俺は異世界に転生したのか!?

鳳来 悠

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とりあえず、この辺りを散策してみるか。さすがにどこだか分からない場所で、野宿できるほど俺の神経は図太くはない…。夜になる前に、何とかして雨風しのげる場所を探さねば!

木々の間から光が射し込む感じから推測するに、今は正午ぐらいか。あと数時間は大丈夫だろう。



耳をすませると、水が流れるような音がかすかに聞こえる。川が近くにあるのか?う~んひとまずはそこへ向かってみるか!もし誰か住んでいるとしたら、水は必要になる。そうすると必然的に川の近くに住むことになるだろう。

最悪誰もいなくても、飲む水は確保しなければならないからな!…あ、もし川が汚かったらどうしよう?ま、まぁ、森の中だし綺麗だと願いたいが、そのときはまた別の水源でも探そう!




*****





…あれ?おかしいな。歩き初めて30分は過ぎたと思うんだが、一向に川が見つからない……。
まさか同じ場所をぐるぐる回ってるとか?

……いや、それはないか。俺もさっきその可能性を考え付いてから、小石を拾って通った木に小さく傷をつけているが、今のところ傷がついている木を見ていない…。

水の音が聞こえなくなった訳でもないし……謎が深まるばかりだ。



考えながら歩くのに少し疲れた俺は、近くにあったちょうど良い大きさの切り株に腰を下ろす。


「ふぁ~疲れた~!ここは一体どこなんだよ~?川はどこにあるんだぁ~?誰かおしえてくれー!!!」

ってそんなこと言っても誰も答えないよなぁ、………別に分かってたけど!良いじゃないか、少し愚痴るくらい。だって全然見つからないんだもん!!




『ふふふ』
『クスクス』
『迷ってるー』
『川はもっとあっち~』

「えっ!?」


俺は驚いて辺りを見回す。しかし誰も見当たらない…。もしかして、木の裏側にでも隠れているとか?そこで、俺は恐る恐る声をかけてみることに決めた。幽霊じゃないことを願いながら………。



「……お、おい。誰か(幽霊以外で)そこにいるのか?」



……耳をすますが何も聞こえない。俺の心臓がドクドクしている音だけが響く。



『もしかして』
『ぼくたちの声きこえちゃった?』
『びっくりだねー』
『ね~』


やっぱり誰かいる!今度は確実に聞こえた!しかし相変わらず姿が見えない。
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