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恋人とDom/Sobユニバースの世界に転移した!
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「先輩っ! 好きなんです!」
同じ弓道部の一歳年下の後輩は、俺より数センチ身長が高くて体格もいい。俺と後輩では生まれ持った体格差がある。
「くっそ! よせ、阿久津!」
「嫌です! 八木先輩っ! どうしていつも俺から逃げるんですか!」
阿久津はうつ伏せになった俺の身体に馬乗りになり、ズボンをずらそうとする動きに必死に抵抗するも腕を片手で地面へと押さえつけられてしまう。
「……う、そ、だっ!」
「逃げないで」
ズリズリと必死に奴の身体の下から逃げようとするのに、掴まれて戻される。
弓道部の部長としてずっと慕ってくれているのだと思っていたのに、三年に上がって部長になったと同時に告白してきたのだ。ノンケの俺は断った。
断ったのに、毎日部活の度に熱視線を感じる。
出来るだけ、阿久津との接点を減らそうとしているのに、部長という立場のせいで、質問してくる彼を無下には出来ない。必要以上に質問して、追いかけられる。
卒業間近、もう二度と奴には会わないと思っていたのに、捕まった。
誰もいない更衣室に呼び出され、告白され再度断って逆上されて押し倒された。
「あっ、お前、おま……うぅ……、許さねぇ、絶対に許さねぇからぁ……あ、あ」
「先輩だって勃っているじゃないですかっ! 俺を受け入れてくださいっ!」
「やめ、やめろっ! 触るなっ!!」
誰だって、性器を擦られては生理的に勃起してしまうのだ。
「先輩っ! 好きなんです!」
「いや、だ……」
頭に血が上り興奮状態の阿久津には、拒否の声が届かない。必死の抵抗も空しく、俺は阿久津に無理矢理抱かれてしまった。
◇
…………とまぁ、俺、八木 和也 と 阿久津 慶はなかなかに良くない付き合い始めだった。
それも、8年前のことだ。あれから押し押されて迫られて、阿久津の熱意に折れる形で付き合い始めた。今では同棲している。
「……あ、やめっ……もう、よせ」
「先輩、先週からずっと出張で会えなかった……足りない、もっと」
息が整わないうちに、先ほどまで奴の性器が挿いっていた尻に指を突っ込まれる。
ぐちょっと先ほど奴に出された精液を掻き回される。
中を擦られることの気持ちよさを知っている俺は、快感に震えてしまう。
ゆっくりとした腰の動きで前立腺を擦られ、ゾクゾクと中が甘く疼いていく。
奥から気持ちよくなると、身体の表面がどんどん敏感になる。軽く身体をなぞられるだけで快楽のスイッチが完全に入ってしまう。
「ぁ、……あ、う………やめろっ!」
「もう一回だけ、ね、付き合ってください。気持ちよいですよね?」
「——っ! く、そっ」
しつこい。コイツ、いつもいつも俺の言う事、無視しやがってぇ!!
——ドカッ!! そう音が鳴るほど、強めの蹴りを奴の大腿を食らわせる。
「……っ!」
「やめろって言ってるだろうがっ! 馬鹿犬! 絶倫っ! 別れてや————あぁああああっ!!」
別れてやると言った瞬間、腰を掴まれズンッと奥まで杭を打たれる。
「……っ、絶対に別れてやらない」
「————っ!」
ガツガツとがっつかれて、体力絶倫馬鹿の阿久津により、抱き潰されてしまった。
そう……。俺たちはこれが通常運転なのだ。
何度か俺から別れを切り出して、別れたことがあったけれど、強引な阿久津にヨリを戻されてしまう。
最近の俺の“別れてやる”はもっぱらケンカ言葉に使っているだけ。本気で別れたいとは……思わなくなっていた。
「うぅん……」
腰がズキズキ。股間がヒリヒリ。
おはようございます。チンコだけがスッキリしている朝です。
だけど、時計を見ると昼の三時。おはようではなくこんにちはだった。
「まぢかよ~」
折角の休日が台無しだ。
休日を寝て過ごす程、無趣味ではない。欲しいゲームの発売日だったのに、今頃行っても売り切れていることだろう。
横で、グースカ眠っている阿久津の頭をどつく。それでも寝ているので、蹴ってやろうと思ったけれど、腰が痛すぎて無理だった。
「……コイツ!」
腰の痛みにどんどん腹が立ってくる。バシバシと身体を叩く。
「牛丼でも買ってこい! 馬鹿野郎!! ビールとつまみもだ!!」
「……ん、痛い……。先輩、朝から激しいです……」
「朝じゃねぇ、3時だ! 馬鹿野郎! 俺の休日返せ! 買い物行きたかったのに!!」
阿久津は時計を見て、あー……と申し訳なさそうな顔をする。
「分かりました。じゃ、一緒に買いに行きませんか?」
「……無理。腰が痛い」
筋肉痛、腰痛、あと尻のヒリヒリ。色んな所が痛くて動くのが億劫だ。
寝起きはベタベタと甘えてくる阿久津だが、サッと起き上がった。
「ごめん。じゃ、牛丼とビール買ってきますんで。おまみも」
阿久津がそう言って着替え始めた。腹筋やら胸筋やらゴリゴリの身体を眺める。初めは恐怖の対象だったけど、今となってはうっとりと眺めてしまいそうないい身体だ。
ズボンの中に財布を入れ外出準備をしてから、再び俺の元に来た。
「腰に湿布貼りましょうか?」
「……風呂入ってから自分で貼る」
グッと腕に力を入れて立ち上がろうとした時、立ち眩みがした。
ふらりとベッドから地面にそのまま落ち……
「先輩っ!」
阿久津が俺を倒れていく俺を間一髪キャッチしたのだが、その一瞬クラリと目の奥で真っ暗になった。
天地がひっくり返るようなそんな感覚がした。
※補足
Dom→支配したい欲がある人間
Sub→支配されたい欲がある人間
そういう欲求を持ったDomとSubがいる世界の話です。
同じ弓道部の一歳年下の後輩は、俺より数センチ身長が高くて体格もいい。俺と後輩では生まれ持った体格差がある。
「くっそ! よせ、阿久津!」
「嫌です! 八木先輩っ! どうしていつも俺から逃げるんですか!」
阿久津はうつ伏せになった俺の身体に馬乗りになり、ズボンをずらそうとする動きに必死に抵抗するも腕を片手で地面へと押さえつけられてしまう。
「……う、そ、だっ!」
「逃げないで」
ズリズリと必死に奴の身体の下から逃げようとするのに、掴まれて戻される。
弓道部の部長としてずっと慕ってくれているのだと思っていたのに、三年に上がって部長になったと同時に告白してきたのだ。ノンケの俺は断った。
断ったのに、毎日部活の度に熱視線を感じる。
出来るだけ、阿久津との接点を減らそうとしているのに、部長という立場のせいで、質問してくる彼を無下には出来ない。必要以上に質問して、追いかけられる。
卒業間近、もう二度と奴には会わないと思っていたのに、捕まった。
誰もいない更衣室に呼び出され、告白され再度断って逆上されて押し倒された。
「あっ、お前、おま……うぅ……、許さねぇ、絶対に許さねぇからぁ……あ、あ」
「先輩だって勃っているじゃないですかっ! 俺を受け入れてくださいっ!」
「やめ、やめろっ! 触るなっ!!」
誰だって、性器を擦られては生理的に勃起してしまうのだ。
「先輩っ! 好きなんです!」
「いや、だ……」
頭に血が上り興奮状態の阿久津には、拒否の声が届かない。必死の抵抗も空しく、俺は阿久津に無理矢理抱かれてしまった。
◇
…………とまぁ、俺、八木 和也 と 阿久津 慶はなかなかに良くない付き合い始めだった。
それも、8年前のことだ。あれから押し押されて迫られて、阿久津の熱意に折れる形で付き合い始めた。今では同棲している。
「……あ、やめっ……もう、よせ」
「先輩、先週からずっと出張で会えなかった……足りない、もっと」
息が整わないうちに、先ほどまで奴の性器が挿いっていた尻に指を突っ込まれる。
ぐちょっと先ほど奴に出された精液を掻き回される。
中を擦られることの気持ちよさを知っている俺は、快感に震えてしまう。
ゆっくりとした腰の動きで前立腺を擦られ、ゾクゾクと中が甘く疼いていく。
奥から気持ちよくなると、身体の表面がどんどん敏感になる。軽く身体をなぞられるだけで快楽のスイッチが完全に入ってしまう。
「ぁ、……あ、う………やめろっ!」
「もう一回だけ、ね、付き合ってください。気持ちよいですよね?」
「——っ! く、そっ」
しつこい。コイツ、いつもいつも俺の言う事、無視しやがってぇ!!
——ドカッ!! そう音が鳴るほど、強めの蹴りを奴の大腿を食らわせる。
「……っ!」
「やめろって言ってるだろうがっ! 馬鹿犬! 絶倫っ! 別れてや————あぁああああっ!!」
別れてやると言った瞬間、腰を掴まれズンッと奥まで杭を打たれる。
「……っ、絶対に別れてやらない」
「————っ!」
ガツガツとがっつかれて、体力絶倫馬鹿の阿久津により、抱き潰されてしまった。
そう……。俺たちはこれが通常運転なのだ。
何度か俺から別れを切り出して、別れたことがあったけれど、強引な阿久津にヨリを戻されてしまう。
最近の俺の“別れてやる”はもっぱらケンカ言葉に使っているだけ。本気で別れたいとは……思わなくなっていた。
「うぅん……」
腰がズキズキ。股間がヒリヒリ。
おはようございます。チンコだけがスッキリしている朝です。
だけど、時計を見ると昼の三時。おはようではなくこんにちはだった。
「まぢかよ~」
折角の休日が台無しだ。
休日を寝て過ごす程、無趣味ではない。欲しいゲームの発売日だったのに、今頃行っても売り切れていることだろう。
横で、グースカ眠っている阿久津の頭をどつく。それでも寝ているので、蹴ってやろうと思ったけれど、腰が痛すぎて無理だった。
「……コイツ!」
腰の痛みにどんどん腹が立ってくる。バシバシと身体を叩く。
「牛丼でも買ってこい! 馬鹿野郎!! ビールとつまみもだ!!」
「……ん、痛い……。先輩、朝から激しいです……」
「朝じゃねぇ、3時だ! 馬鹿野郎! 俺の休日返せ! 買い物行きたかったのに!!」
阿久津は時計を見て、あー……と申し訳なさそうな顔をする。
「分かりました。じゃ、一緒に買いに行きませんか?」
「……無理。腰が痛い」
筋肉痛、腰痛、あと尻のヒリヒリ。色んな所が痛くて動くのが億劫だ。
寝起きはベタベタと甘えてくる阿久津だが、サッと起き上がった。
「ごめん。じゃ、牛丼とビール買ってきますんで。おまみも」
阿久津がそう言って着替え始めた。腹筋やら胸筋やらゴリゴリの身体を眺める。初めは恐怖の対象だったけど、今となってはうっとりと眺めてしまいそうないい身体だ。
ズボンの中に財布を入れ外出準備をしてから、再び俺の元に来た。
「腰に湿布貼りましょうか?」
「……風呂入ってから自分で貼る」
グッと腕に力を入れて立ち上がろうとした時、立ち眩みがした。
ふらりとベッドから地面にそのまま落ち……
「先輩っ!」
阿久津が俺を倒れていく俺を間一髪キャッチしたのだが、その一瞬クラリと目の奥で真っ暗になった。
天地がひっくり返るようなそんな感覚がした。
※補足
Dom→支配したい欲がある人間
Sub→支配されたい欲がある人間
そういう欲求を持ったDomとSubがいる世界の話です。
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