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敬語と名前
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…まず最初に何しよう。あ、でもその前に1つ言っとかなきゃ!
「あのね、マリー。私と二人きりの時は、もっと砕けた感じで話して欲しくて。それと、お嬢様、じゃなくて、ロゼリアって呼んで欲しいの!!」
前世はただの一般庶民だったのだ。四六時中敬語を使われ様付けされると疲れてしまいそうである。
流石に最初から敬語なし!は拒否されそうだから、ここは折衷案として砕けた話し方を提案してみる。ゆくゆくは敬語なしで話して貰いたいが……………うん、頑張ろう、私。
「砕けた話し方、で御座いますか?……あの、恐
れながら、それは一体どのような感じなので
御座いますか?そしてお嬢様を呼び捨てには
出来ません、申し訳ありません…………」
心底困った顔を向けられ、心が痛む。しかし、私も撤回する気はない。何としてでも了承させてみせる!!
「砕けた話し方、と言うのは、語尾に『です・ます』を付けるくらいの話し方の事。本当は、ですますも要らないけど、それだと絶対頷いてくれないでしょ?だから砕けた感じで話して欲しいの。あと、名前で呼んでくれた方が私も安心できるって言うか……………どうしても駄目?」
「えっと…………」
お!!承諾して貰えそうな気配がする。
良いぞ~良いぞ~!よし、だめ押しで…
「お願い、マリー」
言いながら少し涙ぐみ、上目遣いでマリーを見る。大女優顔負けの演技を披露する私である。
「ぐっ………可愛すぎる…………何でも言うこと聞いちゃいそうだわ………ハアハア」
何やらマリーが言っているが、相変わらず声が小さいので聞き取れない。心なしか息も荒くなっているような……?気のせいかな。それにしてもマリーは声が小さい方なのだろうか?
私は前世では、残念ながら声がよく通ってしまう方だったのでナイショ話など勿論出来なかった。授業中に喋っても、私ばかり怒られた記憶が………………うん、思い出すのは止めようか。
「ロゼリア様」
「うえっ!?……は、はい」
いけない、完全に気を抜いてた。やばいやばい。
目の前には意を決したようにこちらを見るマリー。
「お嬢様、いえ、ロゼリア様と二人きりの時は、なるべく砕けた話し方になるように努力致します。……しかし、やはり呼び捨ては…」
おおー!やったね!砕けた話し方にしてくれるって!やっぱり私の名演技が効いたのかなぁ。あーでも呼び捨てはハードル高いのか、やっぱり。あまり無理させるのもな~。
ーーーーーあ、それなら…
「『ロザリー』って呼ぶのはどう?ロゼリア、じゃないから気持ち的にも呼びやすいと思うし、あだ名みたいで嬉しいって言うか、その……………」
あ、何か自分で言い始めたくせに、今ものすごく恥ずかしい……。コレ絶対耳まで赤くなってる気がする。それによく考えると、自分からあだ名を提案する人ってあんまり居ないよね…。
マリーだって下向いちゃってるし…。あ~どうしようかなぁ。
「………分かりました。そこまで仰られるのなら『ロザリー』と、呼ばせていただきますわ!」
「えっ!!本当!?本当に!!?」
「はい」
「ありがとう、マリー。大好きだよ!」
そう言ってにっこり微笑むと、何故かマリーが照れだした。どうしたんだろ。
「何と勿体ないお言葉…!!!ありがとうございます!」
「よし、じゃあ今から二人きりの時は『です・ます』口調ね!あと、『ロザリー』って呼ぶこと!良い?」
「はい、了解です!!」
ふ~~~~~~第一関門突破かな!これで気苦労で倒れる未来は回避できただろう。良かった良かった!
「あのね、マリー。私と二人きりの時は、もっと砕けた感じで話して欲しくて。それと、お嬢様、じゃなくて、ロゼリアって呼んで欲しいの!!」
前世はただの一般庶民だったのだ。四六時中敬語を使われ様付けされると疲れてしまいそうである。
流石に最初から敬語なし!は拒否されそうだから、ここは折衷案として砕けた話し方を提案してみる。ゆくゆくは敬語なしで話して貰いたいが……………うん、頑張ろう、私。
「砕けた話し方、で御座いますか?……あの、恐
れながら、それは一体どのような感じなので
御座いますか?そしてお嬢様を呼び捨てには
出来ません、申し訳ありません…………」
心底困った顔を向けられ、心が痛む。しかし、私も撤回する気はない。何としてでも了承させてみせる!!
「砕けた話し方、と言うのは、語尾に『です・ます』を付けるくらいの話し方の事。本当は、ですますも要らないけど、それだと絶対頷いてくれないでしょ?だから砕けた感じで話して欲しいの。あと、名前で呼んでくれた方が私も安心できるって言うか……………どうしても駄目?」
「えっと…………」
お!!承諾して貰えそうな気配がする。
良いぞ~良いぞ~!よし、だめ押しで…
「お願い、マリー」
言いながら少し涙ぐみ、上目遣いでマリーを見る。大女優顔負けの演技を披露する私である。
「ぐっ………可愛すぎる…………何でも言うこと聞いちゃいそうだわ………ハアハア」
何やらマリーが言っているが、相変わらず声が小さいので聞き取れない。心なしか息も荒くなっているような……?気のせいかな。それにしてもマリーは声が小さい方なのだろうか?
私は前世では、残念ながら声がよく通ってしまう方だったのでナイショ話など勿論出来なかった。授業中に喋っても、私ばかり怒られた記憶が………………うん、思い出すのは止めようか。
「ロゼリア様」
「うえっ!?……は、はい」
いけない、完全に気を抜いてた。やばいやばい。
目の前には意を決したようにこちらを見るマリー。
「お嬢様、いえ、ロゼリア様と二人きりの時は、なるべく砕けた話し方になるように努力致します。……しかし、やはり呼び捨ては…」
おおー!やったね!砕けた話し方にしてくれるって!やっぱり私の名演技が効いたのかなぁ。あーでも呼び捨てはハードル高いのか、やっぱり。あまり無理させるのもな~。
ーーーーーあ、それなら…
「『ロザリー』って呼ぶのはどう?ロゼリア、じゃないから気持ち的にも呼びやすいと思うし、あだ名みたいで嬉しいって言うか、その……………」
あ、何か自分で言い始めたくせに、今ものすごく恥ずかしい……。コレ絶対耳まで赤くなってる気がする。それによく考えると、自分からあだ名を提案する人ってあんまり居ないよね…。
マリーだって下向いちゃってるし…。あ~どうしようかなぁ。
「………分かりました。そこまで仰られるのなら『ロザリー』と、呼ばせていただきますわ!」
「えっ!!本当!?本当に!!?」
「はい」
「ありがとう、マリー。大好きだよ!」
そう言ってにっこり微笑むと、何故かマリーが照れだした。どうしたんだろ。
「何と勿体ないお言葉…!!!ありがとうございます!」
「よし、じゃあ今から二人きりの時は『です・ます』口調ね!あと、『ロザリー』って呼ぶこと!良い?」
「はい、了解です!!」
ふ~~~~~~第一関門突破かな!これで気苦労で倒れる未来は回避できただろう。良かった良かった!
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