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第3通 自転車での配達編

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随伴訓練から10日も経つと仕事も慣れてきました。

本来は郵便屋さんのお仕事は基本的には8時出勤、16時45分定時なのですが、配達支援のバイトなので本日の配達分の郵便が用意されてる時間9時30分が私の出勤時間でした。

一般的な郵便屋さんの1日の配達時間は3時間半から4時間程で配達できる分量を持ちますが、自転車だとカブに比べるとスピードが段違いに遅いので2時間半から3時間程の分量になります。
それを黒い集配鞄に詰めて、入りきらない郵便や大きい定形外郵便を緑色の長方形の形の鞄に入れて集配自転車のリアキャリアの左側に掛けます。郵便が多い時はその緑鞄を右側にも掛けて二丁掛けするわけです。
集配鞄は自転車の前に掛けて出発です。

その当時の集配バイトには制服は支給されてなく、私服で配達するので配達先のお客さんはバイトが配達している事がわかります。高校卒業したばかりの男子が配達に来るので配達先の方々には「頑張ってるねえ。気をつけてね。」と声をかけてもらったり、缶ジュースやお茶をくれたり、可愛がってもらいました。
若さは得ですね(笑)

郵便の配達は基本的には左手で持てる厚みの束を太い把捉輪ゴムで束ねてあるのでそのゴムを外した郵便の束を左手の親指と人差し指で挟み、配達地図を人差し指と中指で挟み、配達先の家を地図で確認しながら配達します。
個人差もありますが2週間もあればおおよそ地図を見ずに配達できます。
それを両親指にはめた指サックで擦る様に確認しながら右手で取り、郵便受けに配達していくのです。
この指サックの効果ををつい先日まで高校生だった私が知るわけもなく、とにかく格好が悪い!ダサいと初めは職員から渡されたものを使いませんでした。
当然、紙が指先でツルツルするので配達も時間が掛かります。それを職員の方に指摘されて渋々使ってみると…

めちゃくちゃ配達しやすいー!!

と、なるわけです。大人の言う事は聞くもんですね。

つい先日まで高校生だった世間知らずの郵便屋さんの自転車での配達はまだまだ続きます。

今回もご愛読ありがとうございました。
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