10 / 74
ストーカー編
9
しおりを挟む
「おはよう」
それはとても優しい声だった。
目を開けると優しい目が自分の事をみつめてくれる。額にキスを落とされ、次は瞼に頬に、そして唇に。唇には少しだけ長めのキス……。
彼が体重をかけず、そっと抱きしめてくる。その優しく包まれる感覚に自然と幸福感が湧き上がってくる。
朝日がキラキラと彼の茶色い髪の毛を照らした。
ふわふわとした気持ちに瞼がもう一度落ちてしまいそう。
だけど、彼に朝食を用意したと起こされてリビングへと連れて行かれる。
パンとサラダとハムエッグとスープ。完璧な朝食がテーブルの上に並んでいた。
「こんなに食べられない」
すると、スープだけが差し出された。
ほんわかと温かないい匂いが食欲をそそる。丁寧に玉ねぎを炒めた黄金色のスープだ。
「美味しいよ」
浅い眠りについた朝。
目を開けるとカイル君のベッドがもぬけの殻だった為、外へ出た。
カイル君は毎朝日が昇る前から行動する。もう彼にとって日課となっているのだろう。
気配のする方へと向かうと、木刀を素振りしていた。
カイル君はとても真面目だ。努力をすることを惜しまない。
風を切る音が心地よく響き彼のキレイな素振りを離れた遠くから隠れて見つめていた。
すると、村人の娘がカイル君に朝食を持ってきた。
早朝なのに身だしなみをキレイに整えていた。頬を染めてカイル君に話しかけて笑っている。
あの娘、昨日カイル君に断られていたのに全く諦めていないようだ。カイル君は本当に罪な男だ。まぁ、諦められないのは分からなくもない。モテて当然のカイル君なのだ。
僕は目を閉じた。
彼らがいる方向とは逆に向き、地面に魔法陣を書く。昨日の夜話した風の魔法陣だ。
風か……。爆弾と組み合わせたら面白いのではないだろうか。爆弾と組み合わせると威力が更に倍増して面白いことになるな。
あぁでもないこうでもないと魔法陣に付け加えていくけれど、あまり上手くはまとまらない。
もっと効果的でないと。
魔術構成を考えているとなんだか嫌な気配を感じる。
この気配は人じゃない。
地面に手を当てると微かに揺れている。地震じゃない。なんだこれは。
急いで、カイル君の元へ駆ける。
「カイル君っ!!」
僕がいるのが既に分かっていたのか、カイル君はあぁっと頷いた。
地面から、地上へ現れたのは触手だ。いや、触手の真ん中には丸い目玉がぎょろりと付いている。これは異形モンスターだ。
「いやぁあ!」
娘が叫ぶ。すると、真っ先に目玉の触手が彼女の方へ向かった。僕はすかさず、彼女へ結界を張る。
カイル君が素振り用に使っていた木刀で触手を切りつけた。だが、触手のぬめりで上手く切り込むことが出来ず、打撃を与えるだけになってしまう。
僕は魔法陣を素早く空中に描き、カイル君の使っている木刀に強化魔術をかける。
カイル君自身が持っている魔力と僕の強化魔術によって、触手がスパンと切れる。
「リンッ! 次は木刀を研磨しろっ!」
カイル君の指示通り、僕はカイル君の使っている木刀を鋭い鋭利な刃へと調合する。
木に鉄を上塗りしたのだ。
カイル君に集中的に触手が向かっていく為、僕は魔法弾を打ちこんでいく。カイル君は身体を捻らせ触手の攻撃を避けながら目玉へと向かい突き刺した。
その間2分にも満たなかった。
早い。強い。的確だ。見事としか言いようがない。
カイル君はスーッと魔術が消える木刀を眺めた。
そして、くるりと僕の方を振り向いたため、僕はビクっと思わず身体が驚いてしまった。
「凄いな。お前何? 援護の達人なのか?」
「あ、あぁ。うん。あぁ。あの……手を……」
カイル君が僕の手を掴んでいる。この手がこんな凄いのを出すのか。とまじまじと僕の手を見つめる。どうなっているんだ。と手を揉み揉みと握られる。
「試しに指示出してみたけど、即効魔術。初めて一緒にモンスター狩りしたのに息合わせるの抜群にうまいな。……あ? おい。どうした??」
「胸が……、君は距離を間違えているよ」
あまりに至近距離で手なんか揉むものだから胸が苦しくて下を向いてしまった。
ブブッと笑い声が聞こえる。
「お前、耳まで真っ赤じゃんか。あはは。何それお前面白いな! 手握ったくらいでそんな反応すんのかよっ!!」
「うぅ」
ひ、酷い。人の純情をからかうなんて君は極悪人かいっ! 顔から集中的に熱が出てくる。
「わっ笑わないでくれたまえ」
僕は、パッとカイル君の腕から手を離した。いたたまれなくて姿を透明化する。
「あっ? おい」
「あの……、ありがとうございました。助かりました」
助けた村の娘がカイル君に声をかけた。
「いや、俺じゃなくてリン……魔術師の彼が君を守った方だと思う。お礼は彼に言うべきだろう。昨日もそうだけど、俺だけじゃなくてもっと周りを見た方がいい」
