有限会社DIUD 物の怪退治をする会社でアルバイトをする事になりました!

川村直樹

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妹の訪問 ①

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 あおいか、最近実家に帰っていないから久しぶりに会うな。
 何故か隼人の隣には、一緒に妹の到着を待つ桜が居た。
「何で、桜がついて来るんだよ?」
「妹でしょ。私ね、一人っ子だったから、妹が欲しかったのよ」
「質問と答えが合ってないよ!」
「別に良いでしょ、連休中、何も予定が無いの。暇だから、ついて来たのよ」
 名古屋から京都まで、高速バスを利用して蒼はやって来る。名古屋駅から京都駅まで2時間30分ほどで着くし、料金も電車に比べると安い。
 家の事情を考慮して、貯金していたお年玉と毎月のお小遣いをためていたようだ。自分のお金で旅行とは親孝行な妹だなと、隼人は感心していた。
あにい~」と、スーツケースを持つ蒼がバスから降りてきた。
 中学3年生、14歳の蒼はスポーツ大好き少女だ。
 ショートカットの髪と小麦色に日焼けした肌は、活発な性格を表す。
 背が14歳女子の平均より低く、細い身体で甘えん坊の我が家の末娘。
「無事に着いたな、荷物はそれだけか」
「着替えだけだよ、隣の人は誰?」と、桜の顔をまじまじと蒼は見る。
「ああ、彼女は・・・」
 隼人が桜を蒼に紹介しようとすると、桜は彼の言葉を遮った。
「初めまして、蒼ちゃん。私は、桜、隼人の友人よ」
 友人、隼人の思いとは裏腹に桜が仕事仲間と言わなかったのは、彼に気を遣ったからだ。
「友人か、兄いに、まだ、彼女は出来ないね。ちょっと、期待しちゃった。でも、お姉さんが出来たみたいで嬉しい」
 “お姉さん”の言葉に妹が欲しいと話していた桜は刺激されたのか、テンションが上がった。
「やっぱり、妹は可愛い♪」と、桜は蒼と腕を組み、隼人を忘れて歩き出す。
 桜と妹に取り残された隼人は、嘆いた。俺は、彼女たちの添え物か?

「蒼ちゃん、お腹すかない?美味しい抹茶パフェ、食べに行かない?」
「行きたい! 兄い~、行くよ」と、蒼は後ろを見返った。
 二人は、京都駅の伊勢丹中に入る。桜は、良く行くお店なのかエスカレーターに乗り目的の場所へ迷うことなく向かった。
 仲良く3人でパフェを頬張る、隼人としては大学の友人には見られたくない姿。
「蒼ちゃんのほうじ茶パフェ、おいしい?」
「美味しいよ、桜ちゃんの抹茶パフェと食べ比べする?」
 楽しそうな二人を見ていると、本当の姉妹みたいに隼人は思えてくる。
 この二人は、相性が良いのか、波長が合ったのか、会って直ぐ仲良くなった。
 隼人は楽しそうに桜と話す蒼を見ていると、パフェを取られると思ったのか、「兄いには、あげないよ!」と、パフェの入った器を隼人から遠ざけた。
 蒼の行動や頭の中はまだまだ子供だ、「取らないよ」
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