一番うしろの席にいる奴とは、前世で一生を添い遂げました。

モト

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冬休みはやっぱり短い 3*

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 頬や顎、首筋に彼はぶちゅぶちゅと唇を押し付けながら、自身のシャツを脱いでいく。
 手慣れ感と器用さに感心していると、すぐに筋肉質の分厚い腕に抱きしめられた。人肌の──いや、見知った体温よりずっと熱い。

「千春が裸でベッドに寝ているのに、止めたくない」

 今度は耳朶を甘噛みし始めて、そんなことを言う。

「裸にしたのはそっちだろう」
「いやなんか、無理なんだって。自分のテリトリー領域に千春がいるだけでずっとグッときてて。このまま囲いたくなる」

「囲い⁉️ っ、は、ふっん」

 翔真が首筋にフンフン荒い息を吹きかけながら首筋を舐め始める。あまりのくすぐったさに首を竦めていると、でかい手が俺の脇腹を撫でてきた。

「ふっ、く……はっふ、くっ、くすぐった……うぅん」

 耳からゆっくり彼の唇が近付いて来て、キスされた。軽いキスじゃなくて初めから舌を挿入した深いキス。

 はぁっと彼の吐息まで熱いなんて思っていると、にゅるにゅるな分厚い舌に口の中全体を舐めとられた。
 ゆっくりじゃなくて激しくて、唇は離れず角度を変えて迫ってくるばかり。
 あっという間に息が出来なくなって、自分の息も彼同様荒くなっていく。

 下顎、喉奥まで入ってくるその舌に身体をビクンと震わせると、彼の動きが止まった。
 すると、口腔内を蹂躙していた舌がゆっくりな動きに変わり、ヨシヨシと彼の左手が俺の頭を撫でてくる。
 遊ぶような軽い触れ合うキスも間に混ざり、俺に気遣ってくれているかのよう。

 身体が強張るとキスも軽めになり、身体が解れるとまたキスが深くなる。
 自分の反応に合わされたキスに、思考がとろ、とろ……と蕩かされていくようだ。

 腹に置かれた手が移動して胸元を撫で始めたのには気づいていたけど、されるがまま愛撫を甘受する。

「ふぅ……はぁ、ん」

 気候やら刺激やら色々な要因で小ぶりな乳首は尖っていて、胸元を撫でる手のひらで擦れる。その淡い刺激がキスと一緒だと徐々に敏感になっていく。
 腰に甘い疼きを感じていると、彼が親指と人差し指で軽くきゅっと乳首を摘まんだ。

「あんっ、あ」
 
 大きな身体にのしかかられながら、小さく痙攣する。すると、唇が離れて翔真が俺の顔をデレッとしただらしない表情で見つめてくるから、眉間のシワが寄る。

「手加減してくれ」
「勿論です」
「……」

 即答にさらに眉間のシワが深まる。
 やる気満々。ウキウキしている彼を見つめて、口を尖らせながら言う。

「一言文句言いたくなるな。けどまぁ、文句それは置いておいて。あの──……そのだな、えぇっと、……アレはある?」
「何?」

「だからその、アレの話だよ。──翔真のことなら抜かりないと思うけど。……なければ、俺の財布の中に──ゴムが入っているから、……使って」

 俺は顔に熱が籠っていくのを感じながら、床に置いている鞄を指さした。

 初めてこの家に誘われた時は持っていなかったけれど、その後薬局でこっそり買ったのだ。財布の中に入れっぱなしにして今日の今まで忘れていた。


 羞恥心を堪えてそう言ったのに、翔真は「え?」と目を見開く。そして勢いよくその上体を起こした。

 俺が恥ずかしいのに、何故か翔真の顔が真っ赤になる。目が合うと、パッと両手で顔を押さえた。
 どうしたのかと聞こうとした瞬間、彼が雄叫びを上げる。

「ああぁあ~っ──くっ、う。マジかやばい! しよって言ったのは、手で擦り合うだけのつもりだったんだけど。え、準備って。あの千春が? 俺の為に? ──萌え死ぬ! 今、千春見たら俺の心臓が爆発する! はぁはぁはぁ、嘘だろ、千春が……⁉」

 突然、翔真が悶絶し始めた。
 だが、キャラ崩壊しまくっているその言葉に「え?」と首を傾げる。

「ちょ……、え? 擦り合いだけってこと? 入れないの?」

「……入れるとか、入れないとか……千春の口から……」


 今、俺が何を言っても翔真のツボに入ってしまうのか、はあはあと呼吸困難に陥っている。疑問を通り過ぎてその様子に呆れていると、はぁあ~っと翔真は大きく長い息を吐き、ズボンを脱いだ。

 途端に元気な性器が現れる。それは血管が浮き出て、反り返って相変わらず凄まじい形をしていた。
 同じものが付いているのに、翔真に対しては格好いいとか思うから不思議だ。

 ただ、デカい。横にも縦にも。

 あれ、こんなにデカかったっけ……。

は入れない。慣らしても多分痛いだろうから。千春小っちゃいし」
「……お、おう。そうだな……」

 小っちゃいと言われても、今だけは素直に頷いた。
 マジマジと怒張する性器を見てから顔を見上げたら、またぬっと大きい身体が俺に覆いかぶさってきて、ぎゅうぎゅうと強く抱きしめられる。

 あまりの力強さに喉がぐえっと押し潰されて、弱めてほしいと大きな背中をポンポン叩いた。

 腕の力はやや弱めてくれるけど、彼の興奮はまだまだ急上昇中のようで、荒いキスのままぶちゅぶちゅと顔中にキスを降らされる。

(でも、まぁ……本番なしか)

 そう思うと身体の力が脱力するように抜けていく。
 唇へのキスを受け入れ、厚い舌の感触にうっとりしていると……

「嬉しくしてもらったお礼に、とっておきに気持ちよくしてやるよ」
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