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第1章 官吏試験編
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浅く頭を下げる。
その姿を見て我に返ったのか、秀英が口を開く。
「官吏試験主席合格、伯 秀英」
秀英らしい簡潔な自己紹介を済ませる。
自己紹介を済ませた晏寿と秀英に出遅れて、景雲が言う。
「今回の官吏試験三位合格、容 景雲」
「これで自己紹介も済んだな。
あー、まぁ、俺もしないと駄目か。
俺は一応ここの大臣の李 儀円」
晏寿はやっぱり、秀英と景雲はやっと大臣が来たのかという反応。
大きくは驚かなかった。
その反応を気にするわけでもなく、儀円は淡々と話を進める。
「お前ら、ここの仕事がいきなり厠掃除と雑用で驚いただろう?」
不敵な笑みを浮かべながら、三人を見る。
「あれ、決めたのは俺なんだが…
まさか、上位で合格したのに掃除させられるなんて思ってなかっただろう?
俺は『上位で合格した、他とは出来が違います』って天狗になってる奴の鼻を折るのが好きなんだ。
ここに来るのは大体上位三人だからな」
これに少し乗っかってしまっていた景雲はうっと苦い顔をする。
そんな景雲にしたり顔をしながら儀円は続ける。
「けど、大事なことだからな」
儀円が急に真面目な顔になるので、三人も先程より気が引き締まる。
「この国を支えているのは、誰だ?
容景雲、答えろ」
「…国王陛下」
「違う」
景雲の言葉をばっさり切り捨てる。
晏寿も同じ答えだったので、「えっ」という顔になる。
「この国を支えているのは国王一人の肩にかかってるわけではない。
支えているのは民一人ひとりだ。
王一人でこの国の全ての人間が飢え死にせずに食っていけるだけの食いもんを生み出すことはできるか?
無理だ。
なら、この国の食糧を支えてるのは誰だ?
民だろ?
民がいなくなれば、その上の階級――つまり税金をあてにしてる貴族だな――はあっという間に飢え死に。
そんな生活を支えてくれてる民にお前ら貴族は何をさせてた?
掃除、洗濯、料理、その他雑用を雇ってさせてただろうが。
今まで厠の掃除なんてしたことない貴族のボンボンが、どうやって民の気持ちを理解して、民のために何かできる。
上に立つ人間ほど、厠掃除をして民の気持ちを知るべきと俺は思っている。
だからここに来た新人にはだいたい最初は雑用が仕事なんだよ」
腕を組んで、じっと三人を見つめながら儀円は淡々と話す。
晏寿はなるほど…と思いながら聞いていた。
ふと、秀英の手元を見ると秀英は自身の手をぎゅっと力強く握っていた。
そんな秀英の行動に晏寿は疑問を抱いたが、儀円の話の途中であったことを思い出し再び儀円のほうに集中を戻した。
「今日まで厠掃除に耐えてきたお前らだ。
これからも問題はないだろ」
「あの、質問してもよろしいですか?」
「なんだ」
儀円の言い方に含みがあるように感じた晏寿は疑問に思った。
そして許可を得てから質問する。
「今の言い方は、耐えきれなくて辞めていった人達がいるように聞こえるのですが」
「ああ、辞めてった奴らなんて虫のようにいる。
大体が上級もしくは中級貴族のぼんぼん。
妙に自尊心が強くてな。
仕事内容聞いただけで帰っていった腰抜けもいたな」
儀円の解答に晏寿は目を見張る。
驚いていれば、儀円の後ろに控えていた杜補佐と目が合い、杜補佐は苦笑いを浮かべていた。
「まぁ、もう嫌というほど厠掃除もしたろうし。
来週からは別の仕事を与える」
儀円の言葉に、厠掃除が嫌で嫌で仕方がなかった景雲がぴくりと反応する。
そんな単純な景雲に晏寿は心の中で苦笑していた。
「だからといって、今までのことを無駄にするなよ。『初心忘るべからず』だ」
景雲の心情が儀円にも分かったのか、それとも景雲がわかりやすいからなのか儀円の先手を打っていた。
それに対して、景雲はうっと顔をしかめた。
その後各々の仕事に戻るように言われ、立ち去ろうとしたら晏寿は儀円に仕事が終わったら儀円のところに来るように言われた。
そして晏寿は仕事が終わり儀円の元を訪れ、個室に誘導された。
そこで儀円と二人きりになる。
儀円は椅子にゆったりと座り、その正面に晏寿は立っていた。
「ご用件とはなんでしょうか」
「どうだここは。
女の身では風当たりもきつかっただろう?」
いきなりの自分を労う言葉に晏寿は顔には出さなかったが、胸中では驚愕していた。
最初は辛辣なことばかり言っていた人が何故急に…と失礼と思いながらも信じられないという感じだった。
「お前はそれにあの柳家の娘だろう。
怜峯はお前を絶対苦労するとわかっている官吏に何故送り込んだ?」
「兄を御存じなのですか?」
兄の名が出てきたことに一番反応する。
それに対しては儀円は「まあな」と軽く返し、問題はそこではないということで晏寿に質問の返答を促した。
「色々事情がありまして、官吏を受けるしかなかったのです」
「色々とは…糸家か」
「…はい」
隠しても無駄だと思った晏寿は素直に肯定した。
すると儀円はふぅん…と考えを巡らせ始めた。
何が返答として帰ってくるのだろうかと晏寿は気が気でなかった。
そして、儀円はとんでもない爆弾を投下してきた。
「要は金が必要なんだろ。
俺が工面してやろうか」
その姿を見て我に返ったのか、秀英が口を開く。
「官吏試験主席合格、伯 秀英」
秀英らしい簡潔な自己紹介を済ませる。
自己紹介を済ませた晏寿と秀英に出遅れて、景雲が言う。
「今回の官吏試験三位合格、容 景雲」
「これで自己紹介も済んだな。
あー、まぁ、俺もしないと駄目か。
俺は一応ここの大臣の李 儀円」
晏寿はやっぱり、秀英と景雲はやっと大臣が来たのかという反応。
大きくは驚かなかった。
その反応を気にするわけでもなく、儀円は淡々と話を進める。
「お前ら、ここの仕事がいきなり厠掃除と雑用で驚いただろう?」
不敵な笑みを浮かべながら、三人を見る。
「あれ、決めたのは俺なんだが…
まさか、上位で合格したのに掃除させられるなんて思ってなかっただろう?
