7 / 13
6
しおりを挟むハンクとの同居を初めて、一週間が過ぎた。
カズ(和樹)もだいぶハンクに慣れてきた。
男だからか?それともボンボンだからか?生活能力に欠けるハンク。
冒険者やってたらそれなりに出来ると思っていたが……………。
洗濯、掃除、料理出来ず。
魔物狩りを喜んでしていたと思えば、大物に追いかけられていた。
ある意味で俺より子供らしいのではと思う事だ多々あり、面倒を見てしまう。
そういえば、彼女もそのタイプだったなとしみじみ思う。(家事能力皆無)
逐一教え込むが、洗濯物は破く、掃除は何故か散らかる、料理は塩辛い…………………不器用。
手を出されない方がとても効率が良い。
見た目だけで世間渡ってきたか?
と思えば、ハンク反論「夜はとても喜ばれる!」と自信満々。
「子供にする話か」💢頭を殴っておいた。
「何かさ~カズって子供に見えないんだよな~。」
ハンクが、鋭いことを言ってきた。
「ほー!お前は、その子供に養われているんだがなー!」
「わー、やめて~!青年虐待だー!」
くすぐりの刑をお見舞いした。
涙目で訴えてもダメです。男に触手は動かん!
「それなんだけどさー。」
ハンクが話し始める。
「?それ?どれだよ」
カズが聞き返す。
「いや、養われてる?のくだり。」
「?何だ!ハンクは、俺を養いたいのか?」
寝言は、寝て言え!
「そうだね!街行って一緒に暮らさないか?」
「パーティー拠点もあるし嫌だったら部屋借りても良いし!」
「此処に1人で暮らし続けるわけにもいかないだろ?」
ハンクは、伺うように言ってくる。いやお前まるでこれから捨てられてしまうみたいな眼で見るの反則だから。
「いや、俺はこのままでも別にいい……。」
言い終わる前にハンクが抱き付く!
「俺がやなんだよ~。一緒に街で暮らそうよ~!街いいとこだよ?お金も心配ないからさ~俺結構貯めてるし!
頼むよ~。一緒に街で暮らそうよ~。」
ベリっとハンクを剥がし、「行く気ねーよ。」
と言ったら、ハンクが泣いた。
しばらくギクシャクしたが日々がつずいたが、ハンクはなおも、食い下がり口説き続ける。
「1人で行けば良いじゃないか!」
と言えば、「やだ!」
と答え「子供か!」
と言えば「大人だ!」
と返す。
一向に拉致が開かない。
鬱陶しいので、街にハンクを置いてくることにした。
「街に行くぞ」と言えば、ハンクが喜びいそいそと準備している。
「早く行こー!」と俺を急かす。本当にお前、子供だな⤵️
街に着くのに五日かかった結構遠かった。
町の名前は、ヤードそこそこ大きい町みたいだ。
石造の塀で囲まれた、町みたいだ。
門があり、人々が出入り口でチェックされてる。
ハンクも人々と同じく門に並ぶ。
「此処がハンクの拠点のある街か?」
と俺が聞けば。
「そうだよー」
と嬉しそうに話すハンク。
順番になり、ハンクと門番が何やら話し込んで、通される。
ハンクに俺は、「通行料は?」
と言ったら「後払い!」
と楽しそうに答えてた。
意味わからん。問題なく、門を通され街に入る。
街は凄く、世界遺産?みたいな作りだった。
地球で言えばヨーロッパ?パリ?行った事ないが。
TVで放送される石造の街並みがあった。
思わず。「おー!」
と言ってお上りさん状態になったよ。
キョロキョロと街を見ていると、人にぶつかる。
危ないからと、ハンクに手を引かれ歩くことになった。げせん!
ハンクは、取り敢えず、ギルドに行くと言う。
出ました!定番冒険者ギルド!
