ケットシーな僕とはじまりの精霊

結月彩夜

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第1章

4.

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僕はオズの肩に載って街へと向かった。


街の雰囲気は中世ヨーロッパのようだった。
見渡す限りレンガの家々。

まあ、ラノベの世界を想像してくれればそれがアルターシュという街である。

「ここで服を買いましょう。」
オズはそういって、看板に洋服が描かれた店へと入っていった。

「これでいいんじゃないでしょうか?」
オズがそういって試着室にいる僕に服を一式渡してきた。
僕は試着室の中で変化すると、服を着た。
オズの選んだ服は、白い長袖のシャツに七分丈のズボンだった。
うん。シンプルイズザベスト!な服だ。
まあ、こういう服の方が僕も好きだけどね。
そういえば、この世界には獣人もいるのかな。
このズボンしっぽが出せるようになってるんだよね。
「オズ、どうかな?」
着替え終わったので、オズに見せる。
「サイズも大丈夫そうですね。では、アスこのままいきましょうか。」 
オズがそういって店主にお金を払ってくれた。
「オズありがとう」
「いえ、構いませんよ」

「まいどありー」
店主の声を背にして歩き出した。
なんというか不思議な店主だ。
猫がいなくなって、子供が現れても気にしないなんて。
それとも、この世界では当たり前のことなのだろうか。
ほんの少しだけ気になった。

僕は気が付かなかった。
店主が後ろで
「変わんねえなあ。オズマンサスフラグランスバラエティオーランティアカス。あのおせっかいの苦労人。」
そう呟いていたことに。



「オズ、どこにいくの?」
迷子にならないようにと僕はオズと手をつないで歩いている。
「ギルドです。」
ギルドかあ。
ラノベ知識で行くと冒険者ギルドとか、商業ギルドとかなんだろうなあ。
「何ギルド?」
「総合ギルドです。君の身分証明書を作成しておきたいので、まずは総合ギルドに登録します。後でほかのギルドに登録する場合でも総合ギルドに登録してあると楽なんです。各ギルドとの連携がしっかりとしているので。」
「へえ~そうなんだあ」
やっぱりいろんなギルドがあるんだ。


「ご用件は何でしょうか?」
にっこりと微笑みながら受付のお姉さんがたずねてくる。
「インセンディアスはいますか?」
オズが答えるとお姉さんが少し固まった。
「少々お待ちください。」
そういっておねえさんは裏に入っていった。


「お待たせしました。ご案内します。」
お姉さんに連れられて裏へと僕たちは入っていく。
コンコンッ
「失礼します。ご案内しました。」
「お久しぶりです。先生。」
そういって現れたのは青い髪に糸目で微笑むなんというか、こう・・・うさんくさいひとだった。
「先生はよしてください。」
糸目は何も答えない(インセンディアスだっけ?この糸目さん)
「先生は先生ですよ。それで先生今回はどのようなご用件で?」
「この子の登録をと思いまして。」

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