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第22通 郵便屋さんの一大イベント。 年末繁忙期編7 〜郵便屋さんのクリスマス①〜
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12月24日。女子高校生を中心とした内務アルバイトが本格的にスタートします。
男子高校生を中心とした外務アルバイトは25日からのスタート。
せっかくのクリスマスイブなのに女の子はアルバイトか?女の子達も彼氏と一緒にクリスマスイブを楽しめないのは大人の策略か?かわいそうに…
よしよし、俺が慰めてやる。ムフフ。
と、一人バカな妄想を膨らませて本格的な年末年始繁忙期スタートです!
と、いっても外務バイトがいないのでいつもと同じ作業をするだけです。
まあ、年末年始の繁忙期は全員出勤の増員配置。
先輩局員が補助者としてフォローに入ってくれるので配達範囲は少ないのですが、とにかく早く1日分の郵便を配達して年賀状作業を進めないといけません。
早く終わらせて女子高校生と仲良くなりたいなあ…ムフフ…
うーん。我ながら情けない。
情けない事にこの当時のこの健全なる青年は不純な動機で働いてました。
ですが…
配達終わって、年賀状の大区分。
早く大区分終わらせて仕事ができるところを女の子達にアピールして仲良くならなきゃ…
ん?
なんか、めっちゃ多くないですか?この年賀状の量…
「お!配達終わったか?早く大区分終わらせな、次の便の年賀状が来るぞ!」
「は、はい!
え~と…」
と、大区分を始めるのですがいつもの通常郵便の大区分棚と年賀状用の段ボールの簡易大区分棚とでは勝手が違うのでなかなか作業が進みません。
しかも…
「先輩。これ、町名と宛名は書いてあるけど住所が書いてないんですけど?」
「あー。この人は3丁目2-21の○○さんやないか?」と、その区分口にその年賀状を入れます。
「あの、この人は?」
「これは1丁目8-1やないか」と次々と先輩達はその住所の無い年賀状を区分口に入れていきます。
「おいおい!最近はこの区はお前が配っとるやろ?もう少し覚えておけよ?」と呆れ顔。
実は年賀状や普通郵便で住所が書かれていない物って割とあるのです。
で、この当時は配達員が分かる範囲でお届けするというのが当たり前。
この宛名が不完全な年賀状や郵便物を記憶力を頼りにいかに正確にお届けできるかがその職員のスキルなのです。
更にこの当時は年賀状のピーク。減少傾向にある現在の年賀状事情では考えられませんが、本格的な年賀状作業に入る初日の12月24日でもかなりの量の年賀状が到着していました。
予想以上の年賀状の量に不明年賀状の多さに面食らいながら必死に大区分作業に追われるのですが、気持ちとは裏腹に作業ペースが進みません。
女の子と仲良くなるどころか女の子達の作業が終わる夕方には新しく到着した年賀状が郵便課から上がってきます。
年賀状大区分棚の机上には大区分未着手の年賀状。先輩達に教えて欲しい宛名不明の年賀状。担当区ではない誤区分の年賀状等が並び、それを焦る気持ちで処理していきます。
新人郵便屋さんにとっては驚異の通数。
ですが、先輩達は笑い話をしながらサクサクと作業を進めていきます。
「あんまり作業進んでないなあ?この量で驚いてどうするの?これからもっと増えるんやぞ?」
「マジですか!?…」
クリスマス。
それは恋人達の特別な日。
ですが、郵便屋さんにとっては地獄の入り口。
まさに『苦しみマス』です。
郵便屋さんになったばかりの青年がこの年末年始の繁忙期に慣れて、人並みにクリスマスを楽しめるのに数年は掛かりますが慣れてくるとこれはこれで楽しめる様になっていきます。
今回は郵便屋さんになったばかりの青年の初めてのクリスマスのお話しでした。
次回はその数年後のクリスマスのお話しです。
少しずつ郵便屋さんとして成長?した青年が送るクリスマスとは?
