30 / 43
28話 ジプラレア遺跡3
しおりを挟む
コツン、コツンと足音が響く。
空気が凍りついたかのような悪寒を覚えながらも振り返ると、そこには真っ黒なフードを深く被った怪しげな人物がこちらに近づいてきた。
「それは練魂石と言って、近くの生き物から生命エネルギーを吸収する性質を持っているの。適切に扱えば莫大なエネルギー源として活用できるらしいけれど、あまりおすすめしないわ」
「――――ッッ!?」
その人物は果たして敵なのか味方なのか。
言葉を聞く限りでは、ただ自分達に助言をくれただけに思えるが……
(……この人、只者じゃない。これ以上近づかせるのは危険だ)
クロムが反射的に妖刀の柄に手を伸ばすと、それを察知したのか謎の人物はその場で足を止めた。
そしてクロムは問う。
「あなたは一体……?」
「ふふっ、それはそっちの子がよく知っているはずよ?」
「えっ……?」
脳に直接届くような不思議な声色に思考をかき乱されそうになりながらも、隣に立つルフランに目を向けた。
すると彼女は何か信じがたいものを目にしたように震え、硬直している。
額には汗が滲んでおり、明らかに普通の状態ではないのがわかる。
「る、ルフラン?」
不安になり、彼女の名を呼んでみた。
返事はない。しかし彼女の震えはおさまった。
そして杖を握る手を強め、今まで見たことのないような表情で謎の人物を睨みつけた。
次の瞬間、彼女の杖先が前方へ向けられる。
「――起爆!!」
「ちょっ――」
あまりに唐突な魔法の発動。
謎の人物を中心に激しい大爆発が発生した。
ルフランは激しく息を吐きながら煙を睨み続けている。
相当激しい爆発だったが、どうやらここの作りは頑丈らしく、崩れ落ちることもなかった。
あの威力の爆発をモロに受けて無事であるとは思えなかったが、もし生き残っていたとしたらこちらから攻撃を仕掛けてしまった以上、この先の衝突は避けられないだろう。
クロムはすぐさま妖刀を抜き、あらゆる攻撃に備えた。
しばらくして煙が晴れてきた。そして、
「――いきなり攻撃してくるなんて、随分野蛮に成長したのね、ルフラン」
「フェルマッ!!」
「ええっ!?」
(フェルマって確かルフランの双子のお姉さんだったよね? どうしてこんなところに――)
「ずっと会いたかったわ……覚悟はできているんでしょうね?」
「覚悟? 一体何の覚悟かしら」
「エクリクシスッッ!!」
フェルマがルフランを挑発すると、彼女は瞬く間に激情に支配され、連続して爆破魔法を解き放つ。
彼女の怒りを体現するほどの大爆破により、凄まじい衝撃が襲い掛かってきた。
落ち着いて、と言いたいが、この状況では声などかき消されて届かないだろう。
「はぁ、はぁっ! ほら。さっさと出てきなさい。こんなのでアナタが倒れるわけないでしょうっ!!」
「――ええ。未熟なあなたに相応しい、そよ風のような魔法ね」
「くっ、後ろに――」
「悪いけどあなたに興味はないの。わたしが気になるのはあなたじゃなくて――そう。君よ」
「ルフランから離れ――ぐっ……」
フェルマは瞬時にしてルフランの後ろに回り込み、その首筋に手を添えた。
これはマズい、と判断したクロムは即座に飛び出し、フェルマに斬りかかる。
しかし彼女がすっと手を伸ばすと、その先に氷の壁が生み出されて刀が弾かれた。
相当な力を込めたはずなのに、ヒビの一つも入らない。
「バカにするのも大概にしなさいッ! 火焔を導く者!」
ルフランは地上での戦闘で用いた炎を身に纏う魔法を用いて、強引にフェルマの手を振り払った。
そしてすぐさま炎蛇龍による追撃を仕掛けた。
空を這い、燃え盛るその身をもって焼き尽くさんと進撃する。
「炎属性の上級魔法――つまらない魔法ね」
彼女がそう吐き捨てると、瞬く間に炎の蛇たちが蒼く凍てつき、砕け散った。
そして今度は逆にその経路を侵食するように蒼き魔の手が伸びる。
