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「おはようございます」
「———……おはよう」
朝、リビングのソファーで起きた。先に起きていたリヒテルが眼鏡をかけて本を読んでいた。
俺に向かって微笑む。
……どうやら、昨日、あのまま眠ってしまったようだ。
かけられたブランケットの礼を言い、洗面所へ向かい顔を洗う。
部屋に戻り、ズボンを履き、片方の裾をまくり、膝下の切断部分を見る。
「……………」
なんで? アイツ、あんなに普通の態度なんだ?
昨日、リヒテルに足を舐められた……はずだ。
あれは勘違いで、夢? 夢にしてはリアルな感触だった。足を掴まれ、なぞるように舐められる感触。
そして、尻の穴をしつこく……。
「いや、俺があんな夢見るハズねぇよ」
俺は一度だって受ける側の願望を持った事がない。根っからのタチだし。
考えても答えは一つしかない。
リヒテルが寝てる俺にイタズラをした。今までもあんなイタズラをしていたのか!? あんな所を何度も吸い付くように舐め回しやがって。
しかし、注意するにもどうやって注意すればいいのか分からない。先ほどの奴の様子を見ると俺が気づいている事に気づいているかどうかわからない。
なかった事にした方がよいのだろうか。
悩んでいると時間が経っていたようで、時計を見てヤバいと思い部屋を出てキッチンに向かう。
「遅かったですね」
エプロン姿のリヒテルがサラダとパンテーブルに置いていた。コーヒー豆を挽いてくれている。
「あぁ。時間がないなら、先に食べてていいぞ」
そう声をかけ、フライパンに火を通しながら、溶いた卵を入れる。昨日の朝、作り置きしておいた鳥そぼろをその溶いた卵に入れ、それを包む。その横で厚切りベーコンを焼く。
時間がないため、簡単な料理ばかりになったが、それを作るまで、律儀にリヒテルは待ってくれている。
「先に食べてていいのに」
「いいえ。マクさんと一緒に食べるご飯が美味しいんです。いただきます」
「おう」
作った朝ごはんを食べながら、リヒテルをチラリと見る。
いつも通りすぎる……。
やはり、ここは俺もいつも通りやり過ごすべきだろう。
「なんですか? 俺の顔に何かついています?」
「———あ、いや、何でも。悪かった」
「なんで、謝るんです? マクさんに見られるなんて嬉しいだけなのに」
「……っお前ぇ」
「?」
なんで、そんな事言うんだ?! ———と思うが、それがコイツの通常運転ではないか。特別変わった事を言っていない。
俺が意識してしまっただけだ。
「ふふ」
リヒテルが笑うので、眉間にシワを寄せて目を逸らした。
食事を終え、片付けをリヒテルに任せ、自分の準備をする。
そして、いつものように仕事に出かける時間になり、共に玄関に向かう。
「いってらっしゃい。マクさん、早く帰ってきてください」
「おう。あ———、お前は早く家を出て行けよ」
ドアを閉めようとする俺の手を握った。
「嫌です」
すると、俺の耳元に顔を寄せてくる。クンっと耳元の匂いを嗅がれる。匂いを嗅がれる事は珍しくない。いつも通りだ。
すると、ペロリと耳の中に舌を入れた。
「————っ!?」
ビクリと慌ててリヒテルから離れる。
い、今……、コイツ、耳の中、舌入れた!?
だが、リヒテルはいつものように飄々とした笑顔だった。俺が慌てている事自体、なんで?という顔。
「驚かせてしまいましたね。マクさん、大好き。早く帰ってきてください」
変わってない……?
いつも通り?
じゃ、意識しているのは、俺の方なのか?
ジワリと額から汗が出てくるのを感じながら、リヒテルとは別れた。
仕事中もリヒテルの事を思い出して考えていた。
「マクベスさんが失敗するなんて珍しいですね」
そう。ひっさびさに失敗した。パスタの注文なのにパエリアを作っていた。
オーダー票も見ていたのに、こんなイージーミスをするなんて。
待たせた客にデザートのサービスをしながら、他のスタッフにも謝った。
いつもより早めに休憩に入り、先ほどミスをして余ったパエリアを口に入れる。
「はぁあ~~~~あぁぁあああ!!」
やっちまった。
耳を舐められて尻を舐められている感触を思い出した俺って変態なのではないだろうか!?
「何を10代みたいに……!!」
仕事に支障出るくらい動揺しまくってるのか!? 俺が??
もしかして、欲求不満だからかもしれない。長く彼女を作っていないから。自慰する回数も少ないし……確実に欲求不満だろう。
「日に日に溜息がデカくなっていませんか?」
カチャリと、ドニーが部屋のドアを開けて入ってきた。俺の顔を見て笑っている。
「今日はまぁ、一段と情けなさそうな顔してますよ」
「うるせぇ。中年が悩むとなかなかそこから抜け出せねぇんだよ!」
「あー、マクベスさんもたまには行きますか?玄人の女のとこ。ってまぁ、マクベスさんが行くわけって……え?」
俺はドニーの方を向いて「行く!」と言った。
「えーえーえ……? まじっすか? リヒテルさんの許可いりませんか?」
「なんで、俺がアイツの許可いるんだよ!? おかしいだろう」
すると、ドニーの目線が彷徨う。「余計な一言を言って、俺、殺される……」などとブツブツ言っている。
「決めた! 今日はスッキリしてくるわ!」
「ダメ―――っす! 今日は勘弁してください! 俺が悪かったっす!!」
なんで、ドニーが謝るのか分からずのままだが、俺が玄人の女の元に向かう事はフルで反対された。
そして、定時にしっかり帰らされ、「絶対真っすぐ帰ってくださいよ!!」と念押しされる。意味が分からないが、あまりにしつこく懇願されるので行く気がなくなる。
時間があるので不動産屋に寄ろうと思ったが、朝、色々動揺して肝心の書類を持ってきていなかったので、素直に家に帰った。
家にはいつも通り、リヒテルがいて、俺の事を出迎えてくれる。
「おかえりなさい。マクさん」
全力でパタパタと尻尾を振るリヒテル。
「あ……あぁ」
時間が経てば経つほど、昨日の事を処理しきれないでいた。目も合わさず、腰が引けてしまう。
ササっと奴から避けて、キッチンの奥へ入る。
すかさずリヒテルも手伝いにくるのだが、奴から離れる。なのに、腰を掴まれてビクリと身体が竦んでしまう。
上を向くと、リヒテルの驚いた顔。だが、その一瞬後には蕩けるような笑みを見せる。
「ふふ。驚かせましたね。今日のマクさんはなんだかとても可愛らしい」
腰を掴まれるのも密着させられるのも、クンクン匂いを嗅がれるのもいつも通り。今更ながら、なんで、こんなに密着させていたんだろうかと気づく。
男同士でこれはおかしいだろう。
今更だ。今更過ぎるが……、おかしい。
「はぁ、マクさん、いい匂い、おいしそう」
クンクンと首筋に鼻を押し付けられ、息がかかるのがくすぐったい。
「は———、離れろよっ! 鬱陶しい!」
「どうしてです? いつもさせてくれるじゃないですか」
いつもしてた……。
首から肩に手をかけられる。
「肩、凝ってますね。今日もマッサージ念入りにしますね」
つぅっと汗が額から流れた。
「……今日はいい。というか、これからもいい」
自分でやるっと、後ろから抱きしめてくるリヒテルを腕で押し返した。だが、軽く抱き着かれているだけかと思っていたのに全く遠ざけられない。
獣人の力は人間の倍はある。
「駄目ですよ。いつもしている事を急に止めたら身体に負担がかかります」
「いい」
腰をギュッと掴まれた。
「嫌です。絶対駄目ですよ」
そうして、首筋に口づけされた。
「———……おはよう」
朝、リビングのソファーで起きた。先に起きていたリヒテルが眼鏡をかけて本を読んでいた。
俺に向かって微笑む。
……どうやら、昨日、あのまま眠ってしまったようだ。
かけられたブランケットの礼を言い、洗面所へ向かい顔を洗う。
部屋に戻り、ズボンを履き、片方の裾をまくり、膝下の切断部分を見る。
「……………」
なんで? アイツ、あんなに普通の態度なんだ?
