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29. メリンダさん
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家に帰る途中、シエルは私の隣で眠ってしまった。外は一面雪で覆われている。私の肩にもたれるシエルの明るいベージュの髪から、甘い匂いーーカモミールと林檎の混じり合ったような香りが漂ってくる。彼女に本当に恋人ができたら、きっと寂しいに違いない。だが、私はきっと誰よりも友人の幸せを喜ぶだろう。同時に、付き合った相手が彼女を泣かせるような相手ではないことを祈るはずだ。恋をして泣く辛さを知っているからなおさら。
国道で渋滞に巻き込まれている間に、シエルが目を覚ました。
「変な夢を見てたの」
「どんな?」
「空から棒グラフがたくさん降ってくるんだけど……。頭に当たるとすごく痛いの」
運転席の父が「折れ線グラフは?」と尋ねるものだから助手席のロマンが吹き出した。
「円グラフもそれなりに痛そうだよね」
二人の会話を聞いて腹が捩れるくらいに笑っている私を、シエルが不思議そうに見つめている。
「そんなに可笑しい?」
「何だか……シュールすぎて……」
笑いが止まらない私に助手席からロマンが声をかけてきた。
「エイヴェリー、私へのプレゼントは買ってくれた?」
「買ったわ。明日渡す」
「中身は何? ヒントだけでも」
「長方形のものよ」
「グラフか?」
また父親が仕掛けてくるものだから、笑いがぶり返してプレゼントの話どころではなくなった。
1時間経っても、車は10キロほどしか進んでいない。父親はスロットでETの指の形の指圧棒を当てたと嬉しそうに話している。ロマンはそれを大して興味もなさそうに聞いている。
姉は今日、ヤケに饒舌で落ち着きがない。普段彼女はそんなに口数が多い方ではないのだが、あの動画のことがあって、まだ動揺しているのかもしれない。
「今度あなたの家に泊まりに行ってもいい?」
シエルが尋ねる。助手席のロマンが耳を澄ませているのが、雰囲気でじりじりと伝わってくる。
「もちろん。いいわよね、お父さん」
「ああ、大歓迎だ」
父はシエルのことをかなり気に入ったらしい。ご機嫌でお泊まりを了承してくれた。
「それは健全なお泊まり?」
冗談めかして聞いてくるロマンにシエルが、
「逆に健全じゃないお泊まりというのは、どのようなものですか?」
と怪訝な顔で尋ねる。彼女は全くロマンの質問の意図を理解していないらしい。高校一年で、ここまで純粋なのも珍しい。
「あれだろ? 一晩中賭けチェスをするとか、降霊術をやるとか……」
ズレた答えを提示する父。
「そんなのやらないだろ。降霊術なんて、小学生の時に一度やったきりだ」
呆れたように突っ込む姉。父と姉の会話は、だいたいこんな感じだ。
「何を呼び出したんだ? メリンダさんか?」
「誰だよメリンダって」
「YES NOとアルファベッドの書いた紙とコインを用意して、『メリンダさんメリンダさん、おいでください』と言うんだ。来るとコインが動く」
「やったことあるんですか?」
興味津々で尋ねるシエル。
「ああ、友達と5人くらいでやった。するとコインが動いたんだが、途中から友達のうちの一人が動かしていたことが分かった」
「あるあるですね」
「だが不思議なのは、その中のベイリーってやつの好きな人をドナルドが聞いた時、コインが動いて『キャシー』と答えた。ベイリーの好きな人は、元々俺と本人以外知らなかったんだよ。コインを動かしていたやつも、他の二人も知らなかった」
「ってことは、その時コインを動かしてたのは……」
私の言葉に父は、「メリンダさんだったのかもな」と答えた。
三時間半以上かかって家に到着した私たちは、ぐったりしていた。陽はすっかり沈み、ダイニングには、母が手によりをかけたご馳走が準備されていた。空腹だった私たちは、貪るようにそれを食べた。
ロマンは夕飯の後も、シエルのことについて執拗に聞きたがった。
「彼女は恋人は?」「あなたのことを本当に何とも思ってないの?」「本当にお泊まりナイトをするの?」
「シエルは友達よ。それ以上でも以下でもないわ」
何故ロマンがこんなにしつこく質問をしてくるのか理解ができなかった。いい加減面倒になった私は、まだ何か質問が残っている様子のロマンを残して二階の自室に向かった。
明日はクリスマスだというのに、妙に寂しかった。演劇コンペが終わってから、クラスの団結力は強くなり、生徒同士の仲も以前より良くなった。演劇コンペ後の私の心は達成感半分、空虚感半分だ。皆で一つのものに向かっていた日々が恋しかった。そして、目標を達成し、目指すものがなくなったことは寂しい。何より、人との関わりに興味が薄かった私が、皆に会えないことが寂しいと感じていること自体が不思議だ。
次の日、朝早くにオーシャンから電話が来た。
『メリークリスマス! 昨日のシエルとのデートはどうだった?』
「デートじゃないわよ。何なのよ、あなたもロマンも……」
『へへ、冗談だよ! 昨日シエルがお前たち家族のこと、楽しそうに話してたからさ』
「楽しかったわよ、滅多に行かない街だったし」
『それよりさ、ジャンヌの家のパーティー、クラスメイトが誰も行かなかったって聞いたか?』
「そうなの?」
『ああ。演劇コンペで暴走しすぎて、これまでの行いもあって取り巻きに愛想尽かされてクラスで浮いてるらしいぜ。いい気味だよな』
あのクリスマスパーティーの日に、ミアがジャンヌのことを言っていたのを思い出した。いい気味だと思う反面、気の毒な気持ちもある。一年生に負け、思いを寄せていたロマンに私のことで怒られてこっ酷く振られたうえに、クラスでも理解者をなくしてしまったのだから。
「いい気味だけど……少し気の毒ね」
『お前、まだそんなこと言ってんのか? あんなことされたのに……。優しすぎんだよ、お前は』
その後でオーシャンは話題を変えた。
『お前の姉さん、俺にもクリスマスカード送ってくれたぜ。優しいな』
その時、ロマンにまだクリスマスプレゼントを渡していなかったことに気づいて、オーシャンとの会話もそこそこに電話を切った。バッグに入っていた小さな長方形の黄色い紙と赤いリボンに包まれた箱を取り出し、部屋を出て隣のロマンの部屋をノックした。
「入っていいよ」
明るい返事が聞こえる。部屋に入ると、ベッドに腰掛けて読書をしていたらしいロマンは、本を閉じて私に優しく微笑みかけた。
「これ、プレゼントよ」
渡した箱を嬉しそうに受け取り、ロマンは早速リボンを解いて包み紙を広げ、長方形の白い厚紙でできた箱の蓋を取った。
「可愛い財布だね。ちょうど財布が欲しいと思ってたんだ、ありがとう」
ロマンは目を細めて嬉しそうに礼を言うと、昨日私を質問攻めにしたことを詫びた。
「昨日はしつこく聞いて悪かったよ。シエルはいい子だと思うし、君たちは良い友達なんだと分かった。だけど、もし君に誰かいい人ができたらって考えた時に、心配になるんだよ。君が泣かされないかって」
「心配しなくても、あなた以上に良い人もあなた以上に悪い人もいないわ」
きっとロマン以上に私を思う人も、私を傷つける人もいないのだろう。もしもそんな相手がいたとしたら、私はまた壊れるくらいに感情的になって、衝動的な言動とともにその関係を終焉に導いてしまう気がする。
そんな私の言葉に、ロマンは戸惑うように笑うばかりだった。
国道で渋滞に巻き込まれている間に、シエルが目を覚ました。
「変な夢を見てたの」
「どんな?」
「空から棒グラフがたくさん降ってくるんだけど……。頭に当たるとすごく痛いの」
運転席の父が「折れ線グラフは?」と尋ねるものだから助手席のロマンが吹き出した。
「円グラフもそれなりに痛そうだよね」
二人の会話を聞いて腹が捩れるくらいに笑っている私を、シエルが不思議そうに見つめている。
「そんなに可笑しい?」
「何だか……シュールすぎて……」
笑いが止まらない私に助手席からロマンが声をかけてきた。
「エイヴェリー、私へのプレゼントは買ってくれた?」
「買ったわ。明日渡す」
「中身は何? ヒントだけでも」
「長方形のものよ」
「グラフか?」
また父親が仕掛けてくるものだから、笑いがぶり返してプレゼントの話どころではなくなった。
1時間経っても、車は10キロほどしか進んでいない。父親はスロットでETの指の形の指圧棒を当てたと嬉しそうに話している。ロマンはそれを大して興味もなさそうに聞いている。
姉は今日、ヤケに饒舌で落ち着きがない。普段彼女はそんなに口数が多い方ではないのだが、あの動画のことがあって、まだ動揺しているのかもしれない。
「今度あなたの家に泊まりに行ってもいい?」
シエルが尋ねる。助手席のロマンが耳を澄ませているのが、雰囲気でじりじりと伝わってくる。
「もちろん。いいわよね、お父さん」
「ああ、大歓迎だ」
父はシエルのことをかなり気に入ったらしい。ご機嫌でお泊まりを了承してくれた。
「それは健全なお泊まり?」
冗談めかして聞いてくるロマンにシエルが、
「逆に健全じゃないお泊まりというのは、どのようなものですか?」
と怪訝な顔で尋ねる。彼女は全くロマンの質問の意図を理解していないらしい。高校一年で、ここまで純粋なのも珍しい。
「あれだろ? 一晩中賭けチェスをするとか、降霊術をやるとか……」
ズレた答えを提示する父。
「そんなのやらないだろ。降霊術なんて、小学生の時に一度やったきりだ」
呆れたように突っ込む姉。父と姉の会話は、だいたいこんな感じだ。
「何を呼び出したんだ? メリンダさんか?」
「誰だよメリンダって」
「YES NOとアルファベッドの書いた紙とコインを用意して、『メリンダさんメリンダさん、おいでください』と言うんだ。来るとコインが動く」
「やったことあるんですか?」
興味津々で尋ねるシエル。
「ああ、友達と5人くらいでやった。するとコインが動いたんだが、途中から友達のうちの一人が動かしていたことが分かった」
「あるあるですね」
「だが不思議なのは、その中のベイリーってやつの好きな人をドナルドが聞いた時、コインが動いて『キャシー』と答えた。ベイリーの好きな人は、元々俺と本人以外知らなかったんだよ。コインを動かしていたやつも、他の二人も知らなかった」
「ってことは、その時コインを動かしてたのは……」
私の言葉に父は、「メリンダさんだったのかもな」と答えた。
三時間半以上かかって家に到着した私たちは、ぐったりしていた。陽はすっかり沈み、ダイニングには、母が手によりをかけたご馳走が準備されていた。空腹だった私たちは、貪るようにそれを食べた。
ロマンは夕飯の後も、シエルのことについて執拗に聞きたがった。
「彼女は恋人は?」「あなたのことを本当に何とも思ってないの?」「本当にお泊まりナイトをするの?」
「シエルは友達よ。それ以上でも以下でもないわ」
何故ロマンがこんなにしつこく質問をしてくるのか理解ができなかった。いい加減面倒になった私は、まだ何か質問が残っている様子のロマンを残して二階の自室に向かった。
明日はクリスマスだというのに、妙に寂しかった。演劇コンペが終わってから、クラスの団結力は強くなり、生徒同士の仲も以前より良くなった。演劇コンペ後の私の心は達成感半分、空虚感半分だ。皆で一つのものに向かっていた日々が恋しかった。そして、目標を達成し、目指すものがなくなったことは寂しい。何より、人との関わりに興味が薄かった私が、皆に会えないことが寂しいと感じていること自体が不思議だ。
次の日、朝早くにオーシャンから電話が来た。
『メリークリスマス! 昨日のシエルとのデートはどうだった?』
「デートじゃないわよ。何なのよ、あなたもロマンも……」
『へへ、冗談だよ! 昨日シエルがお前たち家族のこと、楽しそうに話してたからさ』
「楽しかったわよ、滅多に行かない街だったし」
『それよりさ、ジャンヌの家のパーティー、クラスメイトが誰も行かなかったって聞いたか?』
「そうなの?」
『ああ。演劇コンペで暴走しすぎて、これまでの行いもあって取り巻きに愛想尽かされてクラスで浮いてるらしいぜ。いい気味だよな』
あのクリスマスパーティーの日に、ミアがジャンヌのことを言っていたのを思い出した。いい気味だと思う反面、気の毒な気持ちもある。一年生に負け、思いを寄せていたロマンに私のことで怒られてこっ酷く振られたうえに、クラスでも理解者をなくしてしまったのだから。
「いい気味だけど……少し気の毒ね」
『お前、まだそんなこと言ってんのか? あんなことされたのに……。優しすぎんだよ、お前は』
その後でオーシャンは話題を変えた。
『お前の姉さん、俺にもクリスマスカード送ってくれたぜ。優しいな』
その時、ロマンにまだクリスマスプレゼントを渡していなかったことに気づいて、オーシャンとの会話もそこそこに電話を切った。バッグに入っていた小さな長方形の黄色い紙と赤いリボンに包まれた箱を取り出し、部屋を出て隣のロマンの部屋をノックした。
「入っていいよ」
明るい返事が聞こえる。部屋に入ると、ベッドに腰掛けて読書をしていたらしいロマンは、本を閉じて私に優しく微笑みかけた。
「これ、プレゼントよ」
渡した箱を嬉しそうに受け取り、ロマンは早速リボンを解いて包み紙を広げ、長方形の白い厚紙でできた箱の蓋を取った。
「可愛い財布だね。ちょうど財布が欲しいと思ってたんだ、ありがとう」
ロマンは目を細めて嬉しそうに礼を言うと、昨日私を質問攻めにしたことを詫びた。
「昨日はしつこく聞いて悪かったよ。シエルはいい子だと思うし、君たちは良い友達なんだと分かった。だけど、もし君に誰かいい人ができたらって考えた時に、心配になるんだよ。君が泣かされないかって」
「心配しなくても、あなた以上に良い人もあなた以上に悪い人もいないわ」
きっとロマン以上に私を思う人も、私を傷つける人もいないのだろう。もしもそんな相手がいたとしたら、私はまた壊れるくらいに感情的になって、衝動的な言動とともにその関係を終焉に導いてしまう気がする。
そんな私の言葉に、ロマンは戸惑うように笑うばかりだった。
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