郵便屋さんとスーパーカブとその日常。

げこすけ

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第14通 50CCの郵政カブ。

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1990年11月1日に正式に郵便屋さんになった私もついに自分のバイクが与えられました。

私が初めて乗った配達バイクは50CCの郵政カブ。(MD50)

みなさん、ここで質問です。
郵便屋さんの乗っているカブは何CCだと思いますか?
これ、ほとんどの方が50CCの原付だと思ってます。
正解は原付は原付なんですが、原付2種で乗れる90CC(現在は110CC)のカブです。
私も郵便屋さんになって初めて郵政カブが原チャリでは無いという事を知りました。

話を戻しましょう。
郵便屋さんになった私ですが、この頃はまだ車の免許しか持っていなかったので90CCのカブには乗れません。
ですが、このタイミングで郵政省が人員不足の解消の為に50CCしか乗れない方も採用できるように90CCと同じ郵政特別仕様の50CCの郵政カブを実戦投入したのです。バブルらしい話でしょう?

正局員になっても小型二輪の免許を取るまで自転車で配達するのか?と思われていたのですが、私が所属していたA郵便局は私の住んでいる県では一番大きな郵便局で、後に郵政のモデル局になる規模の郵便局でしたのでその新規に採用された50CCカブが一台配備される事になったのです。

それを私が乗る事になりました。
A郵便局での初の50CCカブの最初のライダーは私なのです。
すごいでしょ?

初めて配備される50CCカブに他の先輩局員も興味深々です。
「サイズはほとんど変わらんな。一回り小さいか?」
「タイヤが少し細いか?」
「エンジンが小さいな」とかいろんな事を言ってました。
「なんで新人のお前がこんな新車に乗れるんや?」とか、私の父の友人がA郵便局の役職者だった事を知ってる先輩は
「あの〇〇の口利きで局員になった奴は特別やな」とちょっと嫌味を言う人もいましたが、そんな事18歳の若造には何の事かわかりませんし、そんなの関係ねーって感じでした。
それよりも自分のバイクを与えられたのが嬉しかったのです。

普段から郵便局の通勤に当時ヤマハから発表されたばかりの新車TZR50を使っていた私ですから、カブを運転することはすぐに慣れました。
エンジン始動は90CCカブと同じキック式です。
クラッチ無しのシーソーペダルのギアチェンジは前のペダルを踏み込むとシフトアップ。後ろのペダルを踏み込むとシフトダウン。
前のペダルを踏み込むとシフトアップするのがまるでレーサーのギアチェンジのようで好きでした。
しっかりと慣らし運転もしましたよ。

この50CCカブは新車のうちは割と元気がある車両でシフトアップするたびにフロントタイヤがポンポン浮き上がる感じがするんです。
まるでその頃にハマっていた世界GPの GP500のマシーンがコーナーを立ち上がる度にフロントを浮かすみたいな気分を味わえるんです。
毎日、配達しながら脳内世界GPを走ってました。
初めて自分用に与えられた、市販車とは違う特別生産されている郵政カブ。
それはまるでワークスマシーンを操るGPレーサーの様な気分を私に与え、そのカブに乗って配達する事が私は楽しくて仕方ありませんでした。

この50CCカブも息が長い車両で90CCカブが110CCに変わってもしばらくは各郵便局で現役配備されてました。終盤はほとんどボテボテの車両が多く90CCや110CCから乗り換えると話にもならない程走らない遅い車両が多かったです。
110CCカブがモデルチェンジされた後にセルスタート式の110CCのスケールダウンされた50CCカブが配備されましたが、私の班には配備されなかったのでそれはどんな乗り味だったのか私は知りません。
新車の内は元気に走るとは思いますが…

今回は私が初めて乗ったカブの話でした。
カブ主の皆さん。いかがでしたでしょうか?
郵政カブについて質問がありましたら感想にて聞かせて下さい。
わかる範囲で良ければお答えします。

では、今回もご愛読ありがとうございました。
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