に当てらて、ガイアスの喉からゴクリと音がした。
「ミア、上手にイけたな」
「ガイアス……」
 ガイアスの言葉に、ようやく意識がはっきりしてくる。よしよしとミアの頭を撫でるガイアスに、頬をすり寄せて甘えた。
 ガイアスは、ちゅ、ちゅ、と何度も愛しそうに顔にキスを落とす。
「ミア、とても綺麗で……いやらしかった」
 見下ろしながら欲情を隠さずそう告げるガイアスに、ミアは全身がゾクッとした。
「俺、ちゃんと出来た?」
「ああ」
「すごく、気持ち良かった……けど、ちょっと怖かった」
 ぎゅっとガイアスに抱き着くミアの頭をガイアスがよしよしと撫でる。
「ミアが可愛くて止めてやれなかった。怖がらせてすまなかったな」
「ううん、大丈夫」
 そのままガイアスが、ポスッとミアの横に寝そべってきた。嬉しそうにミアの前髪を後ろに撫でつける。
「次はセックスできる?」
「まだだな。入れるには十分にほぐす必要がある」
「そっか。あーあ、早く一緒に気持ちよくなりたいな」
 それを聞いたガイアスは、自身がグッと昂るのを感じた。
(これ以上は大きくならないと思っていたが……)
 甘えようとくっついたミアは、ガイアスの下半身が勃ち上がっていることに気づく。
「ガイアス、ここがまたキツそうだよ」
「俺は良い」
「だめ。俺、ガイアスを気持ちよくする練習もしたい」
「そ、そうか……」
 ミアは、悩んでいるガイアスの返事も聞かず、寝間着の下に手をかけた。
「ミ、ミア? 待て」
 慌てるガイアスが小さな肩に手を置くが、ミアの手は止まらない。
「俺で気持ちよくなってほしい……」
 ミアの言葉に、ガイアスのモノがズクンと反応した。

「ん、んむぅ……ッ」
 ミアは口に入りきらない大きなモノを一生懸命頬張っている。先端のみを口に含んで、出てくる先走りをじゅっと吸ったり舐めたりを繰り返す。
 先程ガイアスにされたように性器をすべて口に含みたいミアは、何度も性器を喉に導こうとしては止めてを繰り返している。
「ミア、十分気持ちいい……それ以上飲み込むと、ミアの喉をついてしまう」
「っぷは……でも、まだ半分も舐めれてない!」
 抗議するミアは、どうしてもガイアスを満足させたい一心で、再び下半身に舌を伸ばす。
(ミアにそんなこと、させられるわけないだろ)
「口に入らない部分は手で擦ってくれ」
「ん……こう?」
 ミアが両手でその根元を上下に擦る。
「ああ……気持ちが良い」
 その言葉に安心したミアは、先端は口に含んだまま根元を手でこすってガイアスの射精を促す。
「……ッく、」
(ミアにこんなことさせて……俺は……)
 美しいミアを汚しているようで複雑な心境ながらも、性とは無関係で育った狼を自分が染めているという背徳感に興奮してしまう。
(俺は今までそういう行為に興味がなかったんだが……)
 実際、ガイアスは今までに誰かと性交したいと思ったことはなかった。成人してからは溜まれば自分で処理していた程度だ。
 こんなに激しい感情で性と向き合ったことはない。
 しかしミアと恋人関係になってからは、自分にこんな変態じみた欲があったのか……と驚くばかりだ。
 ミアは先ほど自分がされて気持ちの良かった場所を思い出し、ガイアスがしたように、時々玉を指で転がしたり、裏筋を強く舐めたりしている。
(は……っ、これはそろそろイくかもしれない)
 予想外の口淫の技術に驚きつつ、『気持ちいい』という思いを込めてミアの頭を撫でた。頭を撫でられたミアは、その動きを早くしていく。
 じゅ、じゅぽっ……じゅ、
 リズム良く口をすぼめて上下するミア。それとともに、くぐもったミアの声が喉の奥から聞こえる。
「んむ……んっ……ッ」
「はぁっ、ミア、もう口を離してくれ」
 ミアの頭に置いた手を頬にずらすと、ミアはじゅっ……と吸う力をさらに強くした。
「……ッミア、」
 びゅっ、とミアの口内にガイアスの白い液が飛ぶ。
「んんッ……」
 苦しそうな声がし、慌ててミアの顔を引き離す。
「んッ、」
 ムッとした表情のミアが、ガイアスを見上げて手を竿にかける。
(う、また……)
 続けざまに出た精子が、ミアの顎から胸に掛かる。
「っ……ミア、」
 慌ててミアに付いた白濁を手で拭う。
 拭き取るつもりが、逆に塗り込めるように伸びてしまい、ガイアスはさらに慌てた。
「ここに出せ」
 ベッドサイドに置いていたタオルを取ると、ミアの口の中にある残滓を出すように促す。ミアが、べ……と舌を出してタオルの上に精液を出すのを、ガイアスは食い入るように見てしまった。
(おい、また勃ち上がりはじめるな……)
 ガイアスは自分の欲望に呆れる。
 ミアはすべて出すと、自分の手と顎をタオルで拭う。ガイアスは別のタオルを側にある水で湿らせると、再度ミアの手や身体に付いた残滓を拭き取った。

「ガイアス、気持ち良かった?」
「ああ」
「今までで一番?」
「確実に一番だ」
 ガイアスに頭を撫でられ、へへっと笑うミア。
 今日はここまでにすると決めた二人は、ベッドの上で寝転んで抱きしめ合っている。
「ガイアスの余裕ない顔。ふふふ……」
 狼狽える姿を思い出したミアが、一人で笑っている。
 ガイアスは少し気恥ずかしく、ミアを撫でていた手で鼻をつまんだ。
「むっ……!」
「からかうな。愛する恋人との行為だ。焦るし緊張もするに決まってるだろ」
 その言葉に、ミアはグッと心を掴まれた。
「ガイアス、大好き」
「俺も好きだ……」
 ぎゅっと抱きしめ合いお互いの気持ちを再確認した二人は、そのまま目を瞑った。
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