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14.すけべぇドジ
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うねうねとした軟体動物の感触にブルリと震える。
「っ!」
気色の悪さが足から伝わる。一瞬で全身鳥肌だ。それと同時にサーと青ざめる。
気色悪い感覚なんぞあと。早く肌から離さないと酷いことになる。
ナメクジモンスター。
こいつの別名は海の淫魔。海のモンスターの繁殖に一躍買っている。
ナメクジの表面はぬめっているが、普段は毒でもなんでもない。ただ、興奮したり、敵とみなしたりすると催淫効果のあるヌメリに変化する。
毎年海水浴客やダイバーが襲われて、溺れている。沿岸部に出没が多くなると討伐しなくてはいけないのはそのためだ。
突然ズボンを脱ぎだした俺を見て驚くカイザだが、勘は鋭い。
「──団長、もしかしてズボンの中にナメクジが?」
「あぁ、早く身から離さないと」
「えぇ、早く」
ズボンを脱ぎ棄てて足を見ると、手のひらサイズのナメクジが這っていた。灰色に黒い縞々模様。
動きが早く、既に太腿まで上がっている。もう少しで下着の中まで入られそうだ。
ヌルヌルとローションのように這った場所が濡れていて、どうやら俺を敵とみなし、ヌメリを多く分泌している。
いち早くカイザはそれを指で摘まんだ。
「おい、素手はマズイだろ!?」
「こいつらは腹足から催淫効果があるヌメリを出します。背中側は触っても大丈夫なんです」
「……詳しいな」
カイザは摘まんだナメクジを元の水槽に戻した。
残り二匹。
「失礼します」
「え?」
カイザがしゃがみ込み、タオルで俺の足を拭き始めた。
そうか、早めにヌメリをとらなくちゃ……。
「じ、自分でやるっての」
「拭き残しがあると大変なので自分がやります」
「いや、しかし」
タオルを奪おうとするが、案外頑固なカイザは離そうとしない。
パンツ一丁のおっさんの足を部下が拭くなんていたたまれない。
「すぐに済みますから」
調査団では色々なモンスターに遭遇することがあるので、こういった事故も稀にある。その時はペアの人間が助けるのが当たり前の決まりになっている。こういう時は、抵抗せず素直に助けてもらった方がその場を早く収拾できる。
真剣な様子に、カイザに任せることにした。
「悪い、頼む」
カイザは几帳面なのか、足首から丁寧に拭いてくれる。その指は骨張って長く、そして太い。働き者の大きい手をしている。
柔らかい手の動き。若干体温が高い手は触れられると気持ちがいい。
モンスターはこの手に懐柔されるのか? それとも彼の持つ雰囲気か、それとも他の何か……?
単純にカイザの生態について考えていただけなのに、黒い頭が真下で動くその様子をじっと見ていると、夢の男を思い出す。
……くそ。なんでもかんでも当てはめるなっての。
ふいっと視線をそらした時、カイザの手が太ももに添われた。
ゾクゾク……する。
「や」
「……?」
しゃがんでいるカイザが顔を上げると、ゆるく勃起しているチンコが下着越しに彼の顔に当たった。
──ひぃい!! ちんこ~!!!
なんで勃っているだ!?
立っている俺としゃがんでいる彼の位置が悪い。丁度、俺の股間の位置だ。
「うわっ、すまん! ひっ」
ふぅっと、鼻息が先端に当たり、ビクついてしまった。
オッサンの勃起したチンコと気持ち悪い反応を見せられて、大層気分が悪いだろう。重ね重ねすまんと謝りながら、腰を引いた。
それに自分はいつまで呆けているのか、まずズボンを履いて部下の前から立ち去らなければ。そう思い、慌ててズボンを履く。
いつもなら確認をするが、カイザから早く反応したものを隠すために焦っていたのだろう。
「………………………………………」
「ズボンの中にいるのですね」
ビクンと身体を竦めた反応で、カイザは分かったのだろう。
眉間に深いシワを寄せて口一文字の不機嫌そうなカイザが俺のズボンを下げた。
「っ!」
気色の悪さが足から伝わる。一瞬で全身鳥肌だ。それと同時にサーと青ざめる。
気色悪い感覚なんぞあと。早く肌から離さないと酷いことになる。
ナメクジモンスター。
こいつの別名は海の淫魔。海のモンスターの繁殖に一躍買っている。
ナメクジの表面はぬめっているが、普段は毒でもなんでもない。ただ、興奮したり、敵とみなしたりすると催淫効果のあるヌメリに変化する。
毎年海水浴客やダイバーが襲われて、溺れている。沿岸部に出没が多くなると討伐しなくてはいけないのはそのためだ。
突然ズボンを脱ぎだした俺を見て驚くカイザだが、勘は鋭い。
「──団長、もしかしてズボンの中にナメクジが?」
「あぁ、早く身から離さないと」
「えぇ、早く」
ズボンを脱ぎ棄てて足を見ると、手のひらサイズのナメクジが這っていた。灰色に黒い縞々模様。
動きが早く、既に太腿まで上がっている。もう少しで下着の中まで入られそうだ。
ヌルヌルとローションのように這った場所が濡れていて、どうやら俺を敵とみなし、ヌメリを多く分泌している。
いち早くカイザはそれを指で摘まんだ。
「おい、素手はマズイだろ!?」
「こいつらは腹足から催淫効果があるヌメリを出します。背中側は触っても大丈夫なんです」
「……詳しいな」
カイザは摘まんだナメクジを元の水槽に戻した。
残り二匹。
「失礼します」
「え?」
カイザがしゃがみ込み、タオルで俺の足を拭き始めた。
そうか、早めにヌメリをとらなくちゃ……。
「じ、自分でやるっての」
「拭き残しがあると大変なので自分がやります」
「いや、しかし」
タオルを奪おうとするが、案外頑固なカイザは離そうとしない。
パンツ一丁のおっさんの足を部下が拭くなんていたたまれない。
「すぐに済みますから」
調査団では色々なモンスターに遭遇することがあるので、こういった事故も稀にある。その時はペアの人間が助けるのが当たり前の決まりになっている。こういう時は、抵抗せず素直に助けてもらった方がその場を早く収拾できる。
真剣な様子に、カイザに任せることにした。
「悪い、頼む」
カイザは几帳面なのか、足首から丁寧に拭いてくれる。その指は骨張って長く、そして太い。働き者の大きい手をしている。
柔らかい手の動き。若干体温が高い手は触れられると気持ちがいい。
モンスターはこの手に懐柔されるのか? それとも彼の持つ雰囲気か、それとも他の何か……?
単純にカイザの生態について考えていただけなのに、黒い頭が真下で動くその様子をじっと見ていると、夢の男を思い出す。
……くそ。なんでもかんでも当てはめるなっての。
ふいっと視線をそらした時、カイザの手が太ももに添われた。
ゾクゾク……する。
「や」
「……?」
しゃがんでいるカイザが顔を上げると、ゆるく勃起しているチンコが下着越しに彼の顔に当たった。
──ひぃい!! ちんこ~!!!
なんで勃っているだ!?
立っている俺としゃがんでいる彼の位置が悪い。丁度、俺の股間の位置だ。
「うわっ、すまん! ひっ」
ふぅっと、鼻息が先端に当たり、ビクついてしまった。
オッサンの勃起したチンコと気持ち悪い反応を見せられて、大層気分が悪いだろう。重ね重ねすまんと謝りながら、腰を引いた。
それに自分はいつまで呆けているのか、まずズボンを履いて部下の前から立ち去らなければ。そう思い、慌ててズボンを履く。
いつもなら確認をするが、カイザから早く反応したものを隠すために焦っていたのだろう。
「………………………………………」
「ズボンの中にいるのですね」
ビクンと身体を竦めた反応で、カイザは分かったのだろう。
眉間に深いシワを寄せて口一文字の不機嫌そうなカイザが俺のズボンを下げた。
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