7 / 74
ストーカー編
6
しおりを挟む
ギルド支配人と話した後、僕は再び魔術で姿を消した。
個別室を出ると、カイル君、他三人はその短い時間に何か結託していた。
「よし。じゃ、王都へ向かうぞ」
「……っ!?」
へ!? 王都!?
なぜ王都へ向かう話になっているんだ。
急いでカイル君の傍に寄ろうとしたのに、思わず動揺して段差に躓きかけた。
まさか異形のモンスター情報を!? いや、通常ギルドでは開示されていない情報だ。
何かの偶然だろうか。
もっと詳しく話を聞かなくてはと思っていると、カイル君達がギルドを出た。
出発は明後日だ。とかなんとか言っている。
僕は、リチャードを見た。
そうだ。コイツを縛りあげて内容を聞こう。
「おい。出てこい」
隠れている僕の方をカイル君が見た。ドキリとする。
僕が隠れている場所がカイル君には特定されているのではないかと思う瞬間だ。
以前から何度もあった。僕の魔術は……完璧だ。
僕は魔術を解いた。
それを見ていたリチャードが「うわっ」と声を上げた。
「なんだい? 君から声をかけてもらえるなんて光栄だよ」
「お前、さっきギルドの奥へ何をしてきた? なんで、あそこへ入れる?」
やっぱり。受付はカイル君達がいた席から死角であったのに、僕が受付で姿を出したことに気が付いていたのだ。
「そんなに僕が傍にいないと淋しかったかい?」
そういうとギロリと僕を睨んだ。
「一方的に情報握られて、こっちは気味が悪い。お前が知った情報をこちらに寄越せ」
「……悪いけど。出来ないよ」
異形モンスターを退治した事が何度かあるカイル君はこの情報を大したことに思わないだろう。ただ、僕は彼と情報を共有するつもりはない。
「言わないつもりか?」
普段と違ってカイル君の雰囲気が冷たいものに変わる。
それを見ていたリチャードがまぁまぁっと止めに入るが、カイル君は僕を見降ろす。
「カイル。もしかしたら言えない事情があるのかもしれないだろう!?」
「俺の情報を一方的にコイツに握られて俺は知らずか?」
「それは……」
もっともだ。カイル君の言っている事は正論だ。
カイル君は僕を見るのをやめて、前を向いた。
僕は何も言えず黙りこくった。
「二度と付きまとうな」
「……」
リチャードが僕とカイル君を慌てたように見ていたがカイル君についていった。
分かっている。拒否くらいいつもの事だ。
僕は、スッと姿を魔術で消した。いつものこと。ともう一度自分に言う。
僕はカイル君を追いかけた。だけど、カイル君の近くに寄れなかった。
「……これは?」
僕は手を伸ばした。バチっと電気が僕の手に伝った。
カイル君の周りには異物を排除しようとする結界が巡らされていた。この結界に触れさえすれば結界魔法を知る事が出来る。それを知れば結界に対抗する魔術を作りだすことが出来る。
もう一度、僕はその結界を触れてみた。激しい電気が僕を拒絶する。
本気だ。本気で僕を排除しようとしている。今まではカイル君にとってはお遊びでしかなかったのだ。
その日からカイル君は24時間結界を張っていた。僕からは結界内にいるカイル君の姿も見ることは出来ない。
個別室を出ると、カイル君、他三人はその短い時間に何か結託していた。
「よし。じゃ、王都へ向かうぞ」
「……っ!?」
へ!? 王都!?
なぜ王都へ向かう話になっているんだ。
急いでカイル君の傍に寄ろうとしたのに、思わず動揺して段差に躓きかけた。
まさか異形のモンスター情報を!? いや、通常ギルドでは開示されていない情報だ。
何かの偶然だろうか。
もっと詳しく話を聞かなくてはと思っていると、カイル君達がギルドを出た。
出発は明後日だ。とかなんとか言っている。
僕は、リチャードを見た。
そうだ。コイツを縛りあげて内容を聞こう。
「おい。出てこい」
隠れている僕の方をカイル君が見た。ドキリとする。
僕が隠れている場所がカイル君には特定されているのではないかと思う瞬間だ。
以前から何度もあった。僕の魔術は……完璧だ。
僕は魔術を解いた。
それを見ていたリチャードが「うわっ」と声を上げた。
「なんだい? 君から声をかけてもらえるなんて光栄だよ」
「お前、さっきギルドの奥へ何をしてきた? なんで、あそこへ入れる?」
やっぱり。受付はカイル君達がいた席から死角であったのに、僕が受付で姿を出したことに気が付いていたのだ。
「そんなに僕が傍にいないと淋しかったかい?」
そういうとギロリと僕を睨んだ。
「一方的に情報握られて、こっちは気味が悪い。お前が知った情報をこちらに寄越せ」
「……悪いけど。出来ないよ」
異形モンスターを退治した事が何度かあるカイル君はこの情報を大したことに思わないだろう。ただ、僕は彼と情報を共有するつもりはない。
「言わないつもりか?」
普段と違ってカイル君の雰囲気が冷たいものに変わる。
それを見ていたリチャードがまぁまぁっと止めに入るが、カイル君は僕を見降ろす。
「カイル。もしかしたら言えない事情があるのかもしれないだろう!?」
「俺の情報を一方的にコイツに握られて俺は知らずか?」
「それは……」
もっともだ。カイル君の言っている事は正論だ。
カイル君は僕を見るのをやめて、前を向いた。
僕は何も言えず黙りこくった。
「二度と付きまとうな」
「……」
リチャードが僕とカイル君を慌てたように見ていたがカイル君についていった。
分かっている。拒否くらいいつもの事だ。
僕は、スッと姿を魔術で消した。いつものこと。ともう一度自分に言う。
僕はカイル君を追いかけた。だけど、カイル君の近くに寄れなかった。
「……これは?」
僕は手を伸ばした。バチっと電気が僕の手に伝った。
カイル君の周りには異物を排除しようとする結界が巡らされていた。この結界に触れさえすれば結界魔法を知る事が出来る。それを知れば結界に対抗する魔術を作りだすことが出来る。
もう一度、僕はその結界を触れてみた。激しい電気が僕を拒絶する。
本気だ。本気で僕を排除しようとしている。今まではカイル君にとってはお遊びでしかなかったのだ。
その日からカイル君は24時間結界を張っていた。僕からは結界内にいるカイル君の姿も見ることは出来ない。
61
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる