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「小間ちゃん……、平気?」
一瞬、気が抜けた僕を春君が撫でてくれる。
「あ……、う、ん」
だるくて、動くのが億劫でぼんやり彼を見上げた。
春君がそんな僕をずっと撫でてくれるので、暫くゆったりと抱き合っていた。
春君が上体を起して僕のお尻から性器を抜いた。その抜ける感覚もやっぱりゾクリと来て、「ん……」っと吐息が出る。
まだ彼のが挿いったままような、お尻が変な感覚がする。
春君がタオルを持ってきて、汚れた身体を拭いてくれた。
「お尻切れてないね」
「……うん。痛くなかったの。春君の挿ったら凄い気持ち良かった」
「そっか……」
春君の顔がかぁっと赤くなった。下半身を見ると、彼の性器がグンッと大きくなっていて驚いた。え?
思わず、彼の顔と股間の上下を思わず見てしまった。
「小間ちゃんのせい」
「は、春君!? もう駄目だよ!?」
春君がまた僕に覆いかぶさってくる。駄目だというのに、キスして身体を撫でられる。敏感なところを撫でられ、また身体が火照ってしまう。でも、これ以上されたら、疲れて家に帰れなくなる。それに……。
「う……うぅ、駄目。お尻春君の形になっちゃう」
「っ!!」
僕の言葉が聞き届けられたようで、春君は僕を抱きしめたまま手を止めた。「冗談のつもりだったのに返り討ちにあった」と言っている。
「駄目だよ?」
「うん。今日はもうしないから……はぁ、小間ちゃんは可愛すぎるよぉ」
そう言いながら、じゃれてくる春君。なんだかくすぐったい気持ちになるな。
「今度、泊まりに来て。ね? 夜更かししよう」
どこかに出かけて、ご飯作って、一緒にお風呂入って、一緒のベッドで寝ようね。と楽しそうに予定をウキウキ言い始める春君。
以前なら、お泊りも楽しそうだと思ったけれど、一緒にお風呂とベッド?
僕は、春君の股間をチラリと見た……。春君って、前から思っていたけど、全然萎えないよね? さっきも射精した後全く萎えてなかった。
「小間ちゃん大好き」
「……」
春君がキラキラの王子様スマイルで言うものだから、ちょっと心配になりかけたことを置いておく。
「——うん。僕も」
返事をして、またキスをし合った。
春君は、「恋人がいる」と学校で宣言した。
僕に火の粉が降らないように相手は僕だとは公表していない。けれど、女子たちの付きまとい行為も少なくなって、教室内でも自然に彼と話をし合えるようになった。
彼との時間が学校でも増えた。
春君のスキンシップは相変わらずなので、時折ムラムラしちゃう……けど、それも高校生だから仕方ないと春君はニコニコして言う。
新しい春。
僕らは高校三年生になった。
「えー、凄い王子様が三年生にいるんだって」
「キャーッ!! 王子先輩~!!」
春君は、王子先輩と呼ばれるようになった。一年生はかなりミーハーな子が多いようだ。
「はぁ……、ホント疲れる。何、王子先輩って。馬鹿っぽいんだけど。いい加減にしてくれよ」
僕らは変わらないけど、春君の周りはいつも賑やかだ。
春君は、外見は派手だけど、僕と長く付き合えるようだから、内面はかなり落ち着いている。紅茶の飲み比べとかが趣味だし。
大休憩や放課後、ひっきりなしに下級生から声をかけられていて、彼はゲッソリしていた。
「こっち」
「小間ちゃん……」
僕は春君を隠すように彼の前に立った。
下級生から見ても、僕は存在感が薄いようだ。存在感はあった方がいいけれど、彼を守れるためなら今しばらくはなくてもいいかな。
春君は、背後から嬉しそうに僕を抱きしめてきた。
「やっぱり、小間ちゃん恰好いい。好き」
「ふふふ」
見つめ合うと笑った。
僕らの恋は、これからも続いていく。
おわり。
一瞬、気が抜けた僕を春君が撫でてくれる。
「あ……、う、ん」
だるくて、動くのが億劫でぼんやり彼を見上げた。
春君がそんな僕をずっと撫でてくれるので、暫くゆったりと抱き合っていた。
春君が上体を起して僕のお尻から性器を抜いた。その抜ける感覚もやっぱりゾクリと来て、「ん……」っと吐息が出る。
まだ彼のが挿いったままような、お尻が変な感覚がする。
春君がタオルを持ってきて、汚れた身体を拭いてくれた。
「お尻切れてないね」
「……うん。痛くなかったの。春君の挿ったら凄い気持ち良かった」
「そっか……」
春君の顔がかぁっと赤くなった。下半身を見ると、彼の性器がグンッと大きくなっていて驚いた。え?