お楽しみください。
今回もご愛読いただきありがとうございました。
この作品への評価もいただけますと執筆の励みにもなりますのでよろしければよろしくお願いします。
男子高校生を中心とした外務アルバイトは25日からのスタート。
せっかくのクリスマスイブなのに女の子はアルバイトか?女の子達も彼氏と一緒にクリスマスイブを楽しめないのは大人の策略か?かわいそうに…
よしよし、俺が慰めてやる。ムフフ。
と、一人バカな妄想を膨らませて本格的な年末年始繁忙期スタートです!
と、いっても外務バイトがいないのでいつもと同じ作業をするだけです。
まあ、年末年始の繁忙期は全員出勤の増員配置。
先輩局員が補助者としてフォローに入ってくれるので配達範囲は少ないのですが、とにかく早く1日分の郵便を配達して年賀状作業を進めないといけません。
早く終わらせて女子高校生と仲良くなりたいなあ…ムフフ…
うーん。我ながら情けない。
情けない事にこの当時のこの健全なる青年は不純な動機で働いてました。
ですが…
配達終わって、年賀状の大区分。
早く大区分終わらせて仕事ができるところを女の子達にアピールして仲良くならなきゃ…
ん?
なんか、めっちゃ多くないですか?この年賀状の量…
「お!配達終わったか?早く大区分終わらせな、次の便の年賀状が来るぞ!」
「は、はい!
え~と…」
と、大区分を始めるのですがいつもの通常郵便の大区分棚と年賀状用の段ボールの簡易大区分棚とでは勝手が違うのでなかなか作業が進みません。
しかも…
「先輩。これ、町名と宛名は書いてあるけど住所が書いてないんですけど?」
「あー。この人は3丁目2-21の○○さんやないか?」と、その区分口にその年賀状を入れます。
「あの、この人は?」
「これは1丁目8-1やないか」と次々と先輩達はその住所の無い年賀状を区分口に入れていきます。
「おいおい!最近はこの区はお前が配っとるやろ?もう少し覚えておけよ?」と呆れ顔。
実は年賀状や普通郵便で住所が書かれていない物って割とあるのです。
で、この当時は配達員が分かる範囲でお届けするというのが当たり前。
この宛名が不完全な年賀状や郵便物を記憶力を頼りにいかに正確にお届けできるかがその職員のスキルなのです。
更にこの当時は年賀状のピーク。減少傾向にある現在の年賀状事情では考えられませんが、本格的な年賀状作業に入る初日の12月24日でもかなりの量の年賀状が到着していました。
予想以上の年賀状の量に不明年賀状の多さに面食らいながら必死に大区分作業に追われるのですが、気持ちとは裏腹に作業ペースが進みません。
女の子と仲良くなるどころか女の子達の作業が終わる夕方には新しく到着した年賀状が郵便課から上がってきます。
年賀状大区分棚の机上には大区分未着手の年賀状。先輩達に教えて欲しい宛名不明の年賀状。担当区ではない誤区分の年賀状等が並び、それを焦る気持ちで処理していきます。
新人郵便屋さんにとっては驚異の通数。
ですが、先輩達は笑い話をしながらサクサクと作業を進めていきます。
「あんまり作業進んでないなあ?この量で驚いてどうするの?これからもっと増えるんやぞ?」
「マジですか!?…」
クリスマス。
それは恋人達の特別な日。
ですが、郵便屋さんにとっては地獄の入り口。
まさに『苦しみマス』です。
郵便屋さんになったばかりの青年がこの年末年始の繁忙期に慣れて、人並みにクリスマスを楽しめるのに数年は掛かりますが慣れてくるとこれはこれで楽しめる様になっていきます。
今回は郵便屋さんになったばかりの青年の初めてのクリスマスのお話しでした。
次回はその数年後のクリスマスのお話しです。
少しずつ郵便屋さんとして成長?した青年が送るクリスマスとは?
お楽しみください。
今回もご愛読いただきありがとうございました。
この作品への評価もいただけますと執筆の励みにもなりますのでよろしければよろしくお願いします。
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