きつい物言いをしてすまないとカイル君は言うと彼女はごめんなさいと小さく謝って去っていった。
僕は、そんな二人を横目に倒した触手を見た。
触手に目。異形だ。
モンスターが姿を見せなくなり、異形が現れ始めている。先日ギルドで4件と言っていたが、実際はもっと多いに違いない。それとも、この数日で変化が起きたのだろうか。
僕は携帯している瓶に触手の破片と粘液を採取した。
「リン。おい。透明化解除しろ」
「……」
どうして、彼には僕の位置が確実にわかるのだろう。
僕は透明化を解除して後ろにいるカイル君の方に振り向いた。
「いいのかい? 彼女、君に好意があるようだったけれど……」
すると、カイル君が首を傾げた。
「リンは、そういうのは平気なのか?」
「そういうのってなんだい?」
カイル君は眉間にシワを寄せて首をひねる。意味がわからないと呟いて考えている。
「ストーカーの気持ちはそういうモノなのか?」
「僕は邪悪なストーカーではないと常日頃から言っているよ。それこそ、カイル君が勝手に僕の事をストーカーだと呼んでいるだけだよ」
ストーカーなどと低俗なものと一緒にしないでもらいたい。
「……俺からみたら一緒だけどな。この話、平行線だからいいや。ほら。さっき娘さんに朝食もらったからお前も一緒に食おう。ビスケットなら食えるか」
娘からもらった籠にはサンドイッチと牛乳とビスケットが添えられていた。それは、君が食べるべきなんじゃないのかい。なんだか僕が食べるとバチが当たりそうだよ。
カイル君が僕を陰から朝日の当たる場所へと引っ張る。
「食べ物は誰からもらおうと食べ物だ。遠慮せず食え」
「いや、僕……ぐっぐ」
断ろうと思った時には口の中にビスケットが放りこまれていた。
へ、平然と何気に僕の口にモノを放りこんでくるけれど、それは世間での“あーん”行為なんだよ!? あーんってしているんだからね!?
悶々としながらビスケットをカリカリ頬張る。
その横で、大口を開けてサンドウィッチを食べ始めるカイル君。一口が大きいなと見つめていたら、目が合う……こういう時やはり隠れていないと心臓がもたないような気がする。
村人の屋敷方面からカイル君を呼ぶ声がする。僕達も屋敷へと戻ると既に三人は服を着替え出発する準備が出来ていた。
「出発するか」
それはとても優しい声だった。
目を開けると優しい目が自分の事をみつめてくれる。額にキスを落とされ、次は瞼に頬に、そして唇に。唇には少しだけ長めのキス……。
彼が体重をかけず、そっと抱きしめてくる。その優しく包まれる感覚に自然と幸福感が湧き上がってくる。
朝日がキラキラと彼の茶色い髪の毛を照らした。
ふわふわとした気持ちに瞼がもう一度落ちてしまいそう。
だけど、彼に朝食を用意したと起こされてリビングへと連れて行かれる。
パンとサラダとハムエッグとスープ。完璧な朝食がテーブルの上に並んでいた。
「こんなに食べられない」
すると、スープだけが差し出された。
ほんわかと温かないい匂いが食欲をそそる。丁寧に玉ねぎを炒めた黄金色のスープだ。
「美味しいよ」
浅い眠りについた朝。
目を開けるとカイル君のベッドがもぬけの殻だった為、外へ出た。
カイル君は毎朝日が昇る前から行動する。もう彼にとって日課となっているのだろう。
気配のする方へと向かうと、木刀を素振りしていた。
カイル君はとても真面目だ。努力をすることを惜しまない。
風を切る音が心地よく響き彼のキレイな素振りを離れた遠くから隠れて見つめていた。
すると、村人の娘がカイル君に朝食を持ってきた。
早朝なのに身だしなみをキレイに整えていた。頬を染めてカイル君に話しかけて笑っている。
あの娘、昨日カイル君に断られていたのに全く諦めていないようだ。カイル君は本当に罪な男だ。まぁ、諦められないのは分からなくもない。モテて当然のカイル君なのだ。
僕は目を閉じた。
彼らがいる方向とは逆に向き、地面に魔法陣を書く。昨日の夜話した風の魔法陣だ。
風か……。爆弾と組み合わせたら面白いのではないだろうか。爆弾と組み合わせると威力が更に倍増して面白いことになるな。
あぁでもないこうでもないと魔法陣に付け加えていくけれど、あまり上手くはまとまらない。
もっと効果的でないと。
魔術構成を考えているとなんだか嫌な気配を感じる。
この気配は人じゃない。
地面に手を当てると微かに揺れている。地震じゃない。なんだこれは。
急いで、カイル君の元へ駆ける。
「カイル君っ!!」
僕がいるのが既に分かっていたのか、カイル君はあぁっと頷いた。
地面から、地上へ現れたのは触手だ。いや、触手の真ん中には丸い目玉がぎょろりと付いている。これは異形モンスターだ。
「いやぁあ!」