昨日、リヒテルに足を舐められた……はずだ。
あれは勘違いで、夢? 夢にしてはリアルな感触だった。足を掴まれ、なぞるように舐められる感触。
そして、尻の穴をしつこく……。
「いや、俺があんな夢見るハズねぇよ」
俺は一度だって受ける側の願望を持った事がない。根っからのタチだし。
考えても答えは一つしかない。
リヒテルが寝てる俺にイタズラをした。今までもあんなイタズラをしていたのか!? あんな所を何度も吸い付くように舐め回しやがって。
しかし、注意するにもどうやって注意すればいいのか分からない。先ほどの奴の様子を見ると俺が気づいている事に気づいているかどうかわからない。
なかった事にした方がよいのだろうか。
悩んでいると時間が経っていたようで、時計を見てヤバいと思い部屋を出てキッチンに向かう。
「遅かったですね」
エプロン姿のリヒテルがサラダとパンテーブルに置いていた。コーヒー豆を挽いてくれている。
「あぁ。時間がないなら、先に食べてていいぞ」
そう声をかけ、フライパンに火を通しながら、溶いた卵を入れる。昨日の朝、作り置きしておいた鳥そぼろをその溶いた卵に入れ、それを包む。その横で厚切りベーコンを焼く。
時間がないため、簡単な料理ばかりになったが、それを作るまで、律儀にリヒテルは待ってくれている。
「先に食べてていいのに」
「いいえ。マクさんと一緒に食べるご飯が美味しいんです。いただきます」
「おう」
作った朝ごはんを食べながら、リヒテルをチラリと見る。
いつも通りすぎる……。
やはり、ここは俺もいつも通りやり過ごすべきだろう。
「なんですか? 俺の顔に何かついています?」
「———あ、いや、何でも。悪かった」
「なんで、謝るんです? マクさんに見られるなんて嬉しいだけなのに」
「……っお前ぇ」
「?」
なんで、そんな事言うんだ?! ———と思うが、それがコイツの通常運転ではないか。特別変わった事を言っていない。
俺が意識してしまっただけだ。
「ふふ」
リヒテルが笑うので、眉間にシワを寄せて目を逸らした。
食事を終え、片付けをリヒテルに任せ、自分の準備をする。
そして、いつものように仕事に出かける時間になり、共に玄関に向かう。
「いってらっしゃい。マクさん、早く帰ってきてください」
「おう。あ———、お前は早く家を出て行けよ」
ドアを閉めようとする俺の手を握った。
「嫌です」
すると、俺の耳元に顔を寄せてくる。クンっと耳元の匂いを嗅がれる。匂いを嗅がれる事は珍しくない。いつも通りだ。
すると、ペロリと耳の中に舌を入れた。
「————っ!?」
ビクリと慌ててリヒテルから離れる。
い、今……、コイツ、耳の中、舌入れた!?
だが、リヒテルはいつものように飄々とした笑顔だった。俺が慌てている事自体、なんで?という顔。
「驚かせてしまいましたね。マクさん、大好き。早く帰ってきてください」
変わってない……?
いつも通り?
じゃ、意識しているのは、俺の方なのか?
