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5.再会した同級生
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ヤマトと暮らしてはいるものの、今週はほとんど顔を合わせることがなかった。朝はすれ違いになるようにヤマトが調整しているし、帰りは元々遅い。ネックレスが見つかる前までは、毎朝朝ごはんだけは一緒に食べていたけれど、それもなくなり、夜は私が早めに寝室にひきこもり、ヤマトはリビングで過ごしていた。
私はなんとかヤマトとやり直せないかと考えてしまっていた。諦めが悪い、往生際が悪い、自分でもそう思っているけれど、3年も付き合ってきたのに簡単に別れを受け入れられなかった。とはいっても、ヤマトには避けられているし、どうしたらいいのか全く分からない状態だ。毎日寝つきも悪いし、体調もよくない。
私生活では暗い毎日を過ごしていたが、今日は高校の同級生との同窓会だ。同窓会の連絡が来た時はあんなにワクワクしていたのに、当日にこんなに重たい気持ちのままこの日を迎えると思っていなかった。先週美容室で揃えてもらった髪の毛もパサつきが分かる。
同窓会の会場となるホテルの前に来ると、ドレスで着飾った子やワンピースの女の子が目立っていた。男子はほとんどがスーツだったが、たまにジャケットの人もいる。私は案内状に書かれたレストランに向かう。途中途中で懐かしい顔を見ては挨拶を交わしていった。そのうち段々と私もヤマトとのことは忘れて明るい気持ちになっていた。
同窓会はクラスごとに幹事が受付係やお金の管理をしているようだった。受付で会費を手渡し、自分の名前に〇をしたところで懐かしい名前を発見した。
城ケ崎トモキ
すでにトモキの名前の隣には〇がつけられていた。
『トモキ、来てるんだ!』
城ケ崎トモキは高校時代に仲が良かった男子だ。いつも2人で言い争ってばかりだったけど、私達は恋人同士ではなかった。私はもっと私に優しくしてくれる人が好きだった。トモキから好きな子の話を聞いたことがなかったけど、たぶん当時のトモキに彼女はいなかったはずだ。男子同士では話していたのかもしれないけど。
高校時代の3年間全て同じクラスだった私とトモキだったけど、お互いの連絡先は知らなかった。ほぼ毎日学校で顔を合わせるし、夏休みや冬休みなどの長期休みの間に2人で出かけるなんてこともしなかったからだ。私達は卒業後はお互い別々の大学に行くことが決まっていたけど、それでも連絡先を交換することはなかった。「じゃーな」と言って教室から出ていくトモキを見送ったのが、トモキを見た最後。約12年ぶりの再会だ。
そういえばトモキは医者になるという目標があったから、医大に行ったはずだ。その後どうしたんだろう、お医者様にはなったのだろうか。太ってたりして?ちょっと前髪後退してたりして?色んな想像が頭の中で繰り広げられる。
会場内に入ると当たり前だけど同級生で溢れかえっていた。1年生のときだけ同じクラスだった子、3年生のときに同じクラスだった子。子どもを抱えている子もチラホラ目にする。凄いなぁ、お母さんしてるんだ。立派だなぁ。あ、あの子少し太ったな~とか考えながら無意識のうちにトモキを探していた。
そのとき、肩をぽん!と叩かれたので振り返ると、高校時代に仲が良かったクラスメイトに声をかけられた。
「わ、ひっさしぶりー!」
「こずえこそ! 久しぶり! 今なにしてるの? 仕事とか! あ、向こうにうちのクラス集まってるから行こうよ!」
高校時代から変わらぬ弾丸トークを繰り広げるクラスメイトについていくと、そこには確かに高校3年生のときのクラスメイトが集まっていた。
きゃあきゃあ言いながら高校卒業以来の再会を懐かしみ合う。一通りみんなと言葉を交わしてると、1人の女の子が私の後ろを指さした。
「あ、城ケ崎くん!」
「よう」
振り返ると、そこにはスーツをビシっと着こなした城ケ崎トモキが立っていた。
私はなんとかヤマトとやり直せないかと考えてしまっていた。諦めが悪い、往生際が悪い、自分でもそう思っているけれど、3年も付き合ってきたのに簡単に別れを受け入れられなかった。とはいっても、ヤマトには避けられているし、どうしたらいいのか全く分からない状態だ。毎日寝つきも悪いし、体調もよくない。
私生活では暗い毎日を過ごしていたが、今日は高校の同級生との同窓会だ。同窓会の連絡が来た時はあんなにワクワクしていたのに、当日にこんなに重たい気持ちのままこの日を迎えると思っていなかった。先週美容室で揃えてもらった髪の毛もパサつきが分かる。
同窓会の会場となるホテルの前に来ると、ドレスで着飾った子やワンピースの女の子が目立っていた。男子はほとんどがスーツだったが、たまにジャケットの人もいる。私は案内状に書かれたレストランに向かう。途中途中で懐かしい顔を見ては挨拶を交わしていった。そのうち段々と私もヤマトとのことは忘れて明るい気持ちになっていた。
同窓会はクラスごとに幹事が受付係やお金の管理をしているようだった。受付で会費を手渡し、自分の名前に〇をしたところで懐かしい名前を発見した。
城ケ崎トモキ
すでにトモキの名前の隣には〇がつけられていた。
『トモキ、来てるんだ!』
城ケ崎トモキは高校時代に仲が良かった男子だ。いつも2人で言い争ってばかりだったけど、私達は恋人同士ではなかった。私はもっと私に優しくしてくれる人が好きだった。トモキから好きな子の話を聞いたことがなかったけど、たぶん当時のトモキに彼女はいなかったはずだ。男子同士では話していたのかもしれないけど。
高校時代の3年間全て同じクラスだった私とトモキだったけど、お互いの連絡先は知らなかった。ほぼ毎日学校で顔を合わせるし、夏休みや冬休みなどの長期休みの間に2人で出かけるなんてこともしなかったからだ。私達は卒業後はお互い別々の大学に行くことが決まっていたけど、それでも連絡先を交換することはなかった。「じゃーな」と言って教室から出ていくトモキを見送ったのが、トモキを見た最後。約12年ぶりの再会だ。
そういえばトモキは医者になるという目標があったから、医大に行ったはずだ。その後どうしたんだろう、お医者様にはなったのだろうか。太ってたりして?ちょっと前髪後退してたりして?色んな想像が頭の中で繰り広げられる。
会場内に入ると当たり前だけど同級生で溢れかえっていた。1年生のときだけ同じクラスだった子、3年生のときに同じクラスだった子。子どもを抱えている子もチラホラ目にする。凄いなぁ、お母さんしてるんだ。立派だなぁ。あ、あの子少し太ったな~とか考えながら無意識のうちにトモキを探していた。
そのとき、肩をぽん!と叩かれたので振り返ると、高校時代に仲が良かったクラスメイトに声をかけられた。
「わ、ひっさしぶりー!」
「こずえこそ! 久しぶり! 今なにしてるの? 仕事とか! あ、向こうにうちのクラス集まってるから行こうよ!」
高校時代から変わらぬ弾丸トークを繰り広げるクラスメイトについていくと、そこには確かに高校3年生のときのクラスメイトが集まっていた。
きゃあきゃあ言いながら高校卒業以来の再会を懐かしみ合う。一通りみんなと言葉を交わしてると、1人の女の子が私の後ろを指さした。
「あ、城ケ崎くん!」
「よう」
振り返ると、そこにはスーツをビシっと着こなした城ケ崎トモキが立っていた。
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