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「ねぇ、花壇の世話って誰かしてるんだっけ?」
「知らなぁい。用務員さんがついでにやってくれているんじゃないの?」
「あ。花壇の水やりは僕がやっているんだ」
女の子達が目の前で話しているので、僕は声をかけた。
……けど、うん。相変わらずのスルーだ。
こんなことには慣れっこなので、僕は花壇へ向かうと、用務員さんが「偉いね~」と声をかけてくれる。
学校でこうして声をかけてくれるのは、毎日顔を向き合わせている用務員さんと春君だけだ。
「小間君がお友達と一緒にいるのよく見かけて、オジサン嬉しいよ」
僕は存在感が薄いけれど、僕のことを気にかけてくれる人は、当たり前かもしれないけれど、僕がちゃんと見えている。
用務員さんもその一人。定年を超えた用務員さんは僕のことを孫みたいに思うんだそうだ。
「はい。春君はとても親切なんです」
「そうかい。一年前にあの派手な子が小間君に近づいた時は、悪い事でもされるんじゃないかと心配だったんだけど。ずっと仲良しで安心したよ」
そうなんだ。
用務員さんは、春君みたいな格好よくて何かと目立つ人が地味な奴に構うのが不思議で、何かあったら相談してねと声をかけてくれていた。
僕と春君が仲いいなんて、周りから見たら不思議だろうなって僕も思う。
でも、春君は初めからずっと親切で優しくて僕のこと友達より大事な人だって言ってくれる。
その言葉が嬉しくて、ふふって笑っちゃうんだけど。
でも……。
「どうしたんだい?」
「はい……。最近、春君のことを想うと、胸が痛いような? えと、上手く言えないんですけど、苦しくなるんです」
「いじめられているのかい?」
「あっ! 違います! 本当に彼は親切で……、なのに、一緒にいると胸がギュウッとなって……」
すると、用務員さんが「あぁ~、そっちか……」と眉間にシワを寄せて腕を組む。
そっち? そっちとはどのこと?
「大路君だっけ? あの子は恰好よくてモテるだろうからね。小間君がそういう風に想うのは仕方ないことだと思う。でも、傷つく前に小間君は別のお友達を見つけて視野を広げた方がいいと思うな」
「……」
用務員さんが、キツイことを言ったね。と謝ってくる。
そういう風に想うってどういう意味かは分からないけれど、最近ずっと、春君ばかりだ。
春君とメールをしたり電話をしたり、遊びに行って、沢山触られて、なんだか、ずっとフワフワ嬉しい気持ちだけど……。
視野を広げた方がいいって言葉は、今の僕にとても必要なアドバイスだと思う。
「ありがとうございます。視野を広げる。その通りだと思います」
用務員さんにペコリと頭を下げてお礼を言った。
「きゃぁぁああ! 王子君、カッコいい~!!」
「凄い。ジャンプ力! きゃぁ! またスパイク決めたぁ!!」
今日は、もうすぐ始まる球技会に向けて、隣のクラスと合同練習していた。僕も春君もバレーを選択していた。
春君は、帰宅部なのに、運動神経がよくて、スパイクを何度も決めている。
本当に、春君凄いカッコいい。
敵チームなのに、拍手したい気持ちになるのを、ウズウズしながら堪える。
「王子君ってさ、追いかけてもたまにスッと消えるんだよねぇ。捕まえるの大変~」
隣の女の子が、大きな溜息をついた。
スッと消える……、僕と一緒にいる時だな。
「あ~ぁ、カッコいいなぁ。王子君の彼女になりたぁい」
「でも、王子君、ちょっと冷たいじゃん。付きまとっている女子たちにすごい嫌な顔してた。きっとベタベタするの嫌なタイプよ」
ベタベタかぁ。春君は友達にはベタベタするのが好きだから、きっと彼女になる子にも同じだと思うな。冷たくなんかない、むしろとても温かて優しく触るに違いない。
彼女……。あれ? 胸がズキンと痛い。
「王子君の沼、ハマった子、可哀想よ。だって、王子君って好きな子いるって告白したら断るらしいじゃん」
「そんなの奪略すればいいじゃん~」
あははと笑う女の子達の横で、僕は固まった。
「…………」
……春君に好きな子。
好きな子いたんだ。
春君と仲良しなのに、知らなかった。全然知らない情報に胸が痛くなって、モヤモヤする。
用務員さんが言ってた、“視野を広げる”ってこういう事なんだ。
僕は春君に何でも話していたけど、春君はそうじゃなかった。
そんなの当たり前の事なのに……。モヤモヤするのは、彼しか見てなかったから。
俯きになった、その時だ。
バシンッと鳴り響く音と同時に僕の頭にバレーボールが当たった。
