上 下
26 / 28
第2章

16.

しおりを挟む
ウールストとヴィンジェットが眠るなか、僕は部屋を抜け出してオズの所に向かった。
「…オズ」
「なんでしょうか?アス。」
アスは、僕が来ることを予想していたのだと思う。
、声をかけた僕に、平然と言葉を返してきた。
「ダンジョンの件について聞きたいことがあって…。」
あれは、異常すぎる。
本来のあのダンジョンは、もっと簡単なはずなのだ。
だのに、なぜあの骸骨は現れたのかおそらくだけれど、オズはある程度予想がついているのだと思う。
だから、あんなに冷静だったのだろうと思ったのだ。
そうじゃなかったら、どうしよう・・・。

「やはりその件ですか。」
そういうと、オズは話し始めた。
「おそらくですが、この件には魔族が関係しています。」
「マゾク?」
「言っていませんでしたっけ?」
「聞いてないよ…。」
「では初めから話していきましょうか。」


___この世界の始まりは混沌だといわれています。
混沌の中にある時2つの存在が生まれました。
その存在はそれぞれ魔王と聖王と呼ばれる者たちです。
何もない混沌に飽いた魔王と聖王は、大地を作り大空を作りました。
それから、植物と動物を作り、最後に言葉を持つ者たちを作りました。
我々エルフや、君たちのような妖精、それからヒト種といった者たちです。
聖王は生き物を可愛がり共に暮らし始めます。
魔王は聖王が彼らにばかりかまうのが面白くなくて仕方がありません。
ある日魔王は作った生き物たちがしまえば聖王が自分を見てくれるだろうと思い立ってしまいます。
そうして魔王は地上の生き物を壊すための存在を作り出します。
魔王が生み出した種族であるため、それがやがて縮まって呼ばれたのです。
…それこそが魔族のはじまりです。
そうして生み出された魔族たちは、自分たちの主であり、創造主たる魔王の命令に忠実に従いました。
聖王のかわいがるを次々と殺していったのです。
それを聖王は、許しはしなかったのです。
たしかに、魔王の望んだとおり聖王は魔王のことを見ました。
けれど、それは、魔王が望んだかつてのような温かいまなざしではなかったのです。
凍り付くような、怒りと殺意に彩られた、そんな激しい激情。
聖王は、魔王の生み出した彼ら魔族を殺す存在を造りました。
その存在を、“セイレイ”と呼んだのだそうです。
ただ、彼らは今は存在すらしていないとされています。
魔族は、未だ残っている。そうなのであれば、結末のわからないこの神話の最期は、“セイレイ”が負けたということだったのでしょう。
なのだから、魔族は、いまもなお他の種族との折り合いが悪く、戦争も多く起こってしまっているのです…。


________________________________________
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
面白いと思ってくださったらお気に入り登録や感想など是非お願いします!!
作者の励みになります。
本当に、遅くなってごめんなさい…。近日中にとかいったのは誰でしょう…?A,私です…本当に、次は近日中になるよう頑張ります。
他作品もちまちま投稿予定なので読んでくださると嬉しいです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。

▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ...... どうしようΣ( ̄□ ̄;) とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!! R指定は念のためです。 マイペースに更新していきます。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双

たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。 ゲームの知識を活かして成り上がります。 圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

処理中です...