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第30話 イダテン現る!! 魅惑のチキチキわくわく大レース!!後編
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モンスター『イダテン』
真っ赤に燃える炎の様な目。
裂けるような口。
体長は成獣になると2メートルにもなる大型のテンのモンスターだ。
そのスピードはまさに韋駄天であり、獰猛な爪と牙の攻撃とあいまって冒険者を翻弄する。
そのイダテンがいきなり左コーナーのイン側にいる俺のさらにイン側に飛び込んできた!
切り返しの右コーナーではアウト側にイダテン。イン側に俺。
予想外のイダテンの登場に驚く俺とイダテンと目が合うと、ニヤッとイダテンが笑った!?
次の瞬間!!
ドーンッッッ!!!!
イダテンの体当たりを喰らい俺はズザザザーッッッと、倒れるように転倒!
その俺を間一髪のタイミングでナルシスが避けて停まった。
カブから降りると駆けつけるナルシス。
「大丈夫か!?リオン!!」
「痛ってええ…!!」ヨロヨロと起き上がると体の怪我を確かめる。
ふーっ… 打ち身はあるけど、骨折とかは無い。
ライトメールを着ていて良かった。
転倒したスーパーカブを起こすと、右ステップがひん曲がってサイドミラーも割れている。
バルーンッッッ!
後方からカブの音が聞こえてくると、
「大丈夫!?リオン!!」
「リオン!怪我は無いか!?」
アローラとトム爺も駆けつけてきた。
「いちちち… 大丈夫大丈夫…
腕と足を打ったけど大丈夫だ…」とアローラとトム爺の方を見ると…
ブハーッッッ!!!!
思わず吹き出した!!
顔も服も真っ黒焦げのススだらけのトム爺。
アローラは髪の毛がカミナリ様の様にアフロヘアーになってる。
「お前らこそ大丈夫かよっっ!!」
どうやら、あの後もアローラとトム爺は魔法で争っていたようだ。
頼むから笑わさないでくれ!怪我に響く。
「いやいや小娘と侮っておったが、なかなかやりよる」
「ほーんと!ただのジジイじゃないわね」
ガシッと固く手を交わしニヤリと笑う2人。
どうやら2人の間に友情が芽生えた様だ。しかしアローラよ、トム爺は俺達の雇い主だ。
ジジイはやめなさい!ジジイは!!
突如!!
「ギギッギギーッッッ!!」
イダテンは大きく鳴き、吊り上がった燃える様な赤い目と歯を見せ、両手をだらんと持ち上げスクッと二本足で立つとこちらを睨んだ。
「どうする?やるか?」
ナルシスが剣に手をやりながら聞いてきた。
イダテンの毛皮はセレブの防寒着の材料として高価に買い取ってもらえる。
だが、脅威的なスピードと強力な爪と牙を持つイダテンと戦うのは度胸がいる。
「ちょっと待って!!」
アフロヘアーのアローラがナルシスを制した。
「何か様子が変ね?あのイダテン」
「ギギッ!ギッギッゲーッッッ!」
「ふむふむ。ふむふむ。」と目を閉じ頷くアローラ。
「まさか、お前イダテンの言葉が分かるのか!?」
「うーん。分かるっていうか…
まあ、だいたいだけど雰囲気は感じれるわね」と少し自信無さげだが口元に手をやり答えるアローラ。
ついにモンスターの心まで読めるようになったか!?
恐るべし魔性の女アローラ…
「で、なんと言ってるのだ?」鞘に収まってる剣をいつでも抜けるように構えるナルシス。
「ふーむ… そうね。
人の庭で勝手に走り回ってるヤツらがいるなと思って来てみたが…
お前ら大した事ねーな!!!!
…だって?」
「な、なに!?」
予想外の言葉に驚く俺たち。
すると、イダテンの言葉のアローラによる同時通訳が始まった。
「ゲゲッ!ゲーッッッ!!ケケケケケ!」
「コーナーのツッコミも甘いしよ!
お子様か?ショボイ走り決め込みやがってよ!!」
イダテンが鳴きながら腕を振り回してるのと同じ様にアローラも腕を振り回し、上から目線で話しだした。
「ギギーッッッ?ギッギッゲーッッッ?」
「お前ら地元じゃ有名かも知んねーけどよ?ここじゃ幼稚園以下だわ?」
イダテンと同じ様に両腕を伸ばして手のひらを上げながら呆れるアローラ。
なんだ?コイツ!?
だんだんムカついて来た!!
「ギギギギリ?ギギギーッギッギッギッギッ?」
「もう、いいよお前ら?
お子ちゃまはさっさと家に帰りな?」
手をパタパタとこちらを追い払う様に振るイダテンとアローラ。
「うるせーっっっ!!!!
ムカつくムカつくムカつく!!!!
勝負だ!てめえッッッ!!!!」
2人を指差し俺はワナワナと怒りに燃えた!!
「ゲ?ギギギ。ギッゲッギー⁇ギケケケケ!!」
「へー?一丁前に俺に挑む勇気は褒めてやんよ?
良いぜ?勝負してやんよ!!」
腕を組みながらドヤ顔で俺らを笑うアフロアローラ。
「12階層がゴールの勝負だ!!
ゼッテー俺たちが勝つッッッ!!
後で吠え面かかせてやるからな!!!!」
なんなんだコイツは!?
まさかモンスターにレースを挑む事になるとは思ってもいなかった。
ムカつくぜ!!半分以上はアローラのジェスチャーにムカついてるが、このイダテンとはレースで決着をつけてやる!!
その頃、リオン達に追いつこうとギャルを背負いながら必死に森の中を駆け抜けるニンジャ。
そのニンジャの背中が余程心地よいのかギャルはヨダレを垂らしながらスヤスヤと寝ていた。
「うーん…
もう食べれないよー♡
ムニャムニャ…」
真っ赤に燃える炎の様な目。
裂けるような口。
体長は成獣になると2メートルにもなる大型のテンのモンスターだ。
そのスピードはまさに韋駄天であり、獰猛な爪と牙の攻撃とあいまって冒険者を翻弄する。
そのイダテンがいきなり左コーナーのイン側にいる俺のさらにイン側に飛び込んできた!
切り返しの右コーナーではアウト側にイダテン。イン側に俺。
予想外のイダテンの登場に驚く俺とイダテンと目が合うと、ニヤッとイダテンが笑った!?
次の瞬間!!
ドーンッッッ!!!!
イダテンの体当たりを喰らい俺はズザザザーッッッと、倒れるように転倒!
その俺を間一髪のタイミングでナルシスが避けて停まった。
カブから降りると駆けつけるナルシス。
「大丈夫か!?リオン!!」
「痛ってええ…!!」ヨロヨロと起き上がると体の怪我を確かめる。
ふーっ… 打ち身はあるけど、骨折とかは無い。
ライトメールを着ていて良かった。
転倒したスーパーカブを起こすと、右ステップがひん曲がってサイドミラーも割れている。
バルーンッッッ!
後方からカブの音が聞こえてくると、
「大丈夫!?リオン!!」
「リオン!怪我は無いか!?」
アローラとトム爺も駆けつけてきた。
「いちちち… 大丈夫大丈夫…
腕と足を打ったけど大丈夫だ…」とアローラとトム爺の方を見ると…
ブハーッッッ!!!!
思わず吹き出した!!
顔も服も真っ黒焦げのススだらけのトム爺。
アローラは髪の毛がカミナリ様の様にアフロヘアーになってる。
「お前らこそ大丈夫かよっっ!!」
どうやら、あの後もアローラとトム爺は魔法で争っていたようだ。
頼むから笑わさないでくれ!怪我に響く。
「いやいや小娘と侮っておったが、なかなかやりよる」
「ほーんと!ただのジジイじゃないわね」
ガシッと固く手を交わしニヤリと笑う2人。
どうやら2人の間に友情が芽生えた様だ。しかしアローラよ、トム爺は俺達の雇い主だ。
ジジイはやめなさい!ジジイは!!
突如!!
「ギギッギギーッッッ!!」
イダテンは大きく鳴き、吊り上がった燃える様な赤い目と歯を見せ、両手をだらんと持ち上げスクッと二本足で立つとこちらを睨んだ。
「どうする?やるか?」
ナルシスが剣に手をやりながら聞いてきた。
イダテンの毛皮はセレブの防寒着の材料として高価に買い取ってもらえる。
だが、脅威的なスピードと強力な爪と牙を持つイダテンと戦うのは度胸がいる。
「ちょっと待って!!」
アフロヘアーのアローラがナルシスを制した。
「何か様子が変ね?あのイダテン」
「ギギッ!ギッギッゲーッッッ!」
「ふむふむ。ふむふむ。」と目を閉じ頷くアローラ。
「まさか、お前イダテンの言葉が分かるのか!?」
「うーん。分かるっていうか…
まあ、だいたいだけど雰囲気は感じれるわね」と少し自信無さげだが口元に手をやり答えるアローラ。
ついにモンスターの心まで読めるようになったか!?
恐るべし魔性の女アローラ…
「で、なんと言ってるのだ?」鞘に収まってる剣をいつでも抜けるように構えるナルシス。
「ふーむ… そうね。
人の庭で勝手に走り回ってるヤツらがいるなと思って来てみたが…
お前ら大した事ねーな!!!!
…だって?」
「な、なに!?」
予想外の言葉に驚く俺たち。
すると、イダテンの言葉のアローラによる同時通訳が始まった。
「ゲゲッ!ゲーッッッ!!ケケケケケ!」
「コーナーのツッコミも甘いしよ!
お子様か?ショボイ走り決め込みやがってよ!!」
イダテンが鳴きながら腕を振り回してるのと同じ様にアローラも腕を振り回し、上から目線で話しだした。
「ギギーッッッ?ギッギッゲーッッッ?」
「お前ら地元じゃ有名かも知んねーけどよ?ここじゃ幼稚園以下だわ?」
イダテンと同じ様に両腕を伸ばして手のひらを上げながら呆れるアローラ。
なんだ?コイツ!?
だんだんムカついて来た!!
「ギギギギリ?ギギギーッギッギッギッギッ?」
「もう、いいよお前ら?
お子ちゃまはさっさと家に帰りな?」
手をパタパタとこちらを追い払う様に振るイダテンとアローラ。
「うるせーっっっ!!!!
ムカつくムカつくムカつく!!!!
勝負だ!てめえッッッ!!!!」
2人を指差し俺はワナワナと怒りに燃えた!!
「ゲ?ギギギ。ギッゲッギー⁇ギケケケケ!!」
「へー?一丁前に俺に挑む勇気は褒めてやんよ?
良いぜ?勝負してやんよ!!」
腕を組みながらドヤ顔で俺らを笑うアフロアローラ。
「12階層がゴールの勝負だ!!
ゼッテー俺たちが勝つッッッ!!
後で吠え面かかせてやるからな!!!!」
なんなんだコイツは!?
まさかモンスターにレースを挑む事になるとは思ってもいなかった。
ムカつくぜ!!半分以上はアローラのジェスチャーにムカついてるが、このイダテンとはレースで決着をつけてやる!!
その頃、リオン達に追いつこうとギャルを背負いながら必死に森の中を駆け抜けるニンジャ。
そのニンジャの背中が余程心地よいのかギャルはヨダレを垂らしながらスヤスヤと寝ていた。
「うーん…
もう食べれないよー♡
ムニャムニャ…」
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