強い振動に、目がピカピカ光った。何が起きたのか数秒分からなかった後、隣の女の子が「きゃっ!」と悲鳴を上げる。
「大丈夫?!」
すぐに隣の女の子が心配してくれるが、返事が出来ない。
「……あ……」
「小間ちゃんっ!!」
春君が急いで駆けてくるのを見て、ハッと意識を戻す。
彼は、僕の前にしゃがむと、周りの女の子は悲鳴を上げた。
「大丈夫? 小間ちゃん、保健室に行こう」
「——あ、うん。大丈夫だよ」
ちょっと驚いたけど、もう平気だ。だけど、次の瞬間、女の子達はさっきより大きな悲鳴を上げる。
「は、春君っ!?」
僕の事を、春君がお姫様抱っこで持ち上げたんだ。
女の子達が、「マジ、王子……」と目を見開いている。
「強い球が当たったから心配。行こう」
そのまま、先生に保健室に連れて行くことを伝えて、保健室に向かった。
「吐き気もふらつきもなければ大丈夫よ」
保健室に連れてこられた僕は、保険医に様子を見てもらっていた。
横で、ソワソワと春君が僕の頭に氷枕を軽く当てながら大丈夫かと聞いてくれる。
「春君……、もう平気だって」
「よかった」
それより、春君のバレーの練習を遮断させて悪かったな。皆からの期待に応えなくちゃいけないのに……。
僕は、彼が優しいばかりに色々甘えすぎてしまっている。
「ごめんね?」
「小間ちゃん、どうしたの?」
「ううん。なんでもない」
「小間ちゃん、今日は、学校帰り送っていくから、待ってて」
大丈夫だと言っても春君は送ると言ってきかない。
結局、僕が根負けする形で、春君に送ってもらうことになった。
そして、放課後——……。
「小間ちゃん」
靴箱の前で僕を待っている春君の姿。急いで、上履きを脱いで外靴に履き替えて彼の隣に立った。
その時だ。
「いいなぁ。君、さっき王子君に抱っこされていた子でしょ~」
「さっき、王子君、超格好良かった。あのね、王子君時間いい?」
春君を好きな女の子達だ。いつも春君の追っかけをしている……。
僕は、彼の前に立ったけど……、女の子達が僕を見ている。
あれ……?
「ごめんね~。ちょっと退いてくれる?」
「え? あの……」
「もう頭打ったところ大丈夫よね? 王子君、大事な話があるの」
僕は確かに存在感薄いけど、幽霊じゃない。当たり前だけど見える。
多分、今日は春君が僕を抱きかかえたことで、注目を浴びて、今の誰?って噂の人になっちゃったのかも。
「ごめん。俺、大事な用があるから」
王子君がそう言って、僕の手を握ったけど、僕はその手を離した。
「……」
そっか。僕の役目はこれでおしまいかなぁ。彼が僕といるメリットがなくなったんだもん。
「大路君、女の子達の大事な用を聞いてあげて?」
「小間……ちゃん?」
「知らなぁい。用務員さんがついでにやってくれているんじゃないの?」
「あ。花壇の水やりは僕がやっているんだ」
女の子達が目の前で話しているので、僕は声をかけた。
……けど、うん。相変わらずのスルーだ。
こんなことには慣れっこなので、僕は花壇へ向かうと、用務員さんが「偉いね~」と声をかけてくれる。
学校でこうして声をかけてくれるのは、毎日顔を向き合わせている用務員さんと春君だけだ。
「小間君がお友達と一緒にいるのよく見かけて、オジサン嬉しいよ」
僕は存在感が薄いけれど、僕のことを気にかけてくれる人は、当たり前かもしれないけれど、僕がちゃんと見えている。
用務員さんもその一人。定年を超えた用務員さんは僕のことを孫みたいに思うんだそうだ。
「はい。春君はとても親切なんです」
「そうかい。一年前にあの派手な子が小間君に近づいた時は、悪い事でもされるんじゃないかと心配だったんだけど。ずっと仲良しで安心したよ」
そうなんだ。
用務員さんは、春君みたいな格好よくて何かと目立つ人が地味な奴に構うのが不思議で、何かあったら相談してねと声をかけてくれていた。
僕と春君が仲いいなんて、周りから見たら不思議だろうなって僕も思う。
でも、春君は初めからずっと親切で優しくて僕のこと友達より大事な人だって言ってくれる。
その言葉が嬉しくて、ふふって笑っちゃうんだけど。
でも……。
「どうしたんだい?」
「はい……。最近、春君のことを想うと、胸が痛いような? えと、上手く言えないんですけど、苦しくなるんです」
「いじめられているのかい?」
「あっ! 違います! 本当に彼は親切で……、なのに、一緒にいると胸がギュウッとなって……」
すると、用務員さんが「あぁ~、そっちか……」と眉間にシワを寄せて腕を組む。
そっち? そっちとはどのこと?
