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34.勘違いさがし
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精も気力も色んなモノが一気に出た……。
「……」
気絶してからそれほど時間は経っていないのだろう。カイザがベッタベタに汚れた俺の身体を清拭している最中、意識が浮上した。
だが、目を開けるのも億劫で、目を閉じたままぼんやりとくそ丁寧なその手の動きを感じていた。
全身拭き終えると、彼がどこかに立ち上がり、そしてまた戻って来た。
ひょいと軽々と俺のことをお姫様抱っこで抱き上げると、ベッドに寝かされる。
床でセックスしたので、身体があちこち痛んでいた。ベッドの柔らかな感触は有難い。
このまま寝かせてくれるつもりかと思ったが、カイザは俺の身体を横向きして、まだ閉じきっていない後孔に指を添えた。
その感覚にギクリとし、横を振り向く。
「────おい、まだヤル気なのか!? 俺はもう限界だぞ!!」
身体を拭いてくれていたので、すっかり行為が終わったのだと思った。振り向くと、カイザはまだ全裸だった。
目が合うと、彼は先ほどのような深刻さはなくコクリと子供のような素直な態度で頷いた。
「はい。今日はもうしません」
「……じゃ、このアナルを触っている指はなんだよ?」
今にもクプッと指を突っ込まれそうだと思っていると、その通りで指を挿入される。
「あんっ!!」
変な声が出た。
……あん、てなんだ? 自分の反応がおかし過ぎる。
「中に沢山出したから、このままじゃ腹壊しますよ────……だから、このまま話を聞いていいですか?」
「このままっておい……」
いやいや、腸を指で弄られながら話すって、返答次第じゃまたさっきみたいに快楽責めさせる。
尻孔が人質になった気分だ。当たらず遠からずだろう。
カイザの指がぐるりと掻くように回されると、トロ~と生温かい液体が肛門を濡らす。シーツの上にはバスタオルが敷かれていて、さっき立ち上がったのは片付けとこの準備だったことに気づく。
とろ……とろ……
「っ」
どんなに中に出したんだ。
……まだ中の感覚がおかしい。腸内が麻痺してビクビクしている。
身を縮めるとカイザが話し始めた。
「ダリアさん、俺は貴方に振られて心底悩みました。──記憶が戻ったなら、どうして振られたのか教えてくれませんか?」
「……」
どうして振ったか、か。
身体の全部暴かれた後じゃ、心の内を隠しておくのも今更感が出て馬鹿らしくなってくる。
「……あぁ。俺の方も聞きたいことがある」
「はい、なんでも」
「なんでもか、……そうか」
抱かれて昨日からのイライラが治まった。
今、カイザが落ち着いているのは俺と同じ理由だろう。自分たちの意志はさっきセックスしながら一致した。
セックスする前だったら、ツガイがいることなんて傷つきたくて言いたくないが、今は頑固な気持ちは溶けていた。
「記憶を失う、二週間前の話だ」
「ダリアさんが俺に別れを言った時ですね」
「あぁ。あの時……」
全ての事情を説明し始めた。
ナガレ達がいる部族の里に行ったのはたった一度。砦のような頑丈な門は、ナガレを愛する人間達によって作られたモノだ。
ナガレを守るために里の人間達があの閉鎖空間を作ったと言われる。人間達は外で働くがナガレはあの里から出ない。
その為、一般人はほぼ彼らの存在を知らない。俺達世代の調査団員もだ。勿論、俺も例外じゃない。
調査機関の書簡庫に古い研文を見つけて、それを魔法印刷でコビーした後、家に持ち帰った。
過去のナガレを取り合う混乱と争いの際、ナガレという淫魔系生物の調査した記述があった。
弱い淫魔系魔物は催淫を使い人に寄生する。人間の子供を産み、より自分達の安全を確保していく。
────……閉鎖空間で彼等に育てられた子供たちは相当な洗脳があるだろう。
生まれながらにツガイがあるとするなら、それに対して疑問を持つこともないはずだ。
「確かに生まれながらにツガイが決められています。それが原因?」
それがって、ツガイだろう。
やはりカイザは俺とは感覚が違うのか?
