俺は異世界に転生したのか!?

鳳来 悠

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おれは川岸にしゃがみこみ、両手で水をすくってゴクゴクと水を飲んだ。
ぷはぁ~…うまいっ!!疲れた体に冷たい水がしみわたる。いくらでも飲めそうだ。


……そういえば、あのブラコンに「疲れたときにはやっぱりみそ汁か炭酸だな!はっはっはっ!あ、お前も飲むか?」などと無理やりテニスの相手を4時間ほどさせられたあとに言われたときは、こいつの頭と体はどうなってるのか殺意とともに本気で調べたくなったな。もちろん断ったが。

おれには疲れはてているときにそんなものを飲む勇気と気力と体力はない。むしろ体と脳が全力で拒否してた気がする。あのときはあまりにも普通に言われすぎて俺がおかしいのかと錯覚しそうになったが……冷静になったら絶対にないと気づいた。やっぱり疲れたときには水かお茶だな!


うん、あと少しだけ飲もう。
…あ~水も冷たくて手をいれてるだけでも気持ちいい…。本当は足もいれてみたいが、手元にはタオルなどもちろん無いので泣く泣く諦める。




───ガサッ。ガサガサッ。




……ん?なんだ、何かいるのか?おれは警戒しながら辺りを見回すが特に何も見当たらない。草を掻き分けるような音がしたと思ったんだが………気のせいか?






「───あなたは………誰ですか?」


「え!?」





少し高めで、よく通る凛とした声に驚いて振り返ると、俺から少し離れたところに一人の少年が立っていた。

12歳くらいだろうか?
少し色が薄めの金髪に、緑の瞳。まだあどけなさが残るがとても整った顔立ちをしている少年は、あと5年もすれば絶世の美男子とか呼ばれてそうだ。

そして白いシャツに若葉色のジャケット、焦げ茶色のパンツとマントを身に付けている。剣をもっているようだが俺からマントで隠すようにしつつも、おれを警戒してかその柄から手を放そうとはしない。



……えっ、と、何でこんな森にこんな美少年がいるんだ……!?!?
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