「エクリクシス!」
その危険性を察知したルフランは即座に固有魔法を以ってそれを振り払う。
その後、クロムがその間に割り込んでフェルマに斬りかかろうとすると、
「――手を出さないで、クロム。これはあたしの戦い。あたし自身で決着をつけないといけない相手なの」
「でも……」
「いいから黙って見ていて。あたしの復讐の邪魔をしないで」
「…………」
クロムは肯定も否定もしなかった。
ルフランが望むのならば、なるべくはフェルマとの一対一を邪魔したくない。
しかしもしルフランの身に危険が及ぶのであれば、黙って見ていることなどできるはずもない。
だからこそ、クロムはルフランの勝利を願いつつもいつでも割り込むことができるように戦いから決して目を逸らさないと決めた。
それからの戦闘は、あまりに一方的だった。
ルフランによる苛烈な攻めは反撃どころか移動すら満足に行えないほどの勢いであり、常人の身では肉片すら残らないほどの連続爆破で二人の姿が埋め尽くされていく。
常に攻撃を仕掛けていたのはルフランであり、フェルマは自ら攻めようとはせず、受けや反撃のみに徹していた。
これならもしかするといけるのかもしれない。そんな希望が見えるほど、フェルマを段々と追い詰めているのがわかる。
そして――
「終わりよ!」
逃げ場を塞ぐ爆炎の檻にフェルマを閉じ込め、渾身の一撃を叩き込まんと杖を握る手に力が籠る。
これで全ての魔力を使い切っても良い。
その覚悟を持って最高威力の魔法を作り出す。
だが、そんな状況に陥ったにも関わらず、フェルマは全くと言っていいほど動揺していなかった。
「エクリクシ――」
「氷華の大地獄」
「――――ッ!」
世界が停止した。
音も、空気も、光さえも。
全てを失った無の世界。
その創造者を除くすべてが凍り付いた。
「……これで、満足したかしら」
そして再び時は動き出す。
気が付くとあたり一面が氷晶の花で埋め尽くされていた。
いや、周囲だけではない。クロムとルフラン、二人の体にも氷の花が絡み付き、徐々に侵食が進んでいた。
(まずい――感覚が!)
足の感覚は既にほとんど失われている。
侵食は下半身からやがて上半身へ。
このままでは――
「ふぇる、ま……」
一方で、ルフランはクロム以上に悲惨な状況だった。
もはや顔以外の全てが氷華に覆い尽くされており、それさえももう間もなく失われようとしている。
「かえ、して……あたしの、大切な、みん、な……おねがい……おね――」
「く、そっ!!」
クロムは辛うじて感覚が残る右手に握られた妖刀に呼び掛け、その力を引き出さんと試みる。
淡く噴き出る紫色の煙。それはすぐさまクロムの肉体に絡み付き、彼の体を紫に輝かせた。
肉体を強化し、妖力を纏い、この氷華の地獄を破壊する。
その一心で力を籠める。
そして、
「――はあああっ!!」
響く雄叫び。それと共にクロムに絡み付いていた氷華たちが一斉に砕け散った。
フェルマの魔法を打ち破ったのだ。
身体が正常に動くことを確認したクロムは、無言でその刃をフェルマへと向けた。
「――ふふ。期待以上ね。あなたは」
「……ルフランを、返してもらいますよ」
「わたしと戦うつもり? やめておいたほうが良いわ。目的はもう達成した。わたしは今、あなたと争う気はないの」
「――こう見えて僕、結構怒っているんですよ。手加減は出来ないと思います」
それは実の妹を手にかけたフェルマへの怒りだけではない。
いざとなれば彼女を護ると決めたはずなのに、それを果たせなかった自分への怒り。
己の甘さが招いたこの状況に責任を取らなければ。
「――仕方がないわね」
フェルマはクロムに向かってゆっくりと手を伸ばした。
空気が凍りついたかのような悪寒を覚えながらも振り返ると、そこには真っ黒なフードを深く被った怪しげな人物がこちらに近づいてきた。