娘が叫ぶ。すると、真っ先に目玉の触手が彼女の方へ向かった。僕はすかさず、彼女へ結界を張る。
カイル君が素振り用に使っていた木刀で触手を切りつけた。だが、触手のぬめりで上手く切り込むことが出来ず、打撃を与えるだけになってしまう。
僕は魔法陣を素早く空中に描き、カイル君の使っている木刀に強化魔術をかける。
カイル君自身が持っている魔力と僕の強化魔術によって、触手がスパンと切れる。
「リンッ! 次は木刀を研磨しろっ!」
カイル君の指示通り、僕はカイル君の使っている木刀を鋭い鋭利な刃へと調合する。
木に鉄を上塗りしたのだ。
カイル君に集中的に触手が向かっていく為、僕は魔法弾を打ちこんでいく。カイル君は身体を捻らせ触手の攻撃を避けながら目玉へと向かい突き刺した。
その間2分にも満たなかった。
早い。強い。的確だ。見事としか言いようがない。
カイル君はスーッと魔術が消える木刀を眺めた。
そして、くるりと僕の方を振り向いたため、僕はビクっと思わず身体が驚いてしまった。
「凄いな。お前何? 援護の達人なのか?」
「あ、あぁ。うん。あぁ。あの……手を……」
カイル君が僕の手を掴んでいる。この手がこんな凄いのを出すのか。とまじまじと僕の手を見つめる。どうなっているんだ。と手を揉み揉みと握られる。
「試しに指示出してみたけど、即効魔術。初めて一緒にモンスター狩りしたのに息合わせるの抜群にうまいな。……あ? おい。どうした??」
「胸が……、君は距離を間違えているよ」
あまりに至近距離で手なんか揉むものだから胸が苦しくて下を向いてしまった。
ブブッと笑い声が聞こえる。
「お前、耳まで真っ赤じゃんか。あはは。何それお前面白いな! 手握ったくらいでそんな反応すんのかよっ!!」
「うぅ」
ひ、酷い。人の純情をからかうなんて君は極悪人かいっ! 顔から集中的に熱が出てくる。
「わっ笑わないでくれたまえ」
僕は、パッとカイル君の腕から手を離した。いたたまれなくて姿を透明化する。
「あっ? おい」
「あの……、ありがとうございました。助かりました」
助けた村の娘がカイル君に声をかけた。
「いや、俺じゃなくてリン……魔術師の彼が君を守った方だと思う。お礼は彼に言うべきだろう。昨日もそうだけど、俺だけじゃなくてもっと周りを見た方がいい」
きつい物言いをしてすまないとカイル君は言うと彼女はごめんなさいと小さく謝って去っていった。
僕は、そんな二人を横目に倒した触手を見た。
触手に目。異形だ。
モンスターが姿を見せなくなり、異形が現れ始めている。先日ギルドで4件と言っていたが、実際はもっと多いに違いない。それとも、この数日で変化が起きたのだろうか。
僕は携帯している瓶に触手の破片と粘液を採取した。
「リン。おい。透明化解除しろ」
「……」
どうして、彼には僕の位置が確実にわかるのだろう。
僕は透明化を解除して後ろにいるカイル君の方に振り向いた。
「いいのかい? 彼女、君に好意があるようだったけれど……」
すると、カイル君が首を傾げた。
「リンは、そういうのは平気なのか?」
「そういうのってなんだい?」
カイル君は眉間にシワを寄せて首をひねる。意味がわからないと呟いて考えている。
「ストーカーの気持ちはそういうモノなのか?」
「僕は邪悪なストーカーではないと常日頃から言っているよ。それこそ、カイル君が勝手に僕の事をストーカーだと呼んでいるだけだよ」
ストーカーなどと低俗なものと一緒にしないでもらいたい。
「……俺からみたら一緒だけどな。この話、平行線だからいいや。ほら。さっき娘さんに朝食もらったからお前も一緒に食おう。ビスケットなら食えるか」
娘からもらった籠にはサンドイッチと牛乳とビスケットが添えられていた。それは、君が食べるべきなんじゃないのかい。なんだか僕が食べるとバチが当たりそうだよ。
カイル君が僕を陰から朝日の当たる場所へと引っ張る。
「食べ物は誰からもらおうと食べ物だ。遠慮せず食え」
「いや、僕……ぐっぐ」
断ろうと思った時には口の中にビスケットが放りこまれていた。
へ、平然と何気に僕の口にモノを放りこんでくるけれど、それは世間での“あーん”行為なんだよ!? あーんってしているんだからね!?
悶々としながらビスケットをカリカリ頬張る。
その横で、大口を開けてサンドウィッチを食べ始めるカイル君。一口が大きいなと見つめていたら、目が合う……こういう時やはり隠れていないと心臓がもたないような気がする。
村人の屋敷方面からカイル君を呼ぶ声がする。僕達も屋敷へと戻ると既に三人は服を着替え出発する準備が出来ていた。
「出発するか」
30
お気に入りに追加
655
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる