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「一緒に出そう」
「えっ、やっぱり、そういうこと⁉ 翔真って性欲が……ひゃっ」
翔真が俺の返事を聞かず、そのデカい手で二本まとめて包んだのだ。
熱さと硬さ、皮膚感とか諸々、生々しい。
「……やばいかも」
「気持ち悪いか?」
「いや、違うけど。……これ、なんかすごいエッチ」
ドクドクしている脈はどちらの性器からなのか、それとも両方? それに、カリの大きさも色も全然違う。
視界のエッチさにドキドキしていると、翔真が「そうか、よかった」と微かに息を吐いて、肉棒を掴んだ手を動かし始めた。
引っ付いているだけでも熱が伝道して、ぞくぞくしていたけど、でっかい手で扱く快感ときたらそれはもう強烈だった。
「うぁっ、ぁ……あっ、あ、やば」
まずはゆっくり。それが、徐々に早く、強くなっていく。
自慰なんかじゃ比べ物にならないくらい気持ちよくて、手の動きから目が離せない。
互いの性器の先端から丸い透明の液体が出ている。つぅっと溢れたそれは互いの性器に塗り込まれる。
「あ、ん、ん……、これ、エッチ、……エッチすぎる……」
「あぁ、凄いな」
百戦錬磨の翔真も刺激に興奮してきたのか、その先端から先走りが溢れて、動く手からぬちゃぬちゃと濡れた音がする。
「しょ、翔真っ、あっあっ、初心者に、は、もう……」
「いいよ。出して」
なんて──低くていい声なんだ。
耳元で囁かれると、ゾクリと背筋に快感めいた刺激が走り、「あん」と言いながら射精してしまう。
白濁は翔真の手が受け取った。ようやく彼が俺の性器から手を離した。
「はぁはぁ……」
翔真の肩に額を乗っけて、呆然と視界に映るものを眺める。彼の指の隙間からはとろみのある白い液体が見えた。翔真はその手を拭うでもなく、自身の性器を擦り始める。
太い幹に浮き出た血管、上下する手、はぁはぁと荒い息。濡れた音。
それらを見ていると、背中がぞくぞくする。
やっぱりエッチ過ぎると、視線を横にずらした時、翔真の視線が至近距離でぶつかった。
「……っ」
情欲に濡れた雄々しい色気。学校で見る彼とは別人だ。初めて見るそんな彼の表情に驚いて、目が離せない。
「千春」
彼の眉間にシワが寄った時、ぎゅっと抱きしめられた。彼の背中がぶるりと大きく震えて俺の腹に生温かい感触を感じた。
◇
浴室で互いに精を出し合った後、俺だけ湯船に入った。
「俺は先に出るけど、千春はしっかり湯船に浸かってくれ」
「──……お、おう。い、や、……なんか悪いな?」
「家庭の一般的な風呂に男二人は狭すぎるって」
なんてことを言いながら翔真は先に浴室を出る。俺は言われた通り肩まで湯に浸かって、いつもよりもずっと長湯した。
浴室のドアを開いたとき、そういえば翔真に部屋を案内していなかったことに気づく。
急いで服を着て脱衣所から出たら、そのすぐ廊下に翔真が壁を背に突っ立っていた。そりゃそうだ、初めて来た家でうろつくなんて普通はしないだろう。
長湯したので結構待たせてしまった。
「す、すみません。家の中を案内するの忘れておりました」
思わず、敬語を使ってしまう。
彼がなんで敬語かと苦笑いしながら、俺の首にかけているタオルに手を伸ばした。
「雫が零れているぞ。怒らないし待ってやるのに」
濡れたままの髪の毛を彼がタオルで拭いてくれる。ガシガシと力強い動きではなくて丁寧な動き。
(おぉ、そのように丁寧に拭かれるとどうしたものか……)
翔真は体育会系なのに触り方が美容師みたいだ。いや、それは体育会系に失礼だ、なんて思っていると、脱衣所にまた戻された。
「千春って雑だよな。俺がドライヤーで乾かしてやるよ」
てさ、ドライヤーで丁寧に乾かしてくれたんだ。
「どうも、ありがとうございます」
「いやなんの」
洗面台の鏡に映る翔真の表情は、なんというかだらしない……? そんな感じの上機嫌な顔をしている。
ふわっとした出来上がりにさらにご満悦なご様子で、ドライヤーのコードを抜いて片付け始める。
胸がざわざわと騒ぐような感覚に眉間にシワを寄せながら、脱衣所を出て案内する。
リビング、トイレ、廊下、階段、他の部屋は開けないでと言いながら、自分の部屋に彼を招く。
彼はすぅっと息を吸い込んだ。筋肉で盛り上がった胸が膨らむ。LLサイズでもちょっと小さかった様子だ。胸がいつもよりパツパツしている。
「千春の匂いだ」だなんて言うから、臭いのかと思い消臭スプレーを持った。
その手は掴まれて、止められるから何故かと聞くと、俺の消臭スプレーの匂いが嫌いなんだそう。金木犀の香り。
なるほど、この匂いはトイレを連想させる奴もいるからな、と納得しながら、スプレーを吹くのを止めた。客用布団を横の部屋の押し入れから持ってくると、翔真も手伝ってくれる。
時刻はすっかり0時を超えていたため、大して雑談することなく翔真は布団、俺はベッドで横になった。
「……………………………………」
──────え。
二時間遅れて、いや、実のところ、寝静まるこのタイミングまで“ええぇぇぇえ”の衝撃を我慢していたのだ。
目を閉じると──フラッシュバックするあれやこれ。
逞しい腕、盛り上がった肩、厚い胸板、二本の肉棒、上下するデカい手、濡れた音、肩にかかる吐息。
『千春……』
真っすぐ俺を見つめる翔真の情欲に濡れた瞳。
ドッと今更ながら急に心臓が激しくなる。胸元をぎゅっと両手で握りしめる。
(え……、え……、なにこれなにこれ……ドキドキする)
くるりと横を向いて、瞼を閉じている翔真を眺める。高い鼻、黒い髪の毛、黒いまつ毛、寝顔だからさっきみたいな厭らしくはないというのに──胸の動悸が治まらない。
それどころか、ますますドキドキが激しくなる。
「──────え」
「えっ、やっぱり、そういうこと⁉ 翔真って性欲が……ひゃっ」
翔真が俺の返事を聞かず、そのデカい手で二本まとめて包んだのだ。
熱さと硬さ、皮膚感とか諸々、生々しい。
「……やばいかも」
「気持ち悪いか?」
「いや、違うけど。……これ、なんかすごいエッチ」
ドクドクしている脈はどちらの性器からなのか、それとも両方? それに、カリの大きさも色も全然違う。
視界のエッチさにドキドキしていると、翔真が「そうか、よかった」と微かに息を吐いて、肉棒を掴んだ手を動かし始めた。
引っ付いているだけでも熱が伝道して、ぞくぞくしていたけど、でっかい手で扱く快感ときたらそれはもう強烈だった。
「うぁっ、ぁ……あっ、あ、やば」
まずはゆっくり。それが、徐々に早く、強くなっていく。
自慰なんかじゃ比べ物にならないくらい気持ちよくて、手の動きから目が離せない。
互いの性器の先端から丸い透明の液体が出ている。つぅっと溢れたそれは互いの性器に塗り込まれる。
「あ、ん、ん……、これ、エッチ、……エッチすぎる……」
「あぁ、凄いな」
百戦錬磨の翔真も刺激に興奮してきたのか、その先端から先走りが溢れて、動く手からぬちゃぬちゃと濡れた音がする。
「しょ、翔真っ、あっあっ、初心者に、は、もう……」
「いいよ。出して」
なんて──低くていい声なんだ。
耳元で囁かれると、ゾクリと背筋に快感めいた刺激が走り、「あん」と言いながら射精してしまう。
白濁は翔真の手が受け取った。ようやく彼が俺の性器から手を離した。
「はぁはぁ……」
翔真の肩に額を乗っけて、呆然と視界に映るものを眺める。彼の指の隙間からはとろみのある白い液体が見えた。翔真はその手を拭うでもなく、自身の性器を擦り始める。
太い幹に浮き出た血管、上下する手、はぁはぁと荒い息。濡れた音。
それらを見ていると、背中がぞくぞくする。
