オークとなった俺はスローライフを送りたい

モト

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俺の立場は『魔王のお気に入り』という事で部屋の一室を借りている。

ここに来て10日間たったか。


時折、スミが他の魔族たちと話している姿や指揮をしている姿をみるけど、どうも魔族たちと打ち解けているというわけでもなんでもなさそうだった。
ただ、他の魔族たちもスミを恐れているようで、どうみてもスミは孤立しているようだった。



なんで、スミは魔王になったんだろう。


確かに一緒に住んでいる頃から、スミは魔力の強い人間だと思っていた。
だからと言って、あのスミが魔王になっているなんて夢にも思わなかった。そんなに簡単になれるものなのだろうか。


俺の部屋には内鍵は掛けられるが、外からは掛かっていない。
それをいいように解釈して、城内をうろついたりしている。
魔族は人間を見ると、すぐにイジメたくなる性分らしいので、時折付き合ってやる事にしている。


「あはは!お前みたいな人間初めてみたぜぇ!!全然嬲りがいないなっ!」
今日は、なんかボールを沢山投げつけられて、それを避けていた。
ボールって言っても鉄球で当たれば骨折間違いなしのやつ。


魔族って嬲るの好きなんだなぁ。変なの。

そうやって付き合ってやると、前からツカツカと90年代ビジュアル系バンドな風貌のキャタが歩いてきた。


「おー、キャタ。何ため息ついてんだ。」
キャタは宰相という立場で偉いさんだ。

何故か、いつもため息ばかりなので、お茶を誘って飲むお茶友になった。魔族も俺達オークと同じように単純な奴らが多く、キャタも例外ではない。
一度、その懐に入って仲良くなってしまえば、人間だからと言って、嫌な態度はとられなかった。


「人間か。お前はいつも気楽そうでいいな。」

そうそう。中身がオークだから、あまり深く考えられないのよ。

「お前は悩み深そうだな。俺で良ければ聞いてやるぞ?」

俺は、ボール遊びをやめて、キャタと向かい合わせで座った。




「で、どうした?」

「オークが見つからない。また、人間に捕まってしまったのではないだろうか。」

俺は、キャタに紅茶を入れていたのをこぼしかけた。

「え?いや、それはないって。」

そうか。こいつら、まだオークの事探していたのか。




いっその事、俺がポーだって言ってしまおうか・・・いや、無理だ。




だって、俺、スミとセックスしちゃってるんだもん。
無理だろう。俺がオークだと知ったら、スミがあまりに哀れだ・・・。
それが、逆に自分の立場だとして、人間だと思ってセックスしていたら中身はオークだったとか、もう一生モンのトラウマだわな。


「オークは人間より強いだろ。そんなに簡単に捕まらないって。」

「実際に捕まっていた。しかも、魔力探知できない地下牢屋に入っていたようなのだ。だから、私たちも探し出すことができなかった。」

あれまー・・・探してくれてたんだな。


じゃ、つまりはスミは俺の事を腹立てているわけではなかったということか。
そっか。あんなにいい子だもんな。
一緒にいた時間も長かったし、心配してくれていたのか。


じゃ、なんで、あんなに腹立てて俺を犯したんだ?
ん?俺の匂いが腹立つとかって言っていたよな?・・・よく分からん。


「お前には悪いが、やはり最近の人間どもの動きは不穏だ。無抵抗のモンスターへの虐殺行為も目に余る。一度街を破壊して世界の均等を元に戻した方がよい。」
「おーっと。キャタ、まぁまぁお茶でも飲んで、ほら。どうぞ!」


俺は、キャタの手に紅茶の入ったティーカップを差し出した。

「オーク?うん。オークな?えーっと俺も探すよ。多分、お前ら探し方が悪いと思うんだよな。」

「どうするか答えてみよ。」

そ・・・それは、言えない。
とにかく、スミの前に一度、人間を解除したオークの姿で現れなければっ。
そのために、あの山に戻って、犬に解除を頼まなければならない。


「とにかく、一度、城外に行ってオークを探してくるよ。」


「ほう。逃げるのか。」

俺とキャタの様子をいつから見ていたのか、後ろにスミがいた。




「スミ!?」

「魔王!?」

キャタは慌てて膝をついた。
俺は、そのまま座ったままだったけど、スミが俺の首元をぐっと持った。
そのまま、ぐぐぅっと引っ張られていく。


「あ、あれ?ま、魔王?」

俺だけ?俺だけ連行?
ズルズルと引きずられながら、スミの部屋についた。
そして、当たり前のようにベッドに降ろされる。


「逃げようとしたな。」

スミが俺の身体に覆いかぶさった。ぐいっと服を脱がされる。
え?!またかよ。っていうか、昼間だぞ!?

「ちょっと、待って。ストップぅう、ん。」

あ、また、お腹があったかくなった。腸内洗浄と拡張魔法かよ。




「おい。もうセックスするのやめようぜ。」

気持ちいいことは好きだけど、やっぱり俺がオークだという事が引け目でスミに申し訳なくなっちまう。
その一言がまたスミの機嫌を損ねたようで、グッとズボンを引っ張られてしまった。

「うわっ!」

引っ張られて、グイっと両足首が俺の顔に、尻がスミから丸見えだ。赤ちゃんのおむつを交換するポーズより尻を上げられてしまっている。


「おいっ!これは、恥ずかしいってばっ!」

俺のいう事は無視で、スミの指がぐぅっと尻に入ってきた。
その指の飲み込む様子をまじまじと見られている。

「すっかり、ここに飲み込むことを覚えたな。」


ス・・・スミが変な子に育っちゃった!誰だ!こんな風に育てた奴はっ!!

「ふっくぅ、ん。あっ見んなぁ。」

指が二本目入れられて、くぱぁっと広げられる。

「よせっ。もう、んん。」

二本の指がバラバラに動かされる。
俺の気持ちいい所を把握した動きで内部がゾクゾクしてしまう。

「ん。ん。」

ひくひくと尻の穴が動いてしまって、スミが笑う。
スミの指が抜かれ、もっと太いスミのモノが許可なくズブブと入ってくる。

「あぁ・・・ああっあ、あ。」

スミのモノを全部埋め込められ、フーフーっと息をついた。
ゆるゆると動かされながら、スミが俺の目を見た。

「人間もオークもお前も俺を“済み”にするのか?」

「・・・っ。」

緩まず腰を奥へ奥へと繰り返される動きに上手く答える事が出来なかった。
前立腺を捏ねるように動かされれば、俺のモノから先走りが溢れてくる。


はぁはぁっとスミの荒い呼吸。

「ん。はぁ、ああ、じゃ、オークを探すのは、もう・・・やめろ。」

「無理だ。」

間髪問わず、無理だの返事かよ。律儀な奴だな・・・。
スミの顔の眉間をくいっと広げた。


「・・・探すのをやめるなら傍にいてやる。」

俺は、両手を広げて、スミの肩に腕を回した。
背中をよしよしとさすってやる。



「よしよし。俺がオークの分まで一緒にいてやるからな。」

「・・・。」

スミは返事しなかった。







その日から、俺はスミの部屋に住むことになった。

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