俺は、少しテンションが上がってきた。
ギルドは、暗い雰囲気かと思えば、違った。
雰囲気は、役所だった。
整理番号をもらい列に並ぶ。
淡々と仕事をこなす事務員。
夢が少し壊れた。
順番になり、ハンクの番になった。
受付は、おじさんだった。(泣き)
ハンクは、おじさんに、今までの成り行きを話す。依頼受けてからのことだね。
おじさんは、書類に記載し、次の人に渡す。
暫くすると個室に案内された。
椅子と机があるだけの個室。
2人並んで椅子に座る、暫くするとこれまた髭爺さん登場。
おばちゃんもきてお茶らしき物を出された。
飲む前に鑑定。
毒物なしとの事で飲んでみたらレモン水だった。
髭爺さんが神妙な顔でハンクに告げる。
どうも、ハンクのパーティーは、全滅したようだ。誰も帰ってきてないとの事。
ハンクは、その場で泣き崩れた。
しばらく泣いて落ち着いた頃爺さんが、これからの身の振り方を考えろとハンクに言って出ていった。
ハンクは、意気消沈気力を失ったかのようにギルドを出て家に向かった。
仲間と一緒に購入した家は大きくはないが、住みやすそうではあった。
このまま、此処にハンク1人置いていくのも、後味が悪いので暫く厄介になることにした。
ハンクの部屋は…………。汚部屋だった。
生活能力のないハンクには、良い仲間だったらしい。
他の仲間の部屋もあるみたいだが取り敢えず、ハンクの部屋の掃除をした。
2時間もかかってしまった。
お腹が空いたので、厨房に行き料理を作る。
今日は、ハンクを、労わると決めた。
厨房は比較的整頓されていて仲間に、料理ができる人がいたことを思わせる。
暫く誰も帰って居ないみたいで少し埃がかぶって居たがさっと掃除するだけで済んだ。
1ヶ月も帰って居なかったがらしい。
ハンクが、風呂に入っている間に料理する。
簡単にシチュウとパンとサラダにした。
ハンクは、泣きながらご飯を食べて、俺を抱き枕にして寝た。
ええい鬱陶しい💢を、押さえ込みなされるがまま頭を撫でておいた。
一週間俺は耐えた。頑張った。
誰か、褒めてくれ。
そんなことを思ってたら、玄関の鍵が開く音が聞こえた。
ガヤガヤガヤ
「本当にいるか?」
「ギルドで言ってたじゃないか!」
ドアが開き、俺と目が合う。
「「 誰?」」
お互いに見合いながら首を捻る?入ってきた人達は、一旦出て外を確認して戻ってきた。
「君誰?何で家に居るのかな?」
「?おじさん達こそ誰?ここは、ハンクの家だよ?」
俺が、ハンクの名を出すとおっさん達は息良い良く入ってきて、ハンクの部屋に着いた。
流されて俺まで部屋にいるよ。
ガチャ、「「 ハンク生きてたのかよ!!」
部屋に入るなりハンクに抱擁するおっさん達。はっきり言ってむさ苦しい。
当のハンクは、訳もわからず困惑
「???…………………あーーーーーーーーーー!!!!!!!」
「……グッズ、ペース、ドルイド!!!!?」
理解したハンクは泣き笑いの顔で、みんなに抱きついた。
死ぬ死ぬ死ぬ……………………………。キューーーーーぱた。
「カズーーーーー!!!!!!」
そう俺はおっさん達に巻き込まれた。(何て日だ!!!!)
俺が気がつくとおっさん達全員で土下座で謝る。
『 申し訳ありませんでした。ごめんなさい 』
白けた目で彼らを見る俺。
勢い余って巻き込まれ押し潰されたのだ。
しかも、全員生きて居たと言う新事実!俺の一週間返せと言いたいところだ。
俺が気を失っている間に、話し終えたらしいハンクと仲間たち。
何故か、俺がこれからメンバーになって一緒に行動することになっていた。
「??? 何故?」
「いやー良かったよ、みんながカズを受け入れてくれて!」
「カズこれからも一緒に暮らそうな!」
首をポキポキ、「…………ハンクー、いつ俺がそんなこと望んだ?」
バキーン俺の渾身の一撃がハンクの鳩尾に入りハンクが伸びた。
「勝手に決めないでくれるかな!」
ふんすと言うように、鼻息荒く怒りを見せた俺。
何故男共に囲われねばならんのか理解不能!
俺は、自由だ!
ハンクと言うお荷物をやっと下ろせた俺は、ハンクの家を出た。
目指すは冒険者ギルド!
一週間遅れたが、登録して金を稼ぐ為に必要なことだ。
何をするにも、街では金がいる。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~
K1-M
ファンタジー
元日本人の俺は転生勇者として異世界で魔王との戦闘の果てに仲間の裏切りにより命を落とす。
次に目を覚ますと再び赤ちゃんになり二度目の転生をしていた。
生まれた先は下級貴族の五男坊。周りは貴族至上主義、人間族至上主義のクズばかり。
…決めた。最悪、この国をぶっ壊す覚悟で元勇者の力を使おう…と。
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しています。
髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜
あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。
そんな世界に唯一現れた白髪の少年。
その少年とは神様に転生させられた日本人だった。
その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。
⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。
⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる