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 衝撃的な場面を見てから、早くも一週間が過ぎた。


 未だ人里に向かう決心がつかない。

  
 ストレージには枝や木、丸太、薬草が増えていく。


 何処まで入るかわからないが今の所問題なく入っている。


 麻から加工した服に袖を通す。

 ゴワゴワするものも何回か洗うと肌に馴染んできて着やすくなる。


 そんな日々を過ごしていたが、今日!第二異世界人に遭遇してしまった。


 川でのんびり魚釣りをしていたら、大物がかかって喜んで引き上げ解体してたら中から人が出てきた。


 消化されかかっててほぼ全裸!





 かろうじて生きてはいたので治療して、洞窟に連れ帰ったよ。

 
 全然起きない。


 ナビさんの鑑定では、


 名前  グレース・フライ・ハンク  (男爵5男)

 年齢  20歳

 職業  冒険者

 魔法  生活魔法 火

スキル 剣技 身体強化 気配察知
 




貴族でまたもや男……………男しかいないのか?この世界BLは、勘弁してくれよ。(ノーマルなんで)


すぽんぽんハンクさんせめてもの情けで毛布はかけてあげたよ。


男としては羨ましいボディーですよ。


筋肉あり高身長逸物も立派…………今の俺に無いものばかりです。(え?前世でも無いだろって!

………余計なお世話です。見た事ないでしょ!)


冗談はともかく、このハンクさんここに来て3日目ですが起きません?



「いつ起きますかね~?」


ハンクさんの事はほっといて、何時もの日課をこなし、ご飯食べて寝ます。


次の日目覚めたら!!


『ギャー!』


見知らぬ男が、俺を見ていて目が合った。


思わず飛び起き、壁際に逃げるも、行き止まり!周りを思わず見回す!


朝からマッパ男の変態が~!


涙目になりながら、男を見る。


「#%#%#%#%#%#%」


男が何やら慌てて話す。聞き取れなかった。


「%#%#…………誤解だ誤解!襲ったりしないから、怯えねいでくれ!」


少しずつ頭がはっきりしてきて、ハンクさんが起きたのだと思い出した。


『毛布掛けたんだから、せめて巻けよ!見せんなあー』


と毛布を投げつける。


『あ!』

忘れてた、と言うように頭かいて照れている。


「すまんすまん。」


ハンクが、謝る。


変態ハンクをよそに身支度してご飯を作る。


朝食

ご飯 味噌汁 焼き魚 漬物


ハンクには、お粥と漬物


ハンクには、スプーンを渡す。


「3日も食ってないんだから君は病人食です。」


恨みがましい目で見てきたので、はっきり言い渡す。


渋々食べるハンク


スライムのご飯を見て凹んでいた。笑い。


焼いた肉大盛り他野草サラダ。


「スライムのご飯取ったらダメだよ」


と一応注意しておく。


「人間より良いもの食べてるスライム………。」


ハンクをほっといて、今日も採取作業に勤しむ。


何か言いたそうなハンクが、後ろをついてきた。


「まだ、本調子じゃ無いんだから寝てな!」

とベットへ戻れと促す。


ハンクが洞窟に戻ったのを確認して、今日も採取と魚釣りをして過ごす。


天気は晴れ、心地よい風が時より吹き和樹の髪を撫でていく。


釣竿を持ち魚が食いつくのを待つ。



「これからどうするかなー。」


1人黄昏考える。選択肢としては、


 ・このままここでのんびり過ごす。

 ・人里に行って暮らす。

 ・ハンクと旅をする。

 ・1人で旅をする。

 ・何もしない。


 「どうするかなー」


と考えてると釣竿に当たりがあった、喜んで引き上げる。


虹鱒みたいな魚が上がった。20センチくらいかな?


収納し、また、釣り糸を垂らす。


今日一日魚がいっぱい釣れた。大量大量!ほくほくである。


超大物は居なかったが、串焼きにしやすいサイズの魚が20匹近く釣れた。


帰りがてら木ノ実を取り、食べながら帰ると、ハンクが居なかった。


周りを見ても居ない。


少し寂しい気持ちになる和樹。


「行っちまったのか?あの裸族…………!!」


すると、茂みの奥からハンクが出てきた。


相変わらず裸族だった。


「服を着ろよ…………」


和樹が、服を投げ渡す。


ハンクは、受け取りその場で服を着る。


少し小さい模様………。


慌ててナビさんに服作成を頼み、ハンクの服が出来た。


袋から出すふりして、服を渡す。


「こっち着て!」


ハンクは、苦笑いしながらも服を着替える。


その間に、火を起こし魚を串に刺し焼く。


隣でハンクが、涎を垂らしそうになりながら見ていた。


ハンクの腹は、グーグーなり続ける。


仕方がないので、木ノ実を少し上げてみた。


野いちごみたいな木ノ実は、あっという間にハンクの腹に消えた。


「うまいな!」


ハンクが、話し出す。


「助けてくれてありがとうな!どうやって助かったかわ知らないが、生きててよかったよ。

俺は、ハンク………グレース・フライ・ハンク男爵家5男で、冒険者だ。

依頼を受けて仲間と魔物狩りに来たんだが、蛇に襲わ仲間とはぐれた。そんな時足を滑らせ川に落ちた

ことまでは覚えてるんだが…………。」


と此処で言葉を切り俺を見る。


「…………。カズだ、此処で暮らしてる。川で魚釣ったら中からあんたが出てきてびっくりだった。

生きていたから助けた。」


「ありがとうカズ!」

ガバッと抱き付くハンク


「!!変態触んなくっ付くな近寄んな!!」

男に抱きつかれても嬉しくないわ~!バタバタもがく和樹


そこは子供体型大人に抱きつかれれば成す術なし………。


しばらくして、離してもらえた。


どんな拷問だよ!

夕飯もお粥を出したら、さっき焼いてた、魚を豪快に食べ始めてしまったハンク。


貴族の躾は何処いった?


























 

 
 


 












   











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