やっぱりエッチ過ぎると、視線を横にずらした時、翔真の視線が至近距離でぶつかった。
「……っ」
情欲に濡れた雄々しい色気。学校で見る彼とは別人だ。初めて見るそんな彼の表情に驚いて、目が離せない。
「千春」
彼の眉間にシワが寄った時、ぎゅっと抱きしめられた。彼の背中がぶるりと大きく震えて俺の腹に生温かい感触を感じた。
◇
浴室で互いに精を出し合った後、俺だけ湯船に入った。
「俺は先に出るけど、千春はしっかり湯船に浸かってくれ」
「──……お、おう。い、や、……なんか悪いな?」
「家庭の一般的な風呂に男二人は狭すぎるって」
なんてことを言いながら翔真は先に浴室を出る。俺は言われた通り肩まで湯に浸かって、いつもよりもずっと長湯した。
浴室のドアを開いたとき、そういえば翔真に部屋を案内していなかったことに気づく。
急いで服を着て脱衣所から出たら、そのすぐ廊下に翔真が壁を背に突っ立っていた。そりゃそうだ、初めて来た家でうろつくなんて普通はしないだろう。
長湯したので結構待たせてしまった。
「す、すみません。家の中を案内するの忘れておりました」
思わず、敬語を使ってしまう。
彼がなんで敬語かと苦笑いしながら、俺の首にかけているタオルに手を伸ばした。
「雫が零れているぞ。怒らないし待ってやるのに」
濡れたままの髪の毛を彼がタオルで拭いてくれる。ガシガシと力強い動きではなくて丁寧な動き。
(おぉ、そのように丁寧に拭かれるとどうしたものか……)
翔真は体育会系なのに触り方が美容師みたいだ。いや、それは体育会系に失礼だ、なんて思っていると、脱衣所にまた戻された。
「千春って雑だよな。俺がドライヤーで乾かしてやるよ」
てさ、ドライヤーで丁寧に乾かしてくれたんだ。
「どうも、ありがとうございます」
「いやなんの」
洗面台の鏡に映る翔真の表情は、なんというかだらしない……? そんな感じの上機嫌な顔をしている。
ふわっとした出来上がりにさらにご満悦なご様子で、ドライヤーのコードを抜いて片付け始める。
胸がざわざわと騒ぐような感覚に眉間にシワを寄せながら、脱衣所を出て案内する。
リビング、トイレ、廊下、階段、他の部屋は開けないでと言いながら、自分の部屋に彼を招く。
彼はすぅっと息を吸い込んだ。筋肉で盛り上がった胸が膨らむ。LLサイズでもちょっと小さかった様子だ。胸がいつもよりパツパツしている。
「千春の匂いだ」だなんて言うから、臭いのかと思い消臭スプレーを持った。
その手は掴まれて、止められるから何故かと聞くと、俺の消臭スプレーの匂いが嫌いなんだそう。金木犀の香り。
なるほど、この匂いはトイレを連想させる奴もいるからな、と納得しながら、スプレーを吹くのを止めた。客用布団を横の部屋の押し入れから持ってくると、翔真も手伝ってくれる。
時刻はすっかり0時を超えていたため、大して雑談することなく翔真は布団、俺はベッドで横になった。
「……………………………………」
──────え。
二時間遅れて、いや、実のところ、寝静まるこのタイミングまで“ええぇぇぇえ”の衝撃を我慢していたのだ。
目を閉じると──フラッシュバックするあれやこれ。
逞しい腕、盛り上がった肩、厚い胸板、二本の肉棒、上下するデカい手、濡れた音、肩にかかる吐息。
『千春……』
真っすぐ俺を見つめる翔真の情欲に濡れた瞳。
ドッと今更ながら急に心臓が激しくなる。胸元をぎゅっと両手で握りしめる。
(え……、え……、なにこれなにこれ……ドキドキする)
くるりと横を向いて、瞼を閉じている翔真を眺める。高い鼻、黒い髪の毛、黒いまつ毛、寝顔だからさっきみたいな厭らしくはないというのに──胸の動悸が治まらない。
それどころか、ますますドキドキが激しくなる。
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