アイツはおれを好きなようです

鳳来 悠

文字の大きさ
上 下
4 / 8

好きな人

しおりを挟む
「そう言えばカイって好きな人いるの?もしいたら、お互いキスするのだけは止めた方が良いんじゃないか…?」


嬉しそうだったカイの顔が一転、すごく真面目な顔になっておれの肩を掴んだ。



「…その質問、何?……リュートは、今好きな人いるの?おれ知らないんだけど」

「? いやいないぞ。でも、好きな人いるのにキスするのはまずいんじゃないかと思って。─あ、また女の子からお前宛の手紙預かってるぞ。はい、これ」



近くに置いていた鞄の中から10通の手紙を取り出す。



「…好きな人いないんだ、良かった。おれはいるけど、多分その人はわかってくれるから大丈夫。それといつも言ってるけど、おれ宛の手紙は受け取らなくて良いって言ってるだろ?」

「分かってくれそうな相手なら良いんだ!…手紙は折角持ってきたのにかわいそうだし…。はい、ちゃんと渡したからな!ちゃんと読めよ」

「はいはい、分かってるよ。ほら、もう寝よ?」

「そうだな、おやすみ」

「おやすみ」


ベッド近くの灯りを消した。

──今のおれたちの体勢?カイがおれを後ろから抱きしめてる状態です、はい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

【BL】こんな恋、したくなかった

のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】  人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。  ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。 ※ご都合主義、ハッピーエンド

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

処理中です...