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第2章

9.

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「「うわあああああああああ!!!!!!」」
ウールストとヴィンジェットの絶叫が聞こえる。
僕は2人の襟首をつかんだまま森の中をダッシュしていた。
よし。
このままゴールまで走ってしまおう。

__

少し時を遡ろう。
・・・罠とかがなければいいんだけどなあ。
これが俗にいう瞬間だった。
とはいえ、しばらくは何も起きなかった。
「アストラルあとどのくらいなの?」
「ん-。あと1時間くらいかなあ。」
「結構近いんだな。」
「うん。」

__リンッ
「え?」
鈴のおとが聞こえた。
ウールストが引っ掛かったらしい。
__リンッリンッリン
音が広がって、増えていく。
「あ。ヤバいかも。」
「「え?」」
僕が思わずつぶやき、2人の疑問符が聞こえたとき。
__パシッ
音がして、僕たちの足元に氷の矢が突き刺さっていた。
__パシッ
「先に謝るっ!ごめんっ!!」
僕はそういって2人の襟首をつかんだ。
「「え?」」
困惑しているしている2人を無視して、僕は走り出した。
「「うわあああああああああ!!!!!!」」
ついで、絶叫がきこえる。 
僕の右手にウールスト、左手にヴィンジェットをつかんでいる状態で、森にまっすぐな道なんてほぼないのだ。2人とも時折木にぶつかりそうな状態になっている。無理もない。

GARUUUUU

2人の絶叫で魔物もこちらにやってくる。
今僕は両手がふさがっている。
かといって、絶叫している2人には、任せられない。
となれば道は一つでだけ。
逃げて逃げて、逃げまくれっ
これに尽きる。
__
そして、冒頭に戻るのだ。
僕は、2人を両手に持って全力で走り抜ける。
地図は頭に入ってる。
あとは走るだけ。

泉っ
あれかあああ!!
目の前に泉がみえた。

ジャっパーンッ

水しぶきがあがる。
手前で止まろうとしたのだけど、勢いが付きすぎていて止まれずに泉に落ちてしまった。
「おー。ゴールおめでとう。君らが一番初めだ。」
担任の言う声が聞こえる。
「いやあ、それにしても景気良く濡れたなあ。アッハッハッハ」
笑う担任に少しだけイラっと来て、ぼくはいった。
「なんつーわな用意してくれてるんですか。おかげで全力疾走する羽目になりました。」
3人で泉からあがって、人心地ついた。
「いきなり、襟首つかんで何するのかと思ったら…。」
「死ぬかと思った・・・。」
「ごめん。ヤバいと思ってつい・・・。でも首がしまらないように少し隙間が空くように魔法で調節したし・・・。」
「あれは、結局何だったんだ?」
「あれ?」
「ウールストがなんかに引っ掛かっただろう?」
「あー。あれ?多分だけど、鳴子だと思う。そんで鳴子を鳴らした者を標的にして氷の矢が打たれるように魔術式トラップが仕掛けてあったんじゃないかなあ。___僕も昔同じような目にあったし・・・」
「なるほどな。」
「__ん?まって。?どういうこと?」
「森になれるためっていわれてねえ・・・。」
僕は遠い目になっていった。
「そ、そう。詳しくは聞かないでおくよ。」
「うん。ありがと。」
できれば思い出したくない。
やくにはたってるけど・・・。
やっぱり、オズのアレは‘’普通’’じゃなかったんじゃ・・・?
2人を見ていて僕はそう思ったのだった。



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次回は明日投稿予定です。

※人物紹介にアスのイメージを上げてみました。興味ある方は見に行ってください。
下手なのでしばらくしたら恥ずかしくなって、コッソリ消すかもしれません。
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