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いっそのこと
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ニコニコ笑いながらお茶を飲みつつ考える。
正直なところいっそのこと逃げ帰りたい。
あたしみたいなのには、お貴族様の生活はあっていないのだ。
がしかし父親が聞き届けてくれるとはとてもじゃないが思えないのだ。
「レーア様のご趣味は何ですか?」
クリストファー様が穏やかに聞いてくる。話の糸口を探しているのはわかる。だって沈黙って意外とつらいものね。
でもね?ご趣味、ご趣味ねえ…!
どうしよう、人に行っていいものじゃない気がすんだけどなあ……!つーか、あれって趣味でいいのかな!?
鍵開けって趣味だと思います…?
大概のものあけられる自信あるんだけど。
趣味かどうかはともかくとして今この場で言えるよーな代物じゃないことくらいは重々承知している。
少なくとも貴族サマに行っていいものではない。
「刺繡、でしょうか」
「お素敵でいらっしゃいますね。今度機会があったら拝見してみたいです」
ムリ。
「人様にお見せできるような腕ではございませんの。勘弁してくださいな」
お嬢様がやってそうなこと言っただけなんだけどな…。とはいえ、言ってしまったからにはちゃんと最低限刺繡ができるようにならないと…
あはは
そろそろ何重にもかぶってる猫が脱げてぼろだしそう…
この茶会いつ終わるのかな。
早く終わってくれないかな…?
「ああ、いけない。名残惜しいですが時間が…時がたつのは早いものですね」
「あら、残念ですわ、またいらしてくださいね」
よっしゃあ!終わる!
もういらっしゃなくてもいいですけどね!
まあ、さすがに聞こえてないだろうからムリだろうけど。
クリストファー様はあたしに向かっておじきをすると去っていった。
あーーーーー。つかりた…
正直なところいっそのこと逃げ帰りたい。
あたしみたいなのには、お貴族様の生活はあっていないのだ。
がしかし父親が聞き届けてくれるとはとてもじゃないが思えないのだ。
「レーア様のご趣味は何ですか?」
クリストファー様が穏やかに聞いてくる。話の糸口を探しているのはわかる。だって沈黙って意外とつらいものね。
でもね?ご趣味、ご趣味ねえ…!
どうしよう、人に行っていいものじゃない気がすんだけどなあ……!つーか、あれって趣味でいいのかな!?
鍵開けって趣味だと思います…?
大概のものあけられる自信あるんだけど。
趣味かどうかはともかくとして今この場で言えるよーな代物じゃないことくらいは重々承知している。
少なくとも貴族サマに行っていいものではない。
「刺繡、でしょうか」
「お素敵でいらっしゃいますね。今度機会があったら拝見してみたいです」
ムリ。
「人様にお見せできるような腕ではございませんの。勘弁してくださいな」
お嬢様がやってそうなこと言っただけなんだけどな…。とはいえ、言ってしまったからにはちゃんと最低限刺繡ができるようにならないと…
あはは
そろそろ何重にもかぶってる猫が脱げてぼろだしそう…
この茶会いつ終わるのかな。
早く終わってくれないかな…?
「ああ、いけない。名残惜しいですが時間が…時がたつのは早いものですね」
「あら、残念ですわ、またいらしてくださいね」
よっしゃあ!終わる!
もういらっしゃなくてもいいですけどね!
まあ、さすがに聞こえてないだろうからムリだろうけど。
クリストファー様はあたしに向かっておじきをすると去っていった。
あーーーーー。つかりた…
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