俺は『上位で合格した、他とは出来が違います』って天狗になってる奴の鼻を折るのが好きなんだ。
ここに来るのは大体上位三人だからな」
これに少し乗っかってしまっていた景雲はうっと苦い顔をする。
そんな景雲にしたり顔をしながら儀円は続ける。
「けど、大事なことだからな」
儀円が急に真面目な顔になるので、三人も先程より気が引き締まる。
「この国を支えているのは、誰だ?
容景雲、答えろ」
「…国王陛下」
「違う」
景雲の言葉をばっさり切り捨てる。
晏寿も同じ答えだったので、「えっ」という顔になる。
「この国を支えているのは国王一人の肩にかかってるわけではない。
支えているのは民一人ひとりだ。
王一人でこの国の全ての人間が飢え死にせずに食っていけるだけの食いもんを生み出すことはできるか?
無理だ。
なら、この国の食糧を支えてるのは誰だ?
民だろ?
民がいなくなれば、その上の階級――つまり税金をあてにしてる貴族だな――はあっという間に飢え死に。
そんな生活を支えてくれてる民にお前ら貴族は何をさせてた?
掃除、洗濯、料理、その他雑用を雇ってさせてただろうが。
今まで厠の掃除なんてしたことない貴族のボンボンが、どうやって民の気持ちを理解して、民のために何かできる。
上に立つ人間ほど、厠掃除をして民の気持ちを知るべきと俺は思っている。
だからここに来た新人にはだいたい最初は雑用が仕事なんだよ」
腕を組んで、じっと三人を見つめながら儀円は淡々と話す。
晏寿はなるほど…と思いながら聞いていた。
ふと、秀英の手元を見ると秀英は自身の手をぎゅっと力強く握っていた。
そんな秀英の行動に晏寿は疑問を抱いたが、儀円の話の途中であったことを思い出し再び儀円のほうに集中を戻した。
「今日まで厠掃除に耐えてきたお前らだ。
これからも問題はないだろ」
「あの、質問してもよろしいですか?」
「なんだ」
儀円の言い方に含みがあるように感じた晏寿は疑問に思った。
そして許可を得てから質問する。
「今の言い方は、耐えきれなくて辞めていった人達がいるように聞こえるのですが」
「ああ、辞めてった奴らなんて虫のようにいる。
大体が上級もしくは中級貴族のぼんぼん。
妙に自尊心が強くてな。
仕事内容聞いただけで帰っていった腰抜けもいたな」
儀円の解答に晏寿は目を見張る。
驚いていれば、儀円の後ろに控えていた杜補佐と目が合い、杜補佐は苦笑いを浮かべていた。
「まぁ、もう嫌というほど厠掃除もしたろうし。
来週からは別の仕事を与える」
儀円の言葉に、厠掃除が嫌で嫌で仕方がなかった景雲がぴくりと反応する。
そんな単純な景雲に晏寿は心の中で苦笑していた。
「だからといって、今までのことを無駄にするなよ。『初心忘るべからず』だ」
景雲の心情が儀円にも分かったのか、それとも景雲がわかりやすいからなのか儀円の先手を打っていた。
それに対して、景雲はうっと顔をしかめた。
その後各々の仕事に戻るように言われ、立ち去ろうとしたら晏寿は儀円に仕事が終わったら儀円のところに来るように言われた。
そして晏寿は仕事が終わり儀円の元を訪れ、個室に誘導された。
そこで儀円と二人きりになる。
儀円は椅子にゆったりと座り、その正面に晏寿は立っていた。
「ご用件とはなんでしょうか」
「どうだここは。
女の身では風当たりもきつかっただろう?」
いきなりの自分を労う言葉に晏寿は顔には出さなかったが、胸中では驚愕していた。
最初は辛辣なことばかり言っていた人が何故急に…と失礼と思いながらも信じられないという感じだった。
「お前はそれにあの柳家の娘だろう。
怜峯はお前を絶対苦労するとわかっている官吏に何故送り込んだ?」
「兄を御存じなのですか?」
兄の名が出てきたことに一番反応する。
それに対しては儀円は「まあな」と軽く返し、問題はそこではないということで晏寿に質問の返答を促した。
「色々事情がありまして、官吏を受けるしかなかったのです」
「色々とは…糸家か」
「…はい」
隠しても無駄だと思った晏寿は素直に肯定した。
すると儀円はふぅん…と考えを巡らせ始めた。
何が返答として帰ってくるのだろうかと晏寿は気が気でなかった。
そして、儀円はとんでもない爆弾を投下してきた。
「要は金が必要なんだろ。
俺が工面してやろうか」
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