思わず、彼の顔と股間の上下を思わず見てしまった。
「小間ちゃんのせい」
「は、春君!? もう駄目だよ!?」
春君がまた僕に覆いかぶさってくる。駄目だというのに、キスして身体を撫でられる。敏感なところを撫でられ、また身体が火照ってしまう。でも、これ以上されたら、疲れて家に帰れなくなる。それに……。
「う……うぅ、駄目。お尻春君の形になっちゃう」
「っ!!」
僕の言葉が聞き届けられたようで、春君は僕を抱きしめたまま手を止めた。「冗談のつもりだったのに返り討ちにあった」と言っている。
「駄目だよ?」
「うん。今日はもうしないから……はぁ、小間ちゃんは可愛すぎるよぉ」
そう言いながら、じゃれてくる春君。なんだかくすぐったい気持ちになるな。
「今度、泊まりに来て。ね? 夜更かししよう」
どこかに出かけて、ご飯作って、一緒にお風呂入って、一緒のベッドで寝ようね。と楽しそうに予定をウキウキ言い始める春君。
以前なら、お泊りも楽しそうだと思ったけれど、一緒にお風呂とベッド?
僕は、春君の股間をチラリと見た……。春君って、前から思っていたけど、全然萎えないよね? さっきも射精した後全く萎えてなかった。
「小間ちゃん大好き」
「……」
春君がキラキラの王子様スマイルで言うものだから、ちょっと心配になりかけたことを置いておく。
「——うん。僕も」
返事をして、またキスをし合った。
春君は、「恋人がいる」と学校で宣言した。
僕に火の粉が降らないように相手は僕だとは公表していない。けれど、女子たちの付きまとい行為も少なくなって、教室内でも自然に彼と話をし合えるようになった。
彼との時間が学校でも増えた。
春君のスキンシップは相変わらずなので、時折ムラムラしちゃう……けど、それも高校生だから仕方ないと春君はニコニコして言う。
新しい春。
僕らは高校三年生になった。
「えー、凄い王子様が三年生にいるんだって」
「キャーッ!! 王子先輩~!!」
春君は、王子先輩と呼ばれるようになった。一年生はかなりミーハーな子が多いようだ。
「はぁ……、ホント疲れる。何、王子先輩って。馬鹿っぽいんだけど。いい加減にしてくれよ」
僕らは変わらないけど、春君の周りはいつも賑やかだ。
春君は、外見は派手だけど、僕と長く付き合えるようだから、内面はかなり落ち着いている。紅茶の飲み比べとかが趣味だし。
大休憩や放課後、ひっきりなしに下級生から声をかけられていて、彼はゲッソリしていた。
「こっち」
「小間ちゃん……」
僕は春君を隠すように彼の前に立った。
下級生から見ても、僕は存在感が薄いようだ。存在感はあった方がいいけれど、彼を守れるためなら今しばらくはなくてもいいかな。
春君は、背後から嬉しそうに僕を抱きしめてきた。
「やっぱり、小間ちゃん恰好いい。好き」
「ふふふ」
見つめ合うと笑った。
僕らの恋は、これからも続いていく。
おわり。
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