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第2章

17.

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まじですか……
そんなに重い話がこの世界にはあったなんて初めて知った。
エルフとかいる以上ファンタジーなのは重々承知で分かっていたけれども、ここまでファンタジーでおとぎ話してるとは、正直なところ思っていなかった。

ていうか、魔王いたんだ……。
勇者もいるのかな……?
ここまで行くとゲームかとすら思えてしまう。
だって、だって魔王だよっ!?
とはいえ、ここは現実だ。
よくあるゲーム中だったとかいう設定だったとしても、ここは現実で、リプレイも巻き戻しもできない。
僕はそれをよく知っている。
宵の森で魔物を狩って食べたのは夢でも何でもないのだから。
「アス?黙り込んでどうかしましたか?」
「えーとね、そんな歴史があったんだって思って」
「ええ。多分、知っているものはすくないでしょうが」
「どうして?」
「知っていたものが旅立つ一方ですからね」
ああ。そういうことか。
死んでいっちゃうのか。
オズはハイエルフだから長生きだけど、全員が全員そうだとはかぎらないけれども、話の流れ的にはきっと本当に大昔の出来事なのだろう。
たぶん、といってもほぼ確実なんだけどこれは神話とか神代の話だろう。
そりゃあ、知っている人もどんどん少なくなっていくのも当たり前のことだと思う。
ていうかいまさらだけれども、オズっていくつなの……?
まあ、いいか。

「いままでも、魔族はしょっちゅうででたの?」
「いえ、ここ最近は、あまり表に出てきていなかったのですが」
ここ最近は動いていなかった魔族が動きだした……?
何かわけがあるのかな。

ただ、動き出したのならいいけ……よくないね?
ぜっっったいにダメだよね。
でも、ずっと現れなくても何かしでかしそうで怖いし。


……何というか、正直に言ってしまえば面倒だな……。
「アス」
「どうしたの?オズ」
「おそらくですが、魔族はこれから本格的に表に出てくるでしょう。その時にオズ、君はきっと魔族と何かしらのかかわりを持つでしょう。君は私の弟子でもあります。だから君にも、ちょっかいを出してくると思いますから。だからどうか気を付けてください。そのために今回はあのダンジョンに連れて行ったのですから」
なるほど。それが理由だったのか。
オズは割かし一般的にはおかしいことをしでかしているとはいえ、優しい。
それなのにわざわざ僕を、いや僕たちをダンジョンに連れて行った。
わざわざ、そんなことをしたのは危機感を持たせるためだったのか。
たしかに、僕ならおかしいと判断できる。
判断すれば警戒する。

……さすがだなあ
オズは僕のことをよくわかってる。
「うん。気を付ける」
「夜も遅いですしここまでにしましょうか」
確かに夜はとっくの昔更けてる。
抜け出してることがばれるのは勘弁だしね。
「うん。おやすみ、オズ」
「おやすみなさい。アス」
_____________________
ここまで読んでくださりありがとうございます
約2か月振りの投稿になってしまいました。……すみません。
今度こそ……今度こそ!近日投稿できるよう頑張ります。
良ければ他作品もお願いします
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