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前編 ここから全ては始まった
3話
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守永や塾長達は、PCの画面に表示された彼ら自身の背中を映す監視カメラ映像をただ呆然と見ていた。
そして、彼らの脳内には、この監視カメラ映像が指し示す意図を把握してなどいなかった。その証拠にこの監視カメラ映像の画質の変化が訪れていた事を誰一人気付かなかったのである。
徐々に画質が荒くなり、監視カメラが拾う音声に雑音が混じった為か、キーーンという不協和音が守永らの耳に届いた。この不協和音が数秒から数分にまで渡って彼らの耳を塞がせていた。
その刹那、家庭教師塾fight-mensの扉をバァンっと勢いよく開けて翁の能面や小尉の能面などに「J」や「K」そして「10」などを墨入れしたモノを被り、縄やバッド等を手にした謎の集団が塾に侵入してきた。
「なっ! 君達、何しに来たんだ!」
「K」を墨入れした能面を被った謎の男は、塾長の発した問いかけにただ一言だけ言い放ち、謎の能面集団を動かそうとした。
「やれ!」
「K」の能面を被った男の言葉を合図に、能面集団が手当たり次第にPCや固定電話等を破壊し出した。やりたい放題暴れる能面集団に対して、恐怖で怯え萎縮する守永や塾長達。
──助けて、誰か、誰か。警察を呼んで。
守永や塾長達の心の叫びも虚しく、再び「K」による「やれ!」という言葉が出たのを合図に、能面集団が手にした鈍器で破壊の限りを尽くして蹂躙していく中、守永や塾長達は成す術なく、縄で手足を拘束されてしまった。
「例の守永は何処だ!名乗らねば、なぶり殺す。」
「ハ、ハイ……。」
「良し、連れ去れ!」
謎の能面集団は、どうやら守永を捜していたらしい。誰が守永か、謎の能面集団は容姿や名前を改めると手足を拘束された守永を、能面を被った男達が抱え込むと、白塗りのワゴン車に運び込んで、連れ去ってしまったのである。
そして、彼らの脳内には、この監視カメラ映像が指し示す意図を把握してなどいなかった。その証拠にこの監視カメラ映像の画質の変化が訪れていた事を誰一人気付かなかったのである。
徐々に画質が荒くなり、監視カメラが拾う音声に雑音が混じった為か、キーーンという不協和音が守永らの耳に届いた。この不協和音が数秒から数分にまで渡って彼らの耳を塞がせていた。
その刹那、家庭教師塾fight-mensの扉をバァンっと勢いよく開けて翁の能面や小尉の能面などに「J」や「K」そして「10」などを墨入れしたモノを被り、縄やバッド等を手にした謎の集団が塾に侵入してきた。
「なっ! 君達、何しに来たんだ!」
「K」を墨入れした能面を被った謎の男は、塾長の発した問いかけにただ一言だけ言い放ち、謎の能面集団を動かそうとした。
「やれ!」
「K」の能面を被った男の言葉を合図に、能面集団が手当たり次第にPCや固定電話等を破壊し出した。やりたい放題暴れる能面集団に対して、恐怖で怯え萎縮する守永や塾長達。
──助けて、誰か、誰か。警察を呼んで。
守永や塾長達の心の叫びも虚しく、再び「K」による「やれ!」という言葉が出たのを合図に、能面集団が手にした鈍器で破壊の限りを尽くして蹂躙していく中、守永や塾長達は成す術なく、縄で手足を拘束されてしまった。
「例の守永は何処だ!名乗らねば、なぶり殺す。」
「ハ、ハイ……。」
「良し、連れ去れ!」
謎の能面集団は、どうやら守永を捜していたらしい。誰が守永か、謎の能面集団は容姿や名前を改めると手足を拘束された守永を、能面を被った男達が抱え込むと、白塗りのワゴン車に運び込んで、連れ去ってしまったのである。
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