わらしべ勇者

鳳来 悠

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人生は少しアホな方が上手くいくかも

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 昔々、そのまた昔あたりに1人の男の子(17)、名を雷蔵らいぞうという者がおりました。



 ある日雷蔵は歩いて3時間かかるお城に呼び出されました。
 そこで雷蔵は勇者になって、この世の何処かに居ると思われる魔王に郵便を届けて欲しいと頼まれました。雷蔵は少し頭が弱かったので、そのよく分からない頼みを引き受けてしまいました。
 さて、この世の何処かに本当に魔王はいるのでしょうか?とは一体何なのでしょうか。そしてではなく便とはどういう事でしょう。



 そんなこんなで雷蔵が旅立つ日が来ました。『場所は分からないので、とにかく聞きまくれ』というありがたいのだかよく分からない言葉を胸に、雷蔵は出立しました。


 まずは隣の国に向かおうと思い、国境付近の森に入りました。この森を通らなければ関所にたどり着けないのです。

 森の中を歩いていた雷蔵は、遠くの道に、何か落ちている事に気がつきました。近づいてみると、普通の藁でした。雷蔵は何でも拾うので、勿論藁も拾いました。



 少し歩くと、男の子(5)が蹲っていました。雷蔵がどうしたのか聞くと、間髪いれずにその藁をちょうだいと言ってきました。あげました。すると、さっきまで明らかにいなかっただろう場所から何か動物を連れてきて、あげますと男の子は言って、手綱を雷蔵に押しつけて全速力で走って行きました。

 雷蔵は馬がお礼なのかなぁ、などと考えながらまた歩き始めました。



 少し歩くと、男の子(7)が木登りをしていました。雷蔵に気がつくと木から降りてきて、その牛ちょうだいと言ってきました。……え?馬じゃないのかって?

 …………実はさっき貰ったのは牛だったのです。しかしそこは雷蔵、牛を馬だと思っているのです。しかし細かいことは気にしないので、勝手に牛も馬も一緒だろうと思ってあげました。

 すると今度はお礼に地図をもらいました。そしてまた男の子はダッシュで走って行きました。迷っていた雷蔵は喜びました。しかし、雷蔵は地図を読めません。


 仕方ないのでまた同じ方向に進みました。何か建物が見えてきました。きっと関所だろうと思い近づくと、なんと……
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