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11.俺の初体験※

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 ◇◇◇


 掴まれた足の間にとんでもなく熱い熱。
 俺の初体験。

「はぁぁ、はぁ」
「紺ちゃんの中に挿ってる、繋がってる!!」

 開きっぱなしの瞳孔、全力疾走したかのような荒い息。数秒間で奴は何度生唾を飲んだのか。

 俺の尻に京弥のペニスの先端が入っている。でかいから解されてもギチギチギチだ。

 彼は辛抱出来ないのか、微かに腰が揺れ始めた──……時だ。とんでもないイリュージョンを見た。

「え」

 いきなり物凄い勢いで京弥の身体が後ろに吹っ飛んだんだ。京弥は壁に備え付けの棚にドコンッとぶつかった。

 そして、俺の身体はぷわぁああっと見えない何かに包まれた。
これはもしや。

「にゅる!?」

 そうだと言うようににゅるが俺の頭を撫でてきゅうっと抱きしめてくる。

 触手の存在すら霞む、京弥の存在感。
 すっかり忘れていた。

「けど、お前、完全に京弥にビビッて俺を見捨てたんじゃ?」

 俺の身体を包み込む感覚がブルブルと横に振っている。頭を何度も撫でてくる触手は“ごめんね”と謝っているようだ。
 姿形は見えずとも、その様子に愛着が湧く。主人のピンチを助けようとする犬みたいな感じか?


 もうお前は立派なうちのペットだと俺からハグしようと思ったところ、後ろに飛ばされた京弥がむくりを起きた。

「──京……え!?」


 ポタポタポタ……。

 京弥の顔は血まみれだった。どうやら、吹き飛ばされた時に棚の角にどこかをぶつけていたようだ。
 その流血ににゅるは怯えるように震え出す。


「ひっ、おい、大丈夫か!? どこをぶつけたんだ!?」

 
 京弥は自分の血を手で拭ってそれを見ている。
 俺はにゅるから立ち上がって駆け寄った。
 髪の毛をそっとあげると、右眉上の額に二センチ程の傷が出来ている。

「お、おい! まだ、動くなって!」
「……はぁ」

 突然、京弥は服を脱ぎ始めた。その服を額に押し当てて止血する。痩せたイメージの京弥だが脱ぐと細マッチョだ。
 暫く額を押さえた後、シャツをキュッと額で結ぶ。随分乱暴な処置の仕方だ。

「くくく……」
「お前……」

 打ち付けて笑うなんて、額以外にもぶつけたのだろうか? 

「え」

 京弥は心配する俺の腕を掴んで、勢いよく後方へ押し倒した。
 流血沙汰にすっかり忘れていた。

 そうだ、コイツはさっきまで俺を犯す気満々だった。
 だが、この状況で押し倒すか。
 流石に怪我人とどうこうなるつもりは……と真上を見ると、そこには恍惚とした表情の京弥が、ははっあははっと笑っている。
 笑い過ぎて少しむせている。

 げ、こわ。

「はぁ! あははっ、はは、──っ紺ちゃんって凄すぎるよ! 幽体まで完全に使役出来ちゃうんだ! はあぁあ、全部素敵だ。愛おしいよ! もっと知りたい。情報も感覚も紺ちゃんのこと全部知り尽くしたい!」

「おっ────……っ……っ!?」

 押し倒しながら、奴が俺の股をパッカリ左右に開いた。そこに見た奴の股間に度肝を抜かれた。

 え。なんで、萎えてないの?
 
 怒張するペニスを俺の後孔を押し当ててきた。本気で行為を続行する気だと分かり、両手でバシバシ胸を叩く。

「馬鹿、もういいだろっ! お前怪我し……っひぅ」

 京弥が顔を下げて俺の乳首にむしゃぶりついた。胸を吸引しながら、萎えたペニスを勃起させようと手で扱いてくる。

「あっ、あ!? ──……っひゎっ!!!!」

 乳首を貪る奴の頭を咄嗟に押さえるが、巻きつけている服の血が目に入り、力を込められない。
 頭をぶつけて理性が飛んだのか、先程までとは違う激しさだ。
 ぐちぐちと俺のペニスを手で擦り、鈴口を指先で弄ってくる。その激しい愛撫に性器が芯を持ち、身体が火照ってくる。

 にゅるは?
 もしかして京弥の血を見てビビったのか!?

 その愛撫から逃げようと身を捩った時だ、足を掴まれ引き戻される。
  その足をペロリと舐めると腰を掴まれ……

「ひぁぁ! …………ぁぁああ……ま、た、挿いって!?」

 俺のペニスを刺激しながら、京弥が腰を進めてくる。
 ぬちぃっと拓かれて押し進められて、縁が有り得ない程、引っ張ってジンジンする。

「あ、ぁう、ぁ」

 指とは全然違う太さ、熱さ。
 ……痛みはなかった。先ほどまで弄られまくっていた尻の中は、京弥のデカい性器を飲み込めるほど拡がっていた。

 でも、なんでかおかしい。中に入っているだけなのに、内部が……気持ちいい? 
 腰が上下に動いてしまう。
 京弥が、ペニスを擦っているせいか!? じゃないと、こんな……。

「ぁ、ぁ、ついっ、あついぃ……うう」

 唸ると、京弥が腰の動きを止めた。ドクンドクンと脈打っているのが尻で感じる。はぁはぁと熱い息が耳元にかかり、ブルリと震えた。

「ぁ、ん。はぁはぁはぁ……ぁ」
「紺ちゃん?」
「……」

 ビクビクと震える俺の身体を京弥は抱きしめた。見ると、俺は腹部に白濁を出していた。それを京弥は指先で触れる。

「紺ちゃん、イっちゃったの?」

 尻がジンジンしている状況で、イった? 俺が?
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