ジワリと額から汗が出てくるのを感じながら、リヒテルとは別れた。
仕事中もリヒテルの事を思い出して考えていた。
「マクベスさんが失敗するなんて珍しいですね」
そう。ひっさびさに失敗した。パスタの注文なのにパエリアを作っていた。
オーダー票も見ていたのに、こんなイージーミスをするなんて。
待たせた客にデザートのサービスをしながら、他のスタッフにも謝った。
いつもより早めに休憩に入り、先ほどミスをして余ったパエリアを口に入れる。
「はぁあ~~~~あぁぁあああ!!」
やっちまった。
耳を舐められて尻を舐められている感触を思い出した俺って変態なのではないだろうか!?
「何を10代みたいに……!!」
仕事に支障出るくらい動揺しまくってるのか!? 俺が??
もしかして、欲求不満だからかもしれない。長く彼女を作っていないから。自慰する回数も少ないし……確実に欲求不満だろう。
「日に日に溜息がデカくなっていませんか?」
カチャリと、ドニーが部屋のドアを開けて入ってきた。俺の顔を見て笑っている。
「今日はまぁ、一段と情けなさそうな顔してますよ」
「うるせぇ。中年が悩むとなかなかそこから抜け出せねぇんだよ!」
「あー、マクベスさんもたまには行きますか?玄人の女のとこ。ってまぁ、マクベスさんが行くわけって……え?」
俺はドニーの方を向いて「行く!」と言った。
「えーえーえ……? まじっすか? リヒテルさんの許可いりませんか?」
「なんで、俺がアイツの許可いるんだよ!? おかしいだろう」
すると、ドニーの目線が彷徨う。「余計な一言を言って、俺、殺される……」などとブツブツ言っている。
「決めた! 今日はスッキリしてくるわ!」
「ダメ―――っす! 今日は勘弁してください! 俺が悪かったっす!!」
なんで、ドニーが謝るのか分からずのままだが、俺が玄人の女の元に向かう事はフルで反対された。
そして、定時にしっかり帰らされ、「絶対真っすぐ帰ってくださいよ!!」と念押しされる。意味が分からないが、あまりにしつこく懇願されるので行く気がなくなる。
時間があるので不動産屋に寄ろうと思ったが、朝、色々動揺して肝心の書類を持ってきていなかったので、素直に家に帰った。
家にはいつも通り、リヒテルがいて、俺の事を出迎えてくれる。
「おかえりなさい。マクさん」
全力でパタパタと尻尾を振るリヒテル。
「あ……あぁ」
時間が経てば経つほど、昨日の事を処理しきれないでいた。目も合わさず、腰が引けてしまう。
ササっと奴から避けて、キッチンの奥へ入る。
すかさずリヒテルも手伝いにくるのだが、奴から離れる。なのに、腰を掴まれてビクリと身体が竦んでしまう。
上を向くと、リヒテルの驚いた顔。だが、その一瞬後には蕩けるような笑みを見せる。
「ふふ。驚かせましたね。今日のマクさんはなんだかとても可愛らしい」
腰を掴まれるのも密着させられるのも、クンクン匂いを嗅がれるのもいつも通り。今更ながら、なんで、こんなに密着させていたんだろうかと気づく。
男同士でこれはおかしいだろう。
今更だ。今更過ぎるが……、おかしい。
「はぁ、マクさん、いい匂い、おいしそう」
クンクンと首筋に鼻を押し付けられ、息がかかるのがくすぐったい。
「は———、離れろよっ! 鬱陶しい!」
「どうしてです? いつもさせてくれるじゃないですか」
いつもしてた……。
首から肩に手をかけられる。
「肩、凝ってますね。今日もマッサージ念入りにしますね」
つぅっと汗が額から流れた。
「……今日はいい。というか、これからもいい」
自分でやるっと、後ろから抱きしめてくるリヒテルを腕で押し返した。だが、軽く抱き着かれているだけかと思っていたのに全く遠ざけられない。
獣人の力は人間の倍はある。
「駄目ですよ。いつもしている事を急に止めたら身体に負担がかかります」
「いい」
腰をギュッと掴まれた。
「嫌です。絶対駄目ですよ」
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