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25話 並び立つ決意
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木々に隠れた虫たちの輪唱が響く夜の世界。
黒く塗りつぶされた空を照らす星々は、ひっそりと己の限界を超えんとあがく一人の少女を見守っていた。
「はぁ、はぁ……ダメ、こんなのじゃ足りないわ……」
もっと速く、もっと強く。
正確に狙った場所を抉り取る。
彼女が欲しているのは、自信をもって彼の隣で戦える魔法。
今の自分では力不足だ。
このままではいつか私は置いて行かれる。
彼ははるか遠くへ行ってしまう。
「げほっ、げほっ……まだよ。まだ――」
何度も繰り返し魔法を打ち続けた彼女の体は悲鳴を上げている。
しかしこの程度で手を休めることはない。
限界を超えてこそ真の成長につながるのだ。
再び彼女は凛と立ち、杖を構える。
「もう一度……エクリ――――あっ……」
詠唱の途中で突如として体から力が抜け、膝が折れてしまう。
このままじゃ倒れる。力を籠めなきゃ。
そう思っても、体が言うことを聞かない。
もうだめだ――そう思った次の瞬間、彼女の体は何者かに受け止められた。
「よっと。大丈夫かな? 時には自分を追い込むことも大事だけど、頑張りすぎは体に毒だよ。ルフランちゃん」
「えっ……あなたは――」
「とりあえず立てる? 無理そうならちょっと移動するけど」
「い、いえ。大丈夫です。ありがとうございます」
ルフランは飛びかけた意識を再び繋ぎ止め、少し震える足に無理矢理力を入れて立ち上がる。
振り返るとそこには長く美しい金髪を夜風に靡かせるエルフの女性が立っていた。
「エルミアさん。どうしてこんなところに……」
「ちょっとね。ルフランちゃんの様子が気になって見に来ちゃった。修行、上手くいってないんでしょう?」
「……はい」
どうやら先ほどまでルフランが行っていた修業の様子は彼女に見られていたようだった。
そう。ルフランは今、己の成長速度の遅さに悩んでいた。
世間的に見れば若くしてBランク冒険者になった固有魔法を扱う天才少女。
しかし彼女は現状に対して全く満足しておらず、むしろ自身の力不足に嘆くほどだった。
「強くなりたいって気持ちは私にも分かるよ。でもね、ただがむしゃらに突き進むだけだといつかきっと大きな壁に当たるんだ。ずっと見てたわけじゃないけど、ルフランちゃんにとって今がまさにその時なんじゃないかな?」
「…………」
「……クロムくんでしょ。ルフランちゃんが焦っている原因」
「そ、それは……」
「やっぱりね。そんな気がしてた。クロムくんはとっても強いし、凄い勢いで成長してるから」
図星だった。
自分より2歳も年下なのに、明らかに格上の魔物にも臆さず挑んで、戦いながら成長し、遂には打ち倒してしまう。
そんなの、まるで物語に出てくる英雄のようではないか。
それに対して自分はなんだ。
最初こそお互いにカバーしあって、足りないところを補いながら戦っていたが、だんだんとクロムという強者をサポートする事にだけ力を注ぐようになっていった。
自慢の爆破魔法は強敵には全く通じず、せいぜい目くらましにしか使えない。
自分一人ではあの紅炎竜もミスリルゴーレムにも絶対に勝てなかった。
(でも、クロムならきっと、あたしがいなくても勝ってたはず)
もちろんルフランとてまったく活躍しなかったわけではない。
クロムが一人で彼らに挑んでいたら、もっと苦戦していたに違いない。
だが、どれだけ時間をかけてもクロムなら決して倒れることなく挑み続け、最後にはきっと倒してしまうだろう。
それにクロムはどうやら最近、ギルドマスターに直接稽古をつけてもらっているらしい。
ただでさえ強いのに、このままではあっという間に置いて行かれてしまう。
それに――
(クロムはいつかきっと、とんでもない無茶をする。その時に震えて見てるだけ、なんてことはしたくない。対等に肩を並べて戦ってこそ、胸を張って仲間って言えるのよ)
守られるだけなんて絶対に嫌だ。
だからこそ、今できる努力は全部やっておく。
クロムが無茶をするとき、安心して背中を任せてもらえるように。
強くなるんだ。
「だから私、心配だったんだ。クロムくんはあれからずっとルフランちゃんと受けた依頼のことをいつも嬉しそうに話してくれるんだけど、ルフランちゃんはちゃんとついていけてるのかなって。クロムくんにとってルフランちゃんは初めてできた大切な仲間だと思ってるみたいだから」
「クロムがそんなことを……」
「――私もね、ずっと一人ぼっちだったクロムくんに信頼できるお友達ができたことは嬉しいんだ。だからルフランちゃんにはクロムくんとずっと仲良くしてほしいと思ってる」
「……あたしも、できることならクロムと一緒にやっていきたいです。でも――」
「だからこれは私からあなたに対する一度だけの提案。もし本当にあなたが心の底から力を求めるなら。クロムくんの隣で戦える強さを欲するなら――――私があなたのことを鍛えてあげる」
「――――ッッ!!」
それは願ってもない提案だ。
エルミアといえばこの王国において5本の指に入るほどの大魔法使い。
自分とは比べ物にならないくらいの実力を持つ、まさに雲の上の存在だ。
「その代わり、ちゃんと話してほしいの。あなたの口から。どうしてあなたがそこまで強さを欲するのか、その理由を。全部」
「…………」
自分が強さを欲する理由。そんなのは初めから決まっている。
これまでずっと心の奥底に秘めていた決意と、新たに生まれた想い。
「あたしが強さを求める理由……それはもちろん、これからもクロムと一緒に戦っていくため。でも、それだけじゃないです。あたしは――――」
脳裏に浮かんでくる、在りし日の記憶。
幸せだった子供時代と、その崩壊。
己の片割れたる姉――フェルマの凶行。
必ずや己の手で断罪し、凍り付いた故郷を開放するという決意。
これはきっと転機なのだ。
今ここで躊躇えば、自分の成長はここで止まる。
そんな気がしたルフランは、己の苦い過去とこれからについて全て、エルミアに話すことにした。
エルミアは黙って頷きながら、ルフランの話を最後まで聞いた。
そしてその脳裏にはある人物が思い浮かんでいた。
(絶氷の地――フラミス。あの町に生き残りがいたなんてね。それにルフランちゃんの言うフェルマって子はきっと……)
エルミアは恐らく彼女の知らない彼女の姉に関する情報を持っている。
しかしここで話すことは得策ではないと判断した。
それは彼女がこれから自らの手で掴み、向き合っていかなければならないことなのだ。
重要なのは、ルフランが持つ決意が、決して半端なものではないということ。
邪なる意思が介入する余地のない、純粋な想いを見た。
「ルフランちゃんの気持ちはよく分かったわ。私が責任をもってルフランちゃんを最強の魔法使いに育ててみせる。言っておくけど、私こう見えて結構厳しいから覚悟してね」
「――ッ! はいっ!」
いずれ最強の剣士になる男の隣に立つならば、その者はきっと最強の魔法使いであるはずだ。
エルミアはそれがルフランであることを望んだ。
きっとクロムも、そう願うはずだから。
黒く塗りつぶされた空を照らす星々は、ひっそりと己の限界を超えんとあがく一人の少女を見守っていた。
「はぁ、はぁ……ダメ、こんなのじゃ足りないわ……」
もっと速く、もっと強く。
正確に狙った場所を抉り取る。
彼女が欲しているのは、自信をもって彼の隣で戦える魔法。
今の自分では力不足だ。
このままではいつか私は置いて行かれる。
彼ははるか遠くへ行ってしまう。
「げほっ、げほっ……まだよ。まだ――」
何度も繰り返し魔法を打ち続けた彼女の体は悲鳴を上げている。
しかしこの程度で手を休めることはない。
限界を超えてこそ真の成長につながるのだ。
再び彼女は凛と立ち、杖を構える。
「もう一度……エクリ――――あっ……」
詠唱の途中で突如として体から力が抜け、膝が折れてしまう。
このままじゃ倒れる。力を籠めなきゃ。
そう思っても、体が言うことを聞かない。
もうだめだ――そう思った次の瞬間、彼女の体は何者かに受け止められた。
「よっと。大丈夫かな? 時には自分を追い込むことも大事だけど、頑張りすぎは体に毒だよ。ルフランちゃん」
「えっ……あなたは――」
「とりあえず立てる? 無理そうならちょっと移動するけど」
「い、いえ。大丈夫です。ありがとうございます」
ルフランは飛びかけた意識を再び繋ぎ止め、少し震える足に無理矢理力を入れて立ち上がる。
振り返るとそこには長く美しい金髪を夜風に靡かせるエルフの女性が立っていた。
「エルミアさん。どうしてこんなところに……」
「ちょっとね。ルフランちゃんの様子が気になって見に来ちゃった。修行、上手くいってないんでしょう?」
「……はい」
どうやら先ほどまでルフランが行っていた修業の様子は彼女に見られていたようだった。
そう。ルフランは今、己の成長速度の遅さに悩んでいた。
世間的に見れば若くしてBランク冒険者になった固有魔法を扱う天才少女。
しかし彼女は現状に対して全く満足しておらず、むしろ自身の力不足に嘆くほどだった。
「強くなりたいって気持ちは私にも分かるよ。でもね、ただがむしゃらに突き進むだけだといつかきっと大きな壁に当たるんだ。ずっと見てたわけじゃないけど、ルフランちゃんにとって今がまさにその時なんじゃないかな?」
「…………」
「……クロムくんでしょ。ルフランちゃんが焦っている原因」
「そ、それは……」
「やっぱりね。そんな気がしてた。クロムくんはとっても強いし、凄い勢いで成長してるから」
図星だった。
自分より2歳も年下なのに、明らかに格上の魔物にも臆さず挑んで、戦いながら成長し、遂には打ち倒してしまう。
そんなの、まるで物語に出てくる英雄のようではないか。
それに対して自分はなんだ。
最初こそお互いにカバーしあって、足りないところを補いながら戦っていたが、だんだんとクロムという強者をサポートする事にだけ力を注ぐようになっていった。
自慢の爆破魔法は強敵には全く通じず、せいぜい目くらましにしか使えない。
自分一人ではあの紅炎竜もミスリルゴーレムにも絶対に勝てなかった。
(でも、クロムならきっと、あたしがいなくても勝ってたはず)
もちろんルフランとてまったく活躍しなかったわけではない。
クロムが一人で彼らに挑んでいたら、もっと苦戦していたに違いない。
だが、どれだけ時間をかけてもクロムなら決して倒れることなく挑み続け、最後にはきっと倒してしまうだろう。
それにクロムはどうやら最近、ギルドマスターに直接稽古をつけてもらっているらしい。
ただでさえ強いのに、このままではあっという間に置いて行かれてしまう。
それに――
(クロムはいつかきっと、とんでもない無茶をする。その時に震えて見てるだけ、なんてことはしたくない。対等に肩を並べて戦ってこそ、胸を張って仲間って言えるのよ)
守られるだけなんて絶対に嫌だ。
だからこそ、今できる努力は全部やっておく。
クロムが無茶をするとき、安心して背中を任せてもらえるように。
強くなるんだ。
「だから私、心配だったんだ。クロムくんはあれからずっとルフランちゃんと受けた依頼のことをいつも嬉しそうに話してくれるんだけど、ルフランちゃんはちゃんとついていけてるのかなって。クロムくんにとってルフランちゃんは初めてできた大切な仲間だと思ってるみたいだから」
「クロムがそんなことを……」
「――私もね、ずっと一人ぼっちだったクロムくんに信頼できるお友達ができたことは嬉しいんだ。だからルフランちゃんにはクロムくんとずっと仲良くしてほしいと思ってる」
「……あたしも、できることならクロムと一緒にやっていきたいです。でも――」
「だからこれは私からあなたに対する一度だけの提案。もし本当にあなたが心の底から力を求めるなら。クロムくんの隣で戦える強さを欲するなら――――私があなたのことを鍛えてあげる」
「――――ッッ!!」
それは願ってもない提案だ。
エルミアといえばこの王国において5本の指に入るほどの大魔法使い。
自分とは比べ物にならないくらいの実力を持つ、まさに雲の上の存在だ。
「その代わり、ちゃんと話してほしいの。あなたの口から。どうしてあなたがそこまで強さを欲するのか、その理由を。全部」
「…………」
自分が強さを欲する理由。そんなのは初めから決まっている。
これまでずっと心の奥底に秘めていた決意と、新たに生まれた想い。
「あたしが強さを求める理由……それはもちろん、これからもクロムと一緒に戦っていくため。でも、それだけじゃないです。あたしは――――」
脳裏に浮かんでくる、在りし日の記憶。
幸せだった子供時代と、その崩壊。
己の片割れたる姉――フェルマの凶行。
必ずや己の手で断罪し、凍り付いた故郷を開放するという決意。
これはきっと転機なのだ。
今ここで躊躇えば、自分の成長はここで止まる。
そんな気がしたルフランは、己の苦い過去とこれからについて全て、エルミアに話すことにした。
エルミアは黙って頷きながら、ルフランの話を最後まで聞いた。
そしてその脳裏にはある人物が思い浮かんでいた。
(絶氷の地――フラミス。あの町に生き残りがいたなんてね。それにルフランちゃんの言うフェルマって子はきっと……)
エルミアは恐らく彼女の知らない彼女の姉に関する情報を持っている。
しかしここで話すことは得策ではないと判断した。
それは彼女がこれから自らの手で掴み、向き合っていかなければならないことなのだ。
重要なのは、ルフランが持つ決意が、決して半端なものではないということ。
邪なる意思が介入する余地のない、純粋な想いを見た。
「ルフランちゃんの気持ちはよく分かったわ。私が責任をもってルフランちゃんを最強の魔法使いに育ててみせる。言っておくけど、私こう見えて結構厳しいから覚悟してね」
「――ッ! はいっ!」
いずれ最強の剣士になる男の隣に立つならば、その者はきっと最強の魔法使いであるはずだ。
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