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二回目の晩餐会 ※
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ケイネスの身体に腕を回すと、以前まで感じていた息苦しさが感じなくなっていた。この大きな身体にくっつけばピッタリ合う。
ケイネスの唇が再び近付き、それを受け止めた。
深まっていくキスに身を委ねた。絡まる舌が熱くて背筋からジィンと快楽が流れてくる。唇が離されるとケイネスの唇を目で追ってしまう。すると、すぐに唇が引っ付く。それを何度も繰り返す。
「止められない」
コクリと頷くと彼が益々微笑む。
「……止めなくていいのかい?」
ちゅっと額に大きな音を立て顔中にキスが降って来る。
つぅっとコバの太ももに手が置かれる。その手が上に上がってくる。ビクビクと身体が小さく痙攣してしまう。
「コバ……、君、下着を履いていないんだね。凄く美味しそうだ」
ケイネスの喉からライがお腹を空かせた時に上げる唸り声のような音がして、ギクリと視線を下げた。
太股までのシャツは膨らんで性器が勃起していることが丸わかりだ。さらに透けるほど濡れていた。
「っっっ!! ひぃぎゃぁあぁっ!?」
下着を洗濯したままで履いていないことを思い出した。ケイネスを押しのけてビュンッと飛び跳ねるように立ち上がった。
「……コ」
バとケイネスが彼の名前を呼びかけようとした時には、俺は猛スピードで走り出していた。
「…………なんて、足の速い」
◇
「やぁ、コバ。ライ」
「………………う」
晩餐会が始まると、前回同様、ケイネスが先に室内で待っていた。
俺は緊張やら今朝の気まずさやらで感情がごちゃ混ぜになり睨みながら入室した。コバが睨んでいる様子にライもぐるぅるるるるう! と母を真似して威嚇し始める。
険悪な空気に周りの召使いは今回もまた失敗かと思ったが、当のケイネスはキョトンとした後、くくくと笑い出した。
「そんなに緊張する必要はないよ。君達とゆっくり食事したいだけだから」
「……」
彼の言葉を聞きながら、室内を見渡した。前回よりもテーブルの長さが短くケイネスとの距離が近かった。
「……お招き頂き、ありがとうございます」
眉間にシワを寄せながら俺がそう言うと、召使いがホッとしているのが目に入った。
着席すると、テーブルに料理が運ばれる。ぎこちないテーブルマナーだったけれど大きな失敗はしていないと思う。
食事中、ケイネスは色々なことを話し始めた。俺は静かに頷いていた。時折、視線が絡むと恥ずかしさに睨んでしまう。
「ライはもう2足歩行でも速く走れるそうだね」
ケイネスはライの話を振った。彼がライの話を俺に振るのは初めてだった。召使いはハラハラしている。
「……うん」
「そうか。ライはコバに似ているんだね」
「………………………見た目は、王様に似ていると思う」
ライのたてがみの色はケイネスの髪の毛の色だ。目の色も。
そう伝えるとケイネスの破顔した。そして周りの召使い達もだ。
その後、ケイネスはライの成長や好きな遊びなど、沢山質問してきた。ケイネスの喜びがとても分かりやすくて、その場はとても穏やかに終わった。
食事を終え、ライと共に退室しようとした俺達にケイネスは近づき声をかけた。
俺は下を向いた。今まではテーブルという盾があったからちゃんと返答出来たのであって、こう近づかれると動悸が激しくなる。
ケイネスのキレイな靴を見ていると、一歩また近づいた。
「コバ、この後少しいいだろうか」
「……」
それには返事せず目を背けると、召使いと目が合いコバをジッと見てくる。召使いは、ひょいとコバの手からライを持ち上げた。ライもすっかり召使いと寝ることに慣れていてコバのことをチラリと見ただけだった。
「ライ様は、預かりますので。今日は一緒に寝ましょうね~」
「……ぁ」
断る理由がなくなった。
すると、ケイネスは差し伸べた手をコバの腰に回した。
「よかった。私の部屋に酒とつまみを用意している」
「え。へ、や!? いや」
「そうだよ」
────いぃ、や! 無理無理無理!
首を横に振るとケイネスはギュッと抱き寄せてくる。なだめるように頭に唇を落とされて、ピシィっと固まった。
「もう少し一緒にいたい」
そう言いながら、ケイネスが俺の頭に何度も口づけてくる。吐息が額にかかり、慌てて彼の胸を押し返した。
「わ、分かった! 分かったからやめて!」
「よかった」
見上げれば嬉しそうに微笑むケイネスがいる。緊張してガチガチになる俺をケイネスはエスコートしてくる。
「おいで」
王の部屋に入ってドア前で立ち止まった。
覚悟を決めなくてはいけないのだろうか。彼の部屋に入るってことは閨の誘いってことだよな。
ルムダンでは性行為が気持ちいい事も恋も知らなかったから、単なる吐口だと思っていたから、簡単に上に乗っかれただけだ。
────でも、断る理由が何もない。
「す、すんのか? いいけど!」
「——……ん?」
晩餐会の前に召使いに身体も洗われ磨かれた。
抵抗する俺に召使いは『もしもの為です』と言って隅々まで洗ったのだ。
「セックスするんだよな!? いいけど!?」
今度はケイネスがピシリと固まった。
「煮るなり焼くなり好きにしろ!!」
色気などみじんもないことを勢いよく言うと、ケイネスがぐるぅるる……喉を鳴らす。
ケイネスはゆっくり話すつもりだったけれどやめたと言い、俺の身体を抱き上げた。用意させた酒とつまみの席を通り過ぎベッドに向かう。
「据え膳食わぬは男の恥。ご馳走が飛び込んできて手を出さないほど聖人君子ではないよ」
「ご、御馳走……」
ケイネスのしっぽを見た。ブンブンと左右に大きく揺れている。
彼はベッドの端に俺を抱きしめたまま座った。対面のまま彼を跨ぐように座らされる。体格の差で腕の中にすっぽりと収まってしまう。
「……」
先程からずっとニコニコしているケイネスにコバは大人で余裕を感じた。俺なんか、もうこの状況だけで心臓はバクバク、身体は変な感じになってくる。
でも、身体が密着すると、本当は真逆だったことが分かる。彼も俺を同じくらい心臓の音がうるさかった。
そして、唇を合わせるだけのキスから始まった。今朝と同じように柔らかく優しい触れ合い。
ちゅっくちゅ……
唾液と互いの息がやけに響く。
ケイネスの舌が俺の歯をなぞり上顎をなぞると、ジンジンと気持ちよさが支配して力が入らなくなってしまう。キスが続けば続く程、気持ちよさで訳が分からなくなる。
唇が離れると、ケイネスの胸にもたれ掛かった。つい、腰をスリッと彼の腹部に擦りつけてしまい、ギクリとする。
それに座っている股下には彼の勃起した熱を感じる。
今朝はキスに夢中で何も分かっていなかった。
ケイネスが勃起していると分かると下腹部の奥が重苦しくなり、性器とはまた違うところで濡れていく感じがする。
────あ。俺、今、後ろが濡れた。
身を捩ると、ケイネスは意地悪そうな笑顔を見せた。
「どうしたの? 腰を擦りつけてきてもいいよ。それとも、手で触ってあげようか?」
「ひ、そういうのは、言わないでっ!!」
どうして? とケイネスがコバの性器に服の上からそっと触れて来た。
「あっ!」
「大丈夫。私のも同じだから」
そう言って、長い指は性器を器用に上下する。
「だ……駄目っ、駄目」
「どうして? 嫌じゃないだろう?」
「ち、がっ、アンタにチンコ、触られちゃ……んっんんっ」
ブルリッとあっけなく下着の中を濡らした。服にシミが出来ていく。
ハァハァ……ッと大きく息をしながら、ケイネスを睨み、そして胸をドンッと叩いた。
「ん、はっ、……う。今朝もあれからすぐ出ちゃったから……。アンタとキスしたらすぐ気持ちよくなるからっ、だから駄目って言ったのに!」
触れられて気持ちよく感じるのはケイネスにだけだ。それにキスをされればされるほど気持ちよくなるのだから怖いとコバは心情を吐露した。
「————……ぐるぅるる」
「え?」
ケイネスが唸り声をあげると顎を掴まれて、キスの嵐が降ってきた。
「はっん、んんっ!?」
達した後は口腔内も敏感になっている。口の中全てを舐めつくされ翻弄される。
するりと、彼の手がコバの衣類を脱がし始めた。シャツを剥がされ上半身は裸になり、残りはズボンだけとなる。そしてケイネスも服を脱いだ。バランスの良い美しい裸体。
コバは焦った。これから起きることに思わず抵抗して首を振ると、腰を掴まれ彼のそそり勃つモノにズボンの上からガツンと押し付けられる。
「————ぁ、う!」
その瞬間、ビリリッと身体に電気が走った。
それだけで尻の中で確実に濡れたのが分かる。
抵抗するのを止め、くたりと彼の胸の中に収まった。
「ぁ……、はぁ、あ?」
「コバ、優しくしたいのに、煽らないでくれ。我慢できなくなる」
「な、な……に?」
……いま。俺に、何が起きて……。
きっと、自分の下着の中は色んな液体で濡れている。
ケイネスの荒い息、彼の額には汗、ズボン越しでも分かる勃ち上がった性器。
ルムダンの山の気持ちいい行為。
ケイネスのモノを中に挿入されて、揺さぶられる。
身体の奥から込み上げてくるような気持よさ。
自然と首筋に顔を埋めて匂いをクンクンと嗅いでしまう。この匂いに包まれたいと彼の身体に抱き着いた。ビクンとその身体が揺れた。
「いい匂い」
「——……っ、君はっ、急に可愛くなりすぎないでくれ。心臓に悪い。むしゃぶりつきたくて仕方がなくなる」
彼の手が早急な動きで俺のズボンを剥ぎ取った。
白い太ももにつぅっと流れる液体。
それをケイネスは見つめながら自身も服を脱いだ。互いに裸になるとケイネスはコバの身体を撫でた。
背、足、腹、腕……
「————ぁ……!!」
ツンと尖った乳首を指の腹で擦られ、摘ままれ押しつぶされた。乳首の感覚が鋭すぎて、コバが身体を捩った。
「ひゃぁ……だ、そこ」
乳首を摘ままれたら下腹部がズクズクと痛い。疼いて腰が揺れる。揺れて擦れる部分が気持がいい。ケイネスの大きなペニスに自身のペニスを擦りつけてしまう。ドクドク脈打っている。
「乳首触られると一生懸命腰を動かしてしまうんだね」
「……あっ」
「裏筋、私の性器で擦ると気持ちいいかい?」
「……ごめっ、……ごめ、あぁんっ! あっ!」
彼が俺の尻の窄みに軽く指で触れた。少し触れただけで、くちゅ……と濡れた音が出る。既にトロトロと蕩け切っている後孔に指を一本軽く挿入した。
「あっ—————、まっ、うはぁ、あっ、あぁあ!」
蕩け切った後孔に指が根本まで挿入される。俺の腰が動くタイミングを合わせて指がそこから出し入れされる。
次第に動いているのは彼の指か俺なのか分からなくなる。
まるで、俺が彼が欲しいと強請っているみたいだ。
ケイネスの唇が再び近付き、それを受け止めた。
深まっていくキスに身を委ねた。絡まる舌が熱くて背筋からジィンと快楽が流れてくる。唇が離されるとケイネスの唇を目で追ってしまう。すると、すぐに唇が引っ付く。それを何度も繰り返す。
「止められない」
コクリと頷くと彼が益々微笑む。
「……止めなくていいのかい?」
ちゅっと額に大きな音を立て顔中にキスが降って来る。
つぅっとコバの太ももに手が置かれる。その手が上に上がってくる。ビクビクと身体が小さく痙攣してしまう。
「コバ……、君、下着を履いていないんだね。凄く美味しそうだ」
ケイネスの喉からライがお腹を空かせた時に上げる唸り声のような音がして、ギクリと視線を下げた。
太股までのシャツは膨らんで性器が勃起していることが丸わかりだ。さらに透けるほど濡れていた。
「っっっ!! ひぃぎゃぁあぁっ!?」
下着を洗濯したままで履いていないことを思い出した。ケイネスを押しのけてビュンッと飛び跳ねるように立ち上がった。
「……コ」
バとケイネスが彼の名前を呼びかけようとした時には、俺は猛スピードで走り出していた。
「…………なんて、足の速い」
◇
「やぁ、コバ。ライ」
「………………う」
晩餐会が始まると、前回同様、ケイネスが先に室内で待っていた。
俺は緊張やら今朝の気まずさやらで感情がごちゃ混ぜになり睨みながら入室した。コバが睨んでいる様子にライもぐるぅるるるるう! と母を真似して威嚇し始める。
険悪な空気に周りの召使いは今回もまた失敗かと思ったが、当のケイネスはキョトンとした後、くくくと笑い出した。
「そんなに緊張する必要はないよ。君達とゆっくり食事したいだけだから」
「……」
彼の言葉を聞きながら、室内を見渡した。前回よりもテーブルの長さが短くケイネスとの距離が近かった。
「……お招き頂き、ありがとうございます」
眉間にシワを寄せながら俺がそう言うと、召使いがホッとしているのが目に入った。
着席すると、テーブルに料理が運ばれる。ぎこちないテーブルマナーだったけれど大きな失敗はしていないと思う。
食事中、ケイネスは色々なことを話し始めた。俺は静かに頷いていた。時折、視線が絡むと恥ずかしさに睨んでしまう。
「ライはもう2足歩行でも速く走れるそうだね」
ケイネスはライの話を振った。彼がライの話を俺に振るのは初めてだった。召使いはハラハラしている。
「……うん」
「そうか。ライはコバに似ているんだね」
「………………………見た目は、王様に似ていると思う」
ライのたてがみの色はケイネスの髪の毛の色だ。目の色も。
そう伝えるとケイネスの破顔した。そして周りの召使い達もだ。
その後、ケイネスはライの成長や好きな遊びなど、沢山質問してきた。ケイネスの喜びがとても分かりやすくて、その場はとても穏やかに終わった。
食事を終え、ライと共に退室しようとした俺達にケイネスは近づき声をかけた。
俺は下を向いた。今まではテーブルという盾があったからちゃんと返答出来たのであって、こう近づかれると動悸が激しくなる。
ケイネスのキレイな靴を見ていると、一歩また近づいた。
「コバ、この後少しいいだろうか」
「……」
それには返事せず目を背けると、召使いと目が合いコバをジッと見てくる。召使いは、ひょいとコバの手からライを持ち上げた。ライもすっかり召使いと寝ることに慣れていてコバのことをチラリと見ただけだった。
「ライ様は、預かりますので。今日は一緒に寝ましょうね~」
「……ぁ」
断る理由がなくなった。
すると、ケイネスは差し伸べた手をコバの腰に回した。
「よかった。私の部屋に酒とつまみを用意している」
「え。へ、や!? いや」
「そうだよ」
────いぃ、や! 無理無理無理!
首を横に振るとケイネスはギュッと抱き寄せてくる。なだめるように頭に唇を落とされて、ピシィっと固まった。
「もう少し一緒にいたい」
そう言いながら、ケイネスが俺の頭に何度も口づけてくる。吐息が額にかかり、慌てて彼の胸を押し返した。
「わ、分かった! 分かったからやめて!」
「よかった」
見上げれば嬉しそうに微笑むケイネスがいる。緊張してガチガチになる俺をケイネスはエスコートしてくる。
「おいで」
王の部屋に入ってドア前で立ち止まった。
覚悟を決めなくてはいけないのだろうか。彼の部屋に入るってことは閨の誘いってことだよな。
ルムダンでは性行為が気持ちいい事も恋も知らなかったから、単なる吐口だと思っていたから、簡単に上に乗っかれただけだ。
────でも、断る理由が何もない。
「す、すんのか? いいけど!」
「——……ん?」
晩餐会の前に召使いに身体も洗われ磨かれた。
抵抗する俺に召使いは『もしもの為です』と言って隅々まで洗ったのだ。
「セックスするんだよな!? いいけど!?」
今度はケイネスがピシリと固まった。
「煮るなり焼くなり好きにしろ!!」
色気などみじんもないことを勢いよく言うと、ケイネスがぐるぅるる……喉を鳴らす。
ケイネスはゆっくり話すつもりだったけれどやめたと言い、俺の身体を抱き上げた。用意させた酒とつまみの席を通り過ぎベッドに向かう。
「据え膳食わぬは男の恥。ご馳走が飛び込んできて手を出さないほど聖人君子ではないよ」
「ご、御馳走……」
ケイネスのしっぽを見た。ブンブンと左右に大きく揺れている。
彼はベッドの端に俺を抱きしめたまま座った。対面のまま彼を跨ぐように座らされる。体格の差で腕の中にすっぽりと収まってしまう。
「……」
先程からずっとニコニコしているケイネスにコバは大人で余裕を感じた。俺なんか、もうこの状況だけで心臓はバクバク、身体は変な感じになってくる。
でも、身体が密着すると、本当は真逆だったことが分かる。彼も俺を同じくらい心臓の音がうるさかった。
そして、唇を合わせるだけのキスから始まった。今朝と同じように柔らかく優しい触れ合い。
ちゅっくちゅ……
唾液と互いの息がやけに響く。
ケイネスの舌が俺の歯をなぞり上顎をなぞると、ジンジンと気持ちよさが支配して力が入らなくなってしまう。キスが続けば続く程、気持ちよさで訳が分からなくなる。
唇が離れると、ケイネスの胸にもたれ掛かった。つい、腰をスリッと彼の腹部に擦りつけてしまい、ギクリとする。
それに座っている股下には彼の勃起した熱を感じる。
今朝はキスに夢中で何も分かっていなかった。
ケイネスが勃起していると分かると下腹部の奥が重苦しくなり、性器とはまた違うところで濡れていく感じがする。
────あ。俺、今、後ろが濡れた。
身を捩ると、ケイネスは意地悪そうな笑顔を見せた。
「どうしたの? 腰を擦りつけてきてもいいよ。それとも、手で触ってあげようか?」
「ひ、そういうのは、言わないでっ!!」
どうして? とケイネスがコバの性器に服の上からそっと触れて来た。
「あっ!」
「大丈夫。私のも同じだから」
そう言って、長い指は性器を器用に上下する。
「だ……駄目っ、駄目」
「どうして? 嫌じゃないだろう?」
「ち、がっ、アンタにチンコ、触られちゃ……んっんんっ」
ブルリッとあっけなく下着の中を濡らした。服にシミが出来ていく。
ハァハァ……ッと大きく息をしながら、ケイネスを睨み、そして胸をドンッと叩いた。
「ん、はっ、……う。今朝もあれからすぐ出ちゃったから……。アンタとキスしたらすぐ気持ちよくなるからっ、だから駄目って言ったのに!」
触れられて気持ちよく感じるのはケイネスにだけだ。それにキスをされればされるほど気持ちよくなるのだから怖いとコバは心情を吐露した。
「————……ぐるぅるる」
「え?」
ケイネスが唸り声をあげると顎を掴まれて、キスの嵐が降ってきた。
「はっん、んんっ!?」
達した後は口腔内も敏感になっている。口の中全てを舐めつくされ翻弄される。
するりと、彼の手がコバの衣類を脱がし始めた。シャツを剥がされ上半身は裸になり、残りはズボンだけとなる。そしてケイネスも服を脱いだ。バランスの良い美しい裸体。
コバは焦った。これから起きることに思わず抵抗して首を振ると、腰を掴まれ彼のそそり勃つモノにズボンの上からガツンと押し付けられる。
「————ぁ、う!」
その瞬間、ビリリッと身体に電気が走った。
それだけで尻の中で確実に濡れたのが分かる。
抵抗するのを止め、くたりと彼の胸の中に収まった。
「ぁ……、はぁ、あ?」
「コバ、優しくしたいのに、煽らないでくれ。我慢できなくなる」
「な、な……に?」
……いま。俺に、何が起きて……。
きっと、自分の下着の中は色んな液体で濡れている。
ケイネスの荒い息、彼の額には汗、ズボン越しでも分かる勃ち上がった性器。
ルムダンの山の気持ちいい行為。
ケイネスのモノを中に挿入されて、揺さぶられる。
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「いい匂い」
「——……っ、君はっ、急に可愛くなりすぎないでくれ。心臓に悪い。むしゃぶりつきたくて仕方がなくなる」
彼の手が早急な動きで俺のズボンを剥ぎ取った。
白い太ももにつぅっと流れる液体。
それをケイネスは見つめながら自身も服を脱いだ。互いに裸になるとケイネスはコバの身体を撫でた。
背、足、腹、腕……
「————ぁ……!!」
ツンと尖った乳首を指の腹で擦られ、摘ままれ押しつぶされた。乳首の感覚が鋭すぎて、コバが身体を捩った。
「ひゃぁ……だ、そこ」
乳首を摘ままれたら下腹部がズクズクと痛い。疼いて腰が揺れる。揺れて擦れる部分が気持がいい。ケイネスの大きなペニスに自身のペニスを擦りつけてしまう。ドクドク脈打っている。
「乳首触られると一生懸命腰を動かしてしまうんだね」
「……あっ」
「裏筋、私の性器で擦ると気持ちいいかい?」
「……ごめっ、……ごめ、あぁんっ! あっ!」
彼が俺の尻の窄みに軽く指で触れた。少し触れただけで、くちゅ……と濡れた音が出る。既にトロトロと蕩け切っている後孔に指を一本軽く挿入した。
「あっ—————、まっ、うはぁ、あっ、あぁあ!」
蕩け切った後孔に指が根本まで挿入される。俺の腰が動くタイミングを合わせて指がそこから出し入れされる。
次第に動いているのは彼の指か俺なのか分からなくなる。
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