ケットシーな僕とはじまりの精霊

結月彩夜

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第2章

15.

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まばゆいひかりが場に広がる。
光が落ち着いたころには、もう骸骨の姿はなかった。

おそらく、アンデット系がやけに出る原因はこの骸骨だった。
だから、しばらくすれば、元通りになるはずだ。
「アスッ無事っ!?」
「さっきに光はなんだっ?!」
ウールストとヴィンジェットが駆け寄ってくる。
ウールストは、心配してくれたが、ヴィンジェットは『終焉の祝福』が気になって仕方がないらしい。
・・・まあべつにいいけどね。
オズは、倒せて当たり前といった風で、微笑んで立っている。
「特別授業はこれで終了となります。さあ、帰りましょうか。」
「俺ら何もできてないんだが…。」
「だよね…。」
『いえ、アンテッドをきちんと倒せてましたし、問題ありませんよ?というか、アストラル君の方が普通じゃないんです。」
…普通じゃないって。
ひどくない?
「「ああ。まあ確かに・・・。」」
ウールストとヴィンジェットまで」・・・。
本当にひどくないかなあ・・・。
3人とも。
「それで、『終焉の祝福』とはなんだ?初めて聞いたぞ。」
ヴィンジェットが改めて聞いてくる。
「んー。知らない?」
「ああ。」
「ウールストは知ってる?」
「いや、知らない。」
「そっかあ。んー。なんていうかな。『終焉の祝福』はね、安らかな最期おわりをつくるもの。かな?アンデット系とかこの世に未練を残して歪んでしまった者たちに贈る最初で最後の祝福だよ。永遠が続くとつかれてしまうらしくて。だから、祝福なんだって。正直なところ、僕にはさっぱりわからないんだけどね。」
ああ、でもオズに拾われた日みたいなのがずっとずっと続いたら疲れてしまうかも。
僕は、一人そう思った。



寮に戻ると、夕食時だったので、3人で食堂に向かった。
ウールストとヴィンジェットは、野菜と肉とパンとスープというシンプルな定食の並みを頼んでいた。
僕は同じ定食の特盛に加えて焼き鳥とプリンを頼んだ。
カウンターのおばちゃ…お姉さんが、
「食べきれるのかい?」
と心配してきたが、平気なのだ。
「大丈夫です!」
ウールストとヴィンジェットは、僕の持っているトレーを見てぎょっとしている。
「アス、それ食べきれるの…?」
ウールストが聞いてきた。
「うん。」
「どこにその量入るんだ?」

「あーおいしかったあ。」
「「ほんとに食べきった…」」
ウールストとヴィンジェットは、唖然とした様子と呟くように言った。
「もう少し頼めば良かったかな?」
「「まだはいるの(か)?!」」
「え?うん。」
なんだろう?
ものすごく引かれてる気がする…。


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