「それは練魂石と言って、近くの生き物から生命エネルギーを吸収する性質を持っているの。適切に扱えば莫大なエネルギー源として活用できるらしいけれど、あまりおすすめしないわ」
「――――ッッ!?」
その人物は果たして敵なのか味方なのか。
言葉を聞く限りでは、ただ自分達に助言をくれただけに思えるが……
(……この人、只者じゃない。これ以上近づかせるのは危険だ)
クロムが反射的に妖刀の柄に手を伸ばすと、それを察知したのか謎の人物はその場で足を止めた。
そしてクロムは問う。
「あなたは一体……?」
「ふふっ、それはそっちの子がよく知っているはずよ?」
「えっ……?」
脳に直接届くような不思議な声色に思考をかき乱されそうになりながらも、隣に立つルフランに目を向けた。
すると彼女は何か信じがたいものを目にしたように震え、硬直している。
額には汗が滲んでおり、明らかに普通の状態ではないのがわかる。
「る、ルフラン?」
不安になり、彼女の名を呼んでみた。
返事はない。しかし彼女の震えはおさまった。
そして杖を握る手を強め、今まで見たことのないような表情で謎の人物を睨みつけた。
次の瞬間、彼女の杖先が前方へ向けられる。
「――起爆!!」
「ちょっ――」
あまりに唐突な魔法の発動。
謎の人物を中心に激しい大爆発が発生した。
ルフランは激しく息を吐きながら煙を睨み続けている。
相当激しい爆発だったが、どうやらここの作りは頑丈らしく、崩れ落ちることもなかった。
あの威力の爆発をモロに受けて無事であるとは思えなかったが、もし生き残っていたとしたらこちらから攻撃を仕掛けてしまった以上、この先の衝突は避けられないだろう。
クロムはすぐさま妖刀を抜き、あらゆる攻撃に備えた。
しばらくして煙が晴れてきた。そして、
「――いきなり攻撃してくるなんて、随分野蛮に成長したのね、ルフラン」
「フェルマッ!!」
「ええっ!?」
(フェルマって確かルフランの双子のお姉さんだったよね? どうしてこんなところに――)
「ずっと会いたかったわ……覚悟はできているんでしょうね?」
「覚悟? 一体何の覚悟かしら」
「エクリクシスッッ!!」
フェルマがルフランを挑発すると、彼女は瞬く間に激情に支配され、連続して爆破魔法を解き放つ。
彼女の怒りを体現するほどの大爆破により、凄まじい衝撃が襲い掛かってきた。
落ち着いて、と言いたいが、この状況では声などかき消されて届かないだろう。
「はぁ、はぁっ! ほら。さっさと出てきなさい。こんなのでアナタが倒れるわけないでしょうっ!!」
「――ええ。未熟なあなたに相応しい、そよ風のような魔法ね」
「くっ、後ろに――」
「悪いけどあなたに興味はないの。わたしが気になるのはあなたじゃなくて――そう。君よ」
「ルフランから離れ――ぐっ……」
フェルマは瞬時にしてルフランの後ろに回り込み、その首筋に手を添えた。
これはマズい、と判断したクロムは即座に飛び出し、フェルマに斬りかかる。
しかし彼女がすっと手を伸ばすと、その先に氷の壁が生み出されて刀が弾かれた。
相当な力を込めたはずなのに、ヒビの一つも入らない。
「バカにするのも大概にしなさいッ! 火焔を導く者!」
ルフランは地上での戦闘で用いた炎を身に纏う魔法を用いて、強引にフェルマの手を振り払った。
そしてすぐさま炎蛇龍による追撃を仕掛けた。
空を這い、燃え盛るその身をもって焼き尽くさんと進撃する。
「炎属性の上級魔法――つまらない魔法ね」
彼女がそう吐き捨てると、瞬く間に炎の蛇たちが蒼く凍てつき、砕け散った。
そして今度は逆にその経路を侵食するように蒼き魔の手が伸びる。
「エクリクシス!」
その危険性を察知したルフランは即座に固有魔法を以ってそれを振り払う。
その後、クロムがその間に割り込んでフェルマに斬りかかろうとすると、
「――手を出さないで、クロム。これはあたしの戦い。あたし自身で決着をつけないといけない相手なの」
「でも……」
「いいから黙って見ていて。あたしの復讐の邪魔をしないで」
「…………」
クロムは肯定も否定もしなかった。
ルフランが望むのならば、なるべくはフェルマとの一対一を邪魔したくない。
しかしもしルフランの身に危険が及ぶのであれば、黙って見ていることなどできるはずもない。
だからこそ、クロムはルフランの勝利を願いつつもいつでも割り込むことができるように戦いから決して目を逸らさないと決めた。
それからの戦闘は、あまりに一方的だった。
ルフランによる苛烈な攻めは反撃どころか移動すら満足に行えないほどの勢いであり、常人の身では肉片すら残らないほどの連続爆破で二人の姿が埋め尽くされていく。
常に攻撃を仕掛けていたのはルフランであり、フェルマは自ら攻めようとはせず、受けや反撃のみに徹していた。
これならもしかするといけるのかもしれない。そんな希望が見えるほど、フェルマを段々と追い詰めているのがわかる。
そして――
「終わりよ!」
逃げ場を塞ぐ爆炎の檻にフェルマを閉じ込め、渾身の一撃を叩き込まんと杖を握る手に力が籠る。
これで全ての魔力を使い切っても良い。
その覚悟を持って最高威力の魔法を作り出す。
だが、そんな状況に陥ったにも関わらず、フェルマは全くと言っていいほど動揺していなかった。
「エクリクシ――」
「氷華の大地獄」
「――――ッ!」
世界が停止した。
音も、空気も、光さえも。
全てを失った無の世界。
その創造者を除くすべてが凍り付いた。
「……これで、満足したかしら」
そして再び時は動き出す。
気が付くとあたり一面が氷晶の花で埋め尽くされていた。
いや、周囲だけではない。クロムとルフラン、二人の体にも氷の花が絡み付き、徐々に侵食が進んでいた。
(まずい――感覚が!)
足の感覚は既にほとんど失われている。
侵食は下半身からやがて上半身へ。
このままでは――
「ふぇる、ま……」
一方で、ルフランはクロム以上に悲惨な状況だった。
もはや顔以外の全てが氷華に覆い尽くされており、それさえももう間もなく失われようとしている。
「かえ、して……あたしの、大切な、みん、な……おねがい……おね――」
「く、そっ!!」
クロムは辛うじて感覚が残る右手に握られた妖刀に呼び掛け、その力を引き出さんと試みる。
淡く噴き出る紫色の煙。それはすぐさまクロムの肉体に絡み付き、彼の体を紫に輝かせた。
肉体を強化し、妖力を纏い、この氷華の地獄を破壊する。
その一心で力を籠める。
そして、
「――はあああっ!!」
響く雄叫び。それと共にクロムに絡み付いていた氷華たちが一斉に砕け散った。
フェルマの魔法を打ち破ったのだ。
身体が正常に動くことを確認したクロムは、無言でその刃をフェルマへと向けた。
「――ふふ。期待以上ね。あなたは」
「……ルフランを、返してもらいますよ」
「わたしと戦うつもり? やめておいたほうが良いわ。目的はもう達成した。わたしは今、あなたと争う気はないの」
「――こう見えて僕、結構怒っているんですよ。手加減は出来ないと思います」
それは実の妹を手にかけたフェルマへの怒りだけではない。
いざとなれば彼女を護ると決めたはずなのに、それを果たせなかった自分への怒り。
己の甘さが招いたこの状況に責任を取らなければ。
「――仕方がないわね」
フェルマはクロムに向かってゆっくりと手を伸ばした。
48
お気に入りに追加
310
あなたにおすすめの小説

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!
克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。
アルファポリスオンリー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる