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3. 星に願いを
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「いつから決めてました?」
望遠鏡を覗く気など起きなかった。ただ暗幕のように垂れ下がる夜空を見つめながら、いっそもう答えないでくれとすら思っていた。質問したのは自分なのに。
「生まれた時から? なんちゃって」
「インドに行ったら、もう会えないんでしょ?」
「会えるでしょ。たまに帰ってくるし」
「たまにって、どれくらいの頻度ですか?」
「一年に一回か二回くらい?」
「それじゃほとんど会えないのと一緒です」
涙のような金色の光が一筋、遠く紺色の空を滑り落ちていく。
「流れ星に願い事したら、叶うかな?」
「真白さんは何をお願いするんですか?」
「ひ・み・つ」
「私は一つだけお願いします」
「何?」
「真白さんがインドに行きませんように」
望遠鏡を覗く気など起きなかった。ただ暗幕のように垂れ下がる夜空を見つめながら、いっそもう答えないでくれとすら思っていた。質問したのは自分なのに。
「生まれた時から? なんちゃって」
「インドに行ったら、もう会えないんでしょ?」
「会えるでしょ。たまに帰ってくるし」
「たまにって、どれくらいの頻度ですか?」
「一年に一回か二回くらい?」
「それじゃほとんど会えないのと一緒です」
涙のような金色の光が一筋、遠く紺色の空を滑り落ちていく。
「流れ星に願い事したら、叶うかな?」
「真白さんは何をお願いするんですか?」
「ひ・み・つ」
「私は一つだけお願いします」
「何?」
「真白さんがインドに行きませんように」
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