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13.トモキとの暮らし

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 「お、なかなかうまいじゃん」

 トモキはできたてのハンバーグを食べながら嬉しそうな顔をしている。

 「それはどーも」

 私もいただきますのポーズをしてから食事を始める。

 結局あの後、私達はトモキの運転で近くのスーパーに寄り、ハンバーグの食材やらを買いこんで帰宅した。

 とりあえず翌日からの洋服やカバン、靴などを準備している間に、トモキがお米を炊いて、玉ねぎと人参をみじん切りしてくれていた。とはいっても、みじん切りが粗みじんだったので、私が引き継いでみじん切りを完成させたんだけど、先に準備してくれててとても助かった。

 そのまま簡単にハンバーグを作り、サラダを準備していたところで、急速炊きにした白米が炊きあがった。最後に豆腐とわかめのお味噌汁を作り、1汁1品ではあるけれど、食事が完成したので、今一緒に夜ご飯を食べているところだ。

 食事が済んでから、私達はテーブルに座り、短い間ではあるけれど、共同生活のルールを決めることにした。といっても、ヤマトと私が一緒に暮らしていたのとは違って、ここはトモキの家で、私がお世話になる身分なので、基本的にはトモキのルールに合わせるつもりではある。

 「洗濯物は別々、お互いが自分の洗濯物を洗濯して干そう」
 「食事はできれば作れるときは作って欲しいけど、面倒な時もあるだろうから、作りたくない日は言ってくれれば適当に済ませてくるし。てか、俺が作ることもたまにはあるかもしれないし」
 「風呂はそのとき入れる方が入る。順番とか決めなくていいっしょ」
 「ゴミは・・・出せるほうが出す、でいいんじゃね?」

 こんな感じでぼんやりと共同生活に当たってのルールみたいなものを決めた。

 「ありがとね、あの、なるべく早くに出ていくようにするから」
 「ああ、でもまあ気に入らない部屋だとまたすぐ引越しってなって二度手間だからな。別に焦って変なトコ借りたりしなくていいし」
 確かにトモキの言うとおり、違和感を感じつつも出ていくことを最優先して焦って契約したけど、やっぱり最初の違和感が残り続けて1~2年で退去するとなると負担が大きくなってしまう。焦らなくていいというトモキの提案はとてもありがたかった。とはいえもちろん、彼氏でもない男の家にいつまでも居続けるつもりはないけど。

 「本当に、ありがとう」
 「困ったときはお互い様だろ。俺が何か困ったことが起きたら、助けてくれればいいよ」
 そういってトモキが食器を持って立ち上がり、流しのスポンジを手に取った。

 「いいよ、居候させてもらってるし、私がやる」
 「え、いいの? じゃあ任せちゃおうかな~」
 トモキはあっさりとスポンジを流しに戻した。私も自分の食器を持って流しに行き、スポンジに洗剤を落とす。
 泡立てて洗い物を始めると、トモキが「じゃあ俺、風呂洗ってくるわ」と行ってお風呂場に行ってしまった。
 さりげなく家事を手伝ってくれるトモキに、内心感心しきりだった。
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