私はショタを愛でたいのっ！！

まりい→マリー

ばい……？
初めて聞く名前だ。少なくとも純日本人の私の事では無さそうだ。……いや、そうであって欲しい。
確認の意味も込めて、もう一度聞いてみるか

「ばいるん、ろざ……？えっと、それって」
あ、ダメだ。名前が長すぎて覚えきれてなかった

「バイエルン・ミル・ロザリア様でございます
    ！！……お嬢様、本当にどうかされたのですか
    ？はっ！もしや熱が出てらっしゃるのでは無
    いのですか！？失礼いたします」

言うが早いか私のおでこに右手を当ててきた！
自然と彼女ーーなんだっけ、確かまりい？ーーとの距離がさらに近くなる。
…あ、良い匂いがする。石鹸の匂いみたいだ。香水は苦手だったけど、このくらいの匂いなら平気だ。むしろ好きかもしれない

「う～ん、熱は………………無さそうでございます
    ね。それなら他の原因が…！？お嬢様、他に
    痛いところはございますか？」

 そう聞かれて改めて自分の身体を手で触っていく。しかし特に痛いところはない

「いえ、他に痛いところはないですね」
「本当でございますか？」
「はい」

私の答えを聞き、まりいは安心したようだった
しかし、私には他に聞きたい事がある。
何とかロザリア様、と言うのは本当に私の事で合っているのかどうかだ

悩んでいても分からない。
え～いこうなりゃ当たって砕けろ、だ！！

深呼吸して、よし！！
「あの、(確か)まりい(だよね)？
    少し聞きたい事があって、あぁもちろん
    間違ってたらちゃんと言って欲しいんで
    すけど」
もし間違ってたら恥ずかしい、ただの自意識過剰なヤツになってしまう。ちゃんと言っとかないと！
「何でございますか？」
「あのね、ロザリア様って私の事で合ってる？」
「はい、左様でございますよ」



！！！！！



…………ですよね、途中から薄々そうかな～って思ってたし。でも何だろう、この逃げ道を絶たれた感じは。
あ、凄く困ったような顔になってる

「お嬢様、やはり私、旦那様と奥様に言って
    来ますわ！きっと私には言いづらい事なの
    でしょう。少しお待ち下さいませ！」

………え、嘘でしょ！？この状態で両親(？)に
会うの！？！？無理、ぜぇっっったいに無理！
100％不審がられるよね、これ！！！！だって
中身別人だし！…最悪、家追い出されて路頭に迷って、またバナナの皮であの世行きかも…


「あーーー待って待って！お願いだから行かな
    いで下さい！！！話すから！！！！！」

私は全力でまりいを引き留め、テーブルの向かい側にある椅子に無理矢理座らせた。恐縮してなかなか座ってくれず大変だったが、こっちも命がかかってるのだ、退いてなどいられない！


ーーーそして私に起こった出来事を順に話していった。
私は今日の朝までニホンの女子高生【如月澪】だったこと、車に轢かれて死んだこと、気づいたらここにいて何も分からないこと。

信じてくれるか分からないが、話した方が良いと判断した
………さて、どうだろう？

私はすっかり冷めてしまった紅茶を飲んで良いか考えながら、目の前に座るまりいを観察していた。何か言ってるようだが、小さすぎて聞き取れない




話終わって5分が過ぎた頃だろうか、突然


「そうだったので御座いますね！！！全ての事が腑に落ちましたわ！それならばこの不肖マリー、全力でお嬢様のお手伝いをさせて頂きます！！」

え、本当に…

「信じてくれるの………？」

自分で言うのもなんだが、こんなこと急に言われたら頭が可笑しくなったとしか思わない

「もちろんで御座いますわ！！！
    私はお嬢様がウソを言うなど思いません。
    それに、いつものお嬢様と雰囲気や態度が
    かなり違うので、本当だと思いましたわ！」

                                      
「………ありがとう、マリー」
「主を信じるのは当然で御座いますわ！」

あ、ヤバい、涙が出そうだ。自分で思っていたより不安だったのか。でも泣いたりしたらまた心配させてしまうので、全力で涙をこらえる


ーーーよし、そうと分かればこれからどうするか考えなきゃ！前世から切り替えは早い方だったのだ。



うーんまずは……