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第40通 郵便屋さんの一大イベント 〜友達と初めての夜の初詣〜
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元旦の仕事が終わり、帰宅した私に待っていたのは母親から告げられた友達M君からの夜の初詣のお誘い電話でした。
「おい?お前、明日休みやろ?みんな集まってるけど、今から初詣行かへんか?」
「え?今からか!?行く行くーッッ!」即決です。
「じゃあ、21時に迎えに行くから!」
13連勤の疲れもなんのその!
すぐにお風呂に入ってお正月のおせちを食べて、友達の迎えを待ちます。
いやあ、若さってすごいですよね?
こんなの今では絶対無理です。
「こんな夜からどこに初詣行くの?明日にしたらいいのに」と母親は心配しますが「だってみんな集まるもん!俺だって行きたいよ!」と大慌てで身支度します。
「今夜は寒いからあったかい格好しなよ!」
「正月やから酔っ払い運転するヤツも多いで気をつけてけよ!まったく。正月の夜ぐらいゆっくりすれば良いのに!」と父親。
「わかっとるよ!」とちょっとムッとしながら身支度に忙しい私。
本当、今考えると子供の心配をしてくれるありがたい両親ですよね。
言葉の中に子供の身を安全を心配してくれる温かいお言葉でしたが、まだまだ若く血気盛んなお年頃なもんで、そんな親の心配をよそに迎えに来た友人M君の車に乗り込んで夜の初詣に出発です!
車の中にはU君、Y君、J君と全員合わせると5人がM君のセダンにギュウギュウ詰めです。
「おい!狭いって!もっと端っこいってくれよ!」
「アホ!もっと痩せろ!」
「真ん中はキッツイって!!」
と、後部座席はワーワーギャーギャーと大騒ぎ。それが最高に楽しくみんな笑いながら大盛り上がりです。
何せよ免許を取ったばかりで初めてみんなが揃って初詣。しかもそれが夜ですからね?みんなテンション爆上がりですよ。
「でもなんで夜に行くの?」と聞くと。
「初詣はやっぱり元旦やろ?お前が仕事終わるのみんな待ってたんや。だから今からみんなで初詣や」
と友人達の言葉にジーンときました。
いやあ、本当に感動しましたね。
そんな青春真っ最中の我々5人が乗ったセダンは、夜の道を私の県内では一番大きく有名な神社に向かいます。
その車中で友人M君が「腹減ったな?何か食べようぜ?」と言い出しました。
「え?俺、さっき食ったばかりだぜ?」
「お前は食ったばかりかもしれんが、俺は晩飯食って無い!」
「そういや腹減ったな。どっか寄ろうぜ?」と友人Y君。
「しょーがねえな。この時間にやってる店あるかなあ?」
この時代、私達の県内ではまだ24時間営業のファミレスが普及してない時代ですから、22時を過ぎて営業しているお店がほとんど無いのです。
そんなわけで、今度は夜な夜な空いてる店を探しながら神社に向かいます。
まいったなあ。本当に無い。夜な夜な閉店してる店を傍目に目的地の神社に向かって走ります。
「めっちゃ腹減った!なんか店ないんか!?」と友人M君とY君が騒ぎます。
今でこそ食が細くなりましたが、この頃この二人は私の友達の中でも特に大食漢ですので腹減った腹減ったと大騒ぎ。
時計は刻一刻と進み、やっとの事で目的地の神社の周辺でうどん屋さんに入る事ができました。
もう既に時計は23時を回っています。
お正月なので参拝客の為に夜遅くまで店を開いているようです。
早速、うどんやそばを食べるみんな。
「うどんじゃなくてラーメンが食べたかったなあ」と言いながらうどんを食べる友人M君。
「コラコラ!うどん屋でそんなん言うなよ!」とみんなで笑いながら盛り上がる中、私はある事が頭に浮かびました。
(これ、0時までに神社に着くのかな?)
はい。もうオチわかりましたね?
そうなんです。うどん屋に寄っていたので参拝時間は0時を過ぎて、もうすでに1月2日。元旦の内に初詣をするつもりが翌日参拝になってしまったのです。
「マジかよー!元旦初詣が2日になってるやん!?」とまたまた大騒ぎ。
幸い、大きな神社でしたので元旦でも大晦日同様に夜通し参拝できたのは良かったのですが、目的を達成できずにちょっと残念。まあ、これもすぐに笑い話になりましたが。
そんな笑い話の中、友人U君がある提案を口にしました。
「今からさ、〇〇県の海まで行って日の出を見やんか?」
この一言がとんでもない事になるのです。
今回もご愛読いただきありがとうございました。
お知らせです。
『ダンジョンあるばいと』という短編を投稿しました。
『スーパーカブに乗る異世界の郵便屋さんは冒険がしたい』のスピンオフ短編ですので、よろしければこちらもよろしくお願いします。
「おい?お前、明日休みやろ?みんな集まってるけど、今から初詣行かへんか?」
「え?今からか!?行く行くーッッ!」即決です。
「じゃあ、21時に迎えに行くから!」
13連勤の疲れもなんのその!
すぐにお風呂に入ってお正月のおせちを食べて、友達の迎えを待ちます。
いやあ、若さってすごいですよね?
こんなの今では絶対無理です。
「こんな夜からどこに初詣行くの?明日にしたらいいのに」と母親は心配しますが「だってみんな集まるもん!俺だって行きたいよ!」と大慌てで身支度します。
「今夜は寒いからあったかい格好しなよ!」
「正月やから酔っ払い運転するヤツも多いで気をつけてけよ!まったく。正月の夜ぐらいゆっくりすれば良いのに!」と父親。
「わかっとるよ!」とちょっとムッとしながら身支度に忙しい私。
本当、今考えると子供の心配をしてくれるありがたい両親ですよね。
言葉の中に子供の身を安全を心配してくれる温かいお言葉でしたが、まだまだ若く血気盛んなお年頃なもんで、そんな親の心配をよそに迎えに来た友人M君の車に乗り込んで夜の初詣に出発です!
車の中にはU君、Y君、J君と全員合わせると5人がM君のセダンにギュウギュウ詰めです。
「おい!狭いって!もっと端っこいってくれよ!」
「アホ!もっと痩せろ!」
「真ん中はキッツイって!!」
と、後部座席はワーワーギャーギャーと大騒ぎ。それが最高に楽しくみんな笑いながら大盛り上がりです。
何せよ免許を取ったばかりで初めてみんなが揃って初詣。しかもそれが夜ですからね?みんなテンション爆上がりですよ。
「でもなんで夜に行くの?」と聞くと。
「初詣はやっぱり元旦やろ?お前が仕事終わるのみんな待ってたんや。だから今からみんなで初詣や」
と友人達の言葉にジーンときました。
いやあ、本当に感動しましたね。
そんな青春真っ最中の我々5人が乗ったセダンは、夜の道を私の県内では一番大きく有名な神社に向かいます。
その車中で友人M君が「腹減ったな?何か食べようぜ?」と言い出しました。
「え?俺、さっき食ったばかりだぜ?」
「お前は食ったばかりかもしれんが、俺は晩飯食って無い!」
「そういや腹減ったな。どっか寄ろうぜ?」と友人Y君。
「しょーがねえな。この時間にやってる店あるかなあ?」
この時代、私達の県内ではまだ24時間営業のファミレスが普及してない時代ですから、22時を過ぎて営業しているお店がほとんど無いのです。
そんなわけで、今度は夜な夜な空いてる店を探しながら神社に向かいます。
まいったなあ。本当に無い。夜な夜な閉店してる店を傍目に目的地の神社に向かって走ります。
「めっちゃ腹減った!なんか店ないんか!?」と友人M君とY君が騒ぎます。
今でこそ食が細くなりましたが、この頃この二人は私の友達の中でも特に大食漢ですので腹減った腹減ったと大騒ぎ。
時計は刻一刻と進み、やっとの事で目的地の神社の周辺でうどん屋さんに入る事ができました。
もう既に時計は23時を回っています。
お正月なので参拝客の為に夜遅くまで店を開いているようです。
早速、うどんやそばを食べるみんな。
「うどんじゃなくてラーメンが食べたかったなあ」と言いながらうどんを食べる友人M君。
「コラコラ!うどん屋でそんなん言うなよ!」とみんなで笑いながら盛り上がる中、私はある事が頭に浮かびました。
(これ、0時までに神社に着くのかな?)
はい。もうオチわかりましたね?
そうなんです。うどん屋に寄っていたので参拝時間は0時を過ぎて、もうすでに1月2日。元旦の内に初詣をするつもりが翌日参拝になってしまったのです。
「マジかよー!元旦初詣が2日になってるやん!?」とまたまた大騒ぎ。
幸い、大きな神社でしたので元旦でも大晦日同様に夜通し参拝できたのは良かったのですが、目的を達成できずにちょっと残念。まあ、これもすぐに笑い話になりましたが。
そんな笑い話の中、友人U君がある提案を口にしました。
「今からさ、〇〇県の海まで行って日の出を見やんか?」
この一言がとんでもない事になるのです。
今回もご愛読いただきありがとうございました。
お知らせです。
『ダンジョンあるばいと』という短編を投稿しました。
『スーパーカブに乗る異世界の郵便屋さんは冒険がしたい』のスピンオフ短編ですので、よろしければこちらもよろしくお願いします。
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