「大路君だっけ? あの子は恰好よくてモテるだろうからね。小間君がそういう風に想うのは仕方ないことだと思う。でも、傷つく前に小間君は別のお友達を見つけて視野を広げた方がいいと思うな」
「……」
用務員さんが、キツイことを言ったね。と謝ってくる。
そういう風に想うってどういう意味かは分からないけれど、最近ずっと、春君ばかりだ。
春君とメールをしたり電話をしたり、遊びに行って、沢山触られて、なんだか、ずっとフワフワ嬉しい気持ちだけど……。
視野を広げた方がいいって言葉は、今の僕にとても必要なアドバイスだと思う。
「ありがとうございます。視野を広げる。その通りだと思います」
用務員さんにペコリと頭を下げてお礼を言った。
「きゃぁぁああ! 王子君、カッコいい~!!」
「凄い。ジャンプ力! きゃぁ! またスパイク決めたぁ!!」
今日は、もうすぐ始まる球技会に向けて、隣のクラスと合同練習していた。僕も春君もバレーを選択していた。
春君は、帰宅部なのに、運動神経がよくて、スパイクを何度も決めている。
本当に、春君凄いカッコいい。
敵チームなのに、拍手したい気持ちになるのを、ウズウズしながら堪える。
「王子君ってさ、追いかけてもたまにスッと消えるんだよねぇ。捕まえるの大変~」
隣の女の子が、大きな溜息をついた。
スッと消える……、僕と一緒にいる時だな。
「あ~ぁ、カッコいいなぁ。王子君の彼女になりたぁい」
「でも、王子君、ちょっと冷たいじゃん。付きまとっている女子たちにすごい嫌な顔してた。きっとベタベタするの嫌なタイプよ」
ベタベタかぁ。春君は友達にはベタベタするのが好きだから、きっと彼女になる子にも同じだと思うな。冷たくなんかない、むしろとても温かて優しく触るに違いない。
彼女……。あれ? 胸がズキンと痛い。
「王子君の沼、ハマった子、可哀想よ。だって、王子君って好きな子いるって告白したら断るらしいじゃん」
「そんなの奪略すればいいじゃん~」
あははと笑う女の子達の横で、僕は固まった。
「…………」
……春君に好きな子。
好きな子いたんだ。
春君と仲良しなのに、知らなかった。全然知らない情報に胸が痛くなって、モヤモヤする。
用務員さんが言ってた、“視野を広げる”ってこういう事なんだ。
僕は春君に何でも話していたけど、春君はそうじゃなかった。
そんなの当たり前の事なのに……。モヤモヤするのは、彼しか見てなかったから。
俯きになった、その時だ。
バシンッと鳴り響く音と同時に僕の頭にバレーボールが当たった。
強い振動に、目がピカピカ光った。何が起きたのか数秒分からなかった後、隣の女の子が「きゃっ!」と悲鳴を上げる。
「大丈夫?!」
すぐに隣の女の子が心配してくれるが、返事が出来ない。
「……あ……」
「小間ちゃんっ!!」
春君が急いで駆けてくるのを見て、ハッと意識を戻す。
彼は、僕の前にしゃがむと、周りの女の子は悲鳴を上げた。
「大丈夫? 小間ちゃん、保健室に行こう」
「——あ、うん。大丈夫だよ」
ちょっと驚いたけど、もう平気だ。だけど、次の瞬間、女の子達はさっきより大きな悲鳴を上げる。
「は、春君っ!?」
僕の事を、春君がお姫様抱っこで持ち上げたんだ。
女の子達が、「マジ、王子……」と目を見開いている。
「強い球が当たったから心配。行こう」
そのまま、先生に保健室に連れて行くことを伝えて、保健室に向かった。
「吐き気もふらつきもなければ大丈夫よ」
保健室に連れてこられた僕は、保険医に様子を見てもらっていた。
横で、ソワソワと春君が僕の頭に氷枕を軽く当てながら大丈夫かと聞いてくれる。
「春君……、もう平気だって」
「よかった」
それより、春君のバレーの練習を遮断させて悪かったな。皆からの期待に応えなくちゃいけないのに……。
僕は、彼が優しいばかりに色々甘えすぎてしまっている。
「ごめんね?」
「小間ちゃん、どうしたの?」
「ううん。なんでもない」
「小間ちゃん、今日は、学校帰り送っていくから、待ってて」
大丈夫だと言っても春君は送ると言ってきかない。
結局、僕が根負けする形で、春君に送ってもらうことになった。
そして、放課後——……。
「小間ちゃん」
靴箱の前で僕を待っている春君の姿。急いで、上履きを脱いで外靴に履き替えて彼の隣に立った。
その時だ。
「いいなぁ。君、さっき王子君に抱っこされていた子でしょ~」
「さっき、王子君、超格好良かった。あのね、王子君時間いい?」
春君を好きな女の子達だ。いつも春君の追っかけをしている……。
僕は、彼の前に立ったけど……、女の子達が僕を見ている。
あれ……?
「ごめんね~。ちょっと退いてくれる?」
「え? あの……」
「もう頭打ったところ大丈夫よね? 王子君、大事な話があるの」
僕は確かに存在感薄いけど、幽霊じゃない。当たり前だけど見える。
多分、今日は春君が僕を抱きかかえたことで、注目を浴びて、今の誰?って噂の人になっちゃったのかも。
「ごめん。俺、大事な用があるから」
王子君がそう言って、僕の手を握ったけど、僕はその手を離した。
「……」
そっか。僕の役目はこれでおしまいかなぁ。彼が僕といるメリットがなくなったんだもん。
「大路君、女の子達の大事な用を聞いてあげて?」
「小間……ちゃん?」
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