激情する気力がなくてよかったな。じゃなくちゃ殴り飛ばしているぞ。
「里に行った時、ナガレとお前が抱き合っていた。それが一番原因だ」
「抱き合う?」
「俺は第二夫人なんてまっぴらごめんだからな」
横を向いていたままだったから、言いたいことをすべてスッキリ言えた。
彼の反応を待っていると、背中にぬくい感触。ぴっとり引っ付かれている。背中をスリスリと頬擦りしながら、なんだ、よかったと安堵する声を漏らす。
「嫌われていなかった」
「……」
嫌いじゃないが、第二夫人はごめんだというのが聞こえていないのだろうか。
俺の後孔にはまだ指が突っ込まれていて極端な動きは出来ないが、首を後ろに回した。すると、ちゅっと軽くキスをされる。
むっと睨んだ。
「当たり前じゃないですか。ダリアさんだけだよ。ずっと。他なんか見えないから」
「おいおい……お前ツガイいるんだろ?」
「ダリアさん、俺と一番初めの出会い覚えてないでしょ?」
次は俺の番だと言うように、カイザは話を始めた。
とりあえず、太ももに当たる勃起物は……怖いので知らないフリをする。
「……」
気絶してからそれほど時間は経っていないのだろう。カイザがベッタベタに汚れた俺の身体を清拭している最中、意識が浮上した。
だが、目を開けるのも億劫で、目を閉じたままぼんやりとくそ丁寧なその手の動きを感じていた。
全身拭き終えると、彼がどこかに立ち上がり、そしてまた戻って来た。
ひょいと軽々と俺のことをお姫様抱っこで抱き上げると、ベッドに寝かされる。
床でセックスしたので、身体があちこち痛んでいた。ベッドの柔らかな感触は有難い。
このまま寝かせてくれるつもりかと思ったが、カイザは俺の身体を横向きして、まだ閉じきっていない後孔に指を添えた。
その感覚にギクリとし、横を振り向く。
「────おい、まだヤル気なのか!? 俺はもう限界だぞ!!」
身体を拭いてくれていたので、すっかり行為が終わったのだと思った。振り向くと、カイザはまだ全裸だった。
目が合うと、彼は先ほどのような深刻さはなくコクリと子供のような素直な態度で頷いた。
「はい。今日はもうしません」
「……じゃ、このアナルを触っている指はなんだよ?」
今にもクプッと指を突っ込まれそうだと思っていると、その通りで指を挿入される。
「あんっ!!」
変な声が出た。
……あん、てなんだ? 自分の反応がおかし過ぎる。
「中に沢山出したから、このままじゃ腹壊しますよ────……だから、このまま話を聞いていいですか?」
「このままっておい……」
いやいや、腸を指で弄られながら話すって、返答次第じゃまたさっきみたいに快楽責めさせる。
尻孔が人質になった気分だ。当たらず遠からずだろう。
カイザの指がぐるりと掻くように回されると、トロ~と生温かい液体が肛門を濡らす。シーツの上にはバスタオルが敷かれていて、さっき立ち上がったのは片付けとこの準備だったことに気づく。
とろ……とろ……
「っ」
どんなに中に出したんだ。
……まだ中の感覚がおかしい。腸内が麻痺してビクビクしている。
身を縮めるとカイザが話し始めた。
「ダリアさん、俺は貴方に振られて心底悩みました。──記憶が戻ったなら、どうして振られたのか教えてくれませんか?」
「……」
どうして振ったか、か。
身体の全部暴かれた後じゃ、心の内を隠しておくのも今更感が出て馬鹿らしくなってくる。
「……あぁ。俺の方も聞きたいことがある」
「はい、なんでも」
「なんでもか、……そうか」
抱かれて昨日からのイライラが治まった。
今、カイザが落ち着いているのは俺と同じ理由だろう。自分たちの意志はさっきセックスしながら一致した。
セックスする前だったら、ツガイがいることなんて傷つきたくて言いたくないが、今は頑固な気持ちは溶けていた。
「記憶を失う、二週間前の話だ」
「ダリアさんが俺に別れを言った時ですね」
「あぁ。あの時……」
全ての事情を説明し始めた。
ナガレ達がいる部族の里に行ったのはたった一度。砦のような頑丈な門は、ナガレを愛する人間達によって作られたモノだ。
ナガレを守るために里の人間達があの閉鎖空間を作ったと言われる。人間達は外で働くがナガレはあの里から出ない。
その為、一般人はほぼ彼らの存在を知らない。俺達世代の調査団員もだ。勿論、俺も例外じゃない。
調査機関の書簡庫に古い研文を見つけて、それを魔法印刷でコビーした後、家に持ち帰った。
過去のナガレを取り合う混乱と争いの際、ナガレという淫魔系生物の調査した記述があった。
弱い淫魔系魔物は催淫を使い人に寄生する。人間の子供を産み、より自分達の安全を確保していく。
────……閉鎖空間で彼等に育てられた子供たちは相当な洗脳があるだろう。
生まれながらにツガイがあるとするなら、それに対して疑問を持つこともないはずだ。
「確かに生まれながらにツガイが決められています。それが原因?」
それがって、ツガイだろう。
やはりカイザは俺とは感覚が違うのか?
激情する気力がなくてよかったな。じゃなくちゃ殴り飛ばしているぞ。
「里に行った時、ナガレとお前が抱き合っていた。それが一番原因だ」
「抱き合う?」
「俺は第二夫人なんてまっぴらごめんだからな」
横を向いていたままだったから、言いたいことをすべてスッキリ言えた。
彼の反応を待っていると、背中にぬくい感触。ぴっとり引っ付かれている。背中をスリスリと頬擦りしながら、なんだ、よかったと安堵する声を漏らす。
「嫌われていなかった」
「……」
嫌いじゃないが、第二夫人はごめんだというのが聞こえていないのだろうか。
俺の後孔にはまだ指が突っ込まれていて極端な動きは出来ないが、首を後ろに回した。すると、ちゅっと軽くキスをされる。
むっと睨んだ。
「当たり前じゃないですか。ダリアさんだけだよ。ずっと。他なんか見えないから」
「おいおい……お前ツガイいるんだろ?」
「ダリアさん、俺と一番初めの出会い覚